18 / 83
Bloody hood A
愛の形
しおりを挟む
恋人が殺されたら憤るのも仕方ないですよね。それくらいわかりますよ。それに、どうせ殺される定めなら、自分の手で仕留めてしまいたいものですもの。
「ごめんなさい、貴女の獲物を奪ってしまって。でも、きちんと仕留めない貴女も悪いと思いますよ」
そう言うと、目の前の少女は目を見開いて震えました。
「愛する人は自分の手で仕留めたいって気持ちはよくわかりますから」
「...アナタハ...クルッテル...」
そんなの、自分が一番わかってる。誰よりもイカれてる事なんて。でも、これが僕の愛の形だから仕方ないじゃないか。もうこれ以外思いつかないから。凶暴化する前に、槍で突き刺して殺します。痛ぶって殺すのが好きだとか言うやつもいるらしいですが、そんなの時間の無駄としか思えません。僕とあいつも、こんな風に化け物になる未来もきっとあったのでしょう。だって、これは才能のようなものなのですから。僕達は運が良かっただけなのかもしれませんね。少女の断末魔を聴きながらそう思いました。だから、こんな風に血を撒き散らしながら無惨に散りゆく未来を歩んでいないのです。化け物に成り果てた人たちを狩る立ち位置となった。ただ、それだけの話なのです。そう言う運命だったのです。頬に飛んだ血を袖で拭って後ろを振り向きます。珍しく笑顔を浮かべて、こちらを見つめる瞳。それは無邪気な子供のようで...足元に転がる死体の内臓を踏み付けている点を除けば子供のようでした。元は人間だったのに、力を得ようとして化物となった者たち。きっと叶えたい欲望があったのでしょう。彼らの血はしばらく経てば結晶へよ姿を変え、死体は灰となり跡形もなく世界から消え去ります。結晶は僕らが回収して、あいつに渡します。それも僕らの欲望を叶えるために利用されるのです。だから、僕は心の中でこいつらのことを生贄と呼んでいました。だってそうでしょう?僕らに殺されて、死体すら残らず、唯一残った物も捧げ物として利用されてしまうのですから。
「ねぇ理久、もし貴方は自分が化け物達と同じ末路を迎えたとして、その時自分を殺そうとする奴をどうしますか?」
そう聞けば、笑いながら処刑道具の中でも有名な鉄の処女を出現させました。多分、これで殺すということでしょう。まぁ、ただでこいつが殺されるわけないですもんね。一応魔王だったのですから、そう簡単に死んでもらっちゃあ困ります。
「ごめんなさい、貴女の獲物を奪ってしまって。でも、きちんと仕留めない貴女も悪いと思いますよ」
そう言うと、目の前の少女は目を見開いて震えました。
「愛する人は自分の手で仕留めたいって気持ちはよくわかりますから」
「...アナタハ...クルッテル...」
そんなの、自分が一番わかってる。誰よりもイカれてる事なんて。でも、これが僕の愛の形だから仕方ないじゃないか。もうこれ以外思いつかないから。凶暴化する前に、槍で突き刺して殺します。痛ぶって殺すのが好きだとか言うやつもいるらしいですが、そんなの時間の無駄としか思えません。僕とあいつも、こんな風に化け物になる未来もきっとあったのでしょう。だって、これは才能のようなものなのですから。僕達は運が良かっただけなのかもしれませんね。少女の断末魔を聴きながらそう思いました。だから、こんな風に血を撒き散らしながら無惨に散りゆく未来を歩んでいないのです。化け物に成り果てた人たちを狩る立ち位置となった。ただ、それだけの話なのです。そう言う運命だったのです。頬に飛んだ血を袖で拭って後ろを振り向きます。珍しく笑顔を浮かべて、こちらを見つめる瞳。それは無邪気な子供のようで...足元に転がる死体の内臓を踏み付けている点を除けば子供のようでした。元は人間だったのに、力を得ようとして化物となった者たち。きっと叶えたい欲望があったのでしょう。彼らの血はしばらく経てば結晶へよ姿を変え、死体は灰となり跡形もなく世界から消え去ります。結晶は僕らが回収して、あいつに渡します。それも僕らの欲望を叶えるために利用されるのです。だから、僕は心の中でこいつらのことを生贄と呼んでいました。だってそうでしょう?僕らに殺されて、死体すら残らず、唯一残った物も捧げ物として利用されてしまうのですから。
「ねぇ理久、もし貴方は自分が化け物達と同じ末路を迎えたとして、その時自分を殺そうとする奴をどうしますか?」
そう聞けば、笑いながら処刑道具の中でも有名な鉄の処女を出現させました。多分、これで殺すということでしょう。まぁ、ただでこいつが殺されるわけないですもんね。一応魔王だったのですから、そう簡単に死んでもらっちゃあ困ります。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
Duty
Kfumi
ホラー
「このクラスはおかしい」
鮮明なスクールカーストが存在するクラスから、一人また一人と生徒が死んでいく。
他人に迷惑行為を犯した人物は『罪人』に選ばれ、そして奇怪な放送が『審判』の時を告げる。
『只今よリ 罪人 ヲ 刑 に 処する 審判 を始めたいと思いま ウ』
クラスに巻き起こる『呪い』とは。
そして、呪いの元凶とはいったい『誰』なのか。
※現在ほぼ毎日更新中。
※この作品はフィクションです。多少グロテスクな表現があります。苦手な方はご注意ください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
二つの願い
釧路太郎
ホラー
久々の長期休暇を終えた旦那が仕事に行っている間に息子の様子が徐々におかしくなっていってしまう。
直接旦那に相談することも出来ず、不安は募っていくばかりではあるけれど、愛する息子を守る戦いをやめることは出来ない。
色々な人に相談してみたものの、息子の様子は一向に良くなる気配は見えない
再び出張から戻ってきた旦那と二人で見つけた霊能力者の協力を得ることは出来ず、夫婦の出した結論は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる