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Bloody hood A
物騒な話
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様々な制約の存在するこの井戸ですが、戦争なんかの時はなにかと役に立ったようです。
銃弾を無限に生み出し、食糧の尽きる事がない無敵の要塞。
国と国の戦争の時は、どちらが先にこの村と契約できるかで争っていたと言っても過言じゃありませんから。
お陰で村長は金銀財宝がいくらでも手に入り、贅沢三昧の生活を送っていたそうですよ。
本気で活用しようとすればいくらでも活用できるという訳です。
まぁ、そんなの全部過去の話ですけどね。
今は見る影もありません。
ここでマリィへの言葉は区切ります。
血に塗れていた村のあちこちも、今はもう死臭を残すのみ。
外見はただの寂れた誰も見向きもしないゴーストタウン...
いや、ここは村ですからゴーストヴィレッジという方が正しいですね。人気が全くない歴史的にも大衆的にも何の価値も見出せない…魔女の呪いだけが残った村。
街に井戸がないから、きっととても珍しくて、説明を聞くのも楽しいのかこの井戸についての説明をしている間もずっと目を輝かせていました。
牛乳だけではなく、ハンカチも投げ入れて見せれば、空から二つになったハンカチがヒラヒラと宙を舞いながら落ちて来ます。
その様を彼女ははしゃぎながらハンカチを追って駆けていきます。
僕はそんな様子を見ながら、まったく、良い年をした娘なのにもう少し大人しく、お淑やかにしないものなのか、なんてまるで老人のような感想を抱いていました。
召使いや両親にもう少しお淑やかにしろ、なんて怒られたりしませんか?
なんて言おうとして、口を黙ました。
そんなこと、ただの村人の僕が言ってはいけないなんてわかってますし、何より彼女は上流階級に存在している訳でもないただの街娘であることは格好からも明白です。
下手に貴族のようなことを言ってみろ。
一介の村人でしかない僕がどうして貴族の振る舞いなんて物を知っているんだという問題になるぞ。
流石に本で得た知識なんて言葉は通用しないだろうな、なんて思いました。
だって、僕は教えるなら徹底して教えてしまう性袼なので。
なんなら王族の振る舞いでも教えてしまいましょうか。
プライドばかり高く、害獣よりもタチの悪い腐った生物の振る舞い方なんて。
そんな子供の愚痴のような言葉が溢れてしまいました。
とは言っても口に出して言ったわけではありません。
流石にそんなことはしませんよ。
いくら僕が子供だったとしても。
ただ、嫌な感情が溢れて来て、悲しくなっただけなのです。
銃弾を無限に生み出し、食糧の尽きる事がない無敵の要塞。
国と国の戦争の時は、どちらが先にこの村と契約できるかで争っていたと言っても過言じゃありませんから。
お陰で村長は金銀財宝がいくらでも手に入り、贅沢三昧の生活を送っていたそうですよ。
本気で活用しようとすればいくらでも活用できるという訳です。
まぁ、そんなの全部過去の話ですけどね。
今は見る影もありません。
ここでマリィへの言葉は区切ります。
血に塗れていた村のあちこちも、今はもう死臭を残すのみ。
外見はただの寂れた誰も見向きもしないゴーストタウン...
いや、ここは村ですからゴーストヴィレッジという方が正しいですね。人気が全くない歴史的にも大衆的にも何の価値も見出せない…魔女の呪いだけが残った村。
街に井戸がないから、きっととても珍しくて、説明を聞くのも楽しいのかこの井戸についての説明をしている間もずっと目を輝かせていました。
牛乳だけではなく、ハンカチも投げ入れて見せれば、空から二つになったハンカチがヒラヒラと宙を舞いながら落ちて来ます。
その様を彼女ははしゃぎながらハンカチを追って駆けていきます。
僕はそんな様子を見ながら、まったく、良い年をした娘なのにもう少し大人しく、お淑やかにしないものなのか、なんてまるで老人のような感想を抱いていました。
召使いや両親にもう少しお淑やかにしろ、なんて怒られたりしませんか?
なんて言おうとして、口を黙ました。
そんなこと、ただの村人の僕が言ってはいけないなんてわかってますし、何より彼女は上流階級に存在している訳でもないただの街娘であることは格好からも明白です。
下手に貴族のようなことを言ってみろ。
一介の村人でしかない僕がどうして貴族の振る舞いなんて物を知っているんだという問題になるぞ。
流石に本で得た知識なんて言葉は通用しないだろうな、なんて思いました。
だって、僕は教えるなら徹底して教えてしまう性袼なので。
なんなら王族の振る舞いでも教えてしまいましょうか。
プライドばかり高く、害獣よりもタチの悪い腐った生物の振る舞い方なんて。
そんな子供の愚痴のような言葉が溢れてしまいました。
とは言っても口に出して言ったわけではありません。
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いくら僕が子供だったとしても。
ただ、嫌な感情が溢れて来て、悲しくなっただけなのです。
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