囚われの亡者

月夜

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Bloody hood A

夜の過ごし方

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ということで本の読み聞かせをして時間を過ごす事にしました。
この村で一番面白い話を一つ。
僕がとても大好きな話です。
全部一気に話しても良いのですが、それは長すぎるのでこちらも七日間に分けて話そうと思いました。
丁度お風呂から上がって来たマリィに、僕は語る事にしました。
ある意味神話じみた物語を。
「マリィ。どうせ暇ですし、僕が一つ、お話を聴かせてあげましょう。これはこの村で伝わる物の中でも一番面白いものですよ。今からずっと昔...」


その時の世界は、今のようなものではありませんでした。
一つの大きな国と、いくつかの小さな国で構成されていて、村なんてものは存在していませんでした。
あるのは街だけ。
そしてその世界では魔法が使えたのです。
今ではとても考えられないような話ですね。
そこで人々は魔法を利用する事で高度な文明を築き上げて快適な生活を送っていました。
それは今じゃ追いつけないくらいの技術力でした。
ちなみに、この魔法ってやつは人間が生み出したものという訳ではないのです。
魔族と呼ばれる人間とは違った種族が生み出したものだったのです。
彼らは当然人よりも遥かに魔法を使うのが上手でした。
その魔族が昔、人間と仲良くなった時に人間も魔法が使えるようにと変換してくれたものがあったので人間はそれを利用して発展していったのです。
しかし、次第に劣等感が生まれて来たのでしょうか。
人間は魔族が自分達より下であることを願うようになりました。
最初に、人間はオリジナルの魔法を生み出そうとしました。
しかし、なかなか上手くいきません。失敗するばかりです。
やがて、人間は気付きます。
魔族は魔法が使えますが、逆に魔法以外はあまり知らないようでした。
それでも、人間よりも発展していますが。
戦闘はあまり得意ではない事を知りました。
だから人間は魔族をすることに決めました。
暴力で支配してしまえばいいじゃないか、という幼い思考回路で導き出されたその答え通りに、彼らは行動して行ったのです。
魔族の長であり、一番の魔法の使い手である魔王を絶対悪と定義し、その魔王を倒し、魔族を捻じ伏せる存在を勇者と呼ぶ事にしました。
そして人間の目論み通り、肉弾戦を挑まれたらあっという間に敗北を繰り返し、一気に数が少なくなっていきました。
しかし、徐々に強力な魔王が次々と誕生が生まれていき、徐々に人間側が劣勢に立たされていきました。
しかし、どっち道最後に勝利するのは人間です。
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