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Bloody hood A
赤い頭巾のあなた
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「こんなところに来るなんて珍しいですね、どうかしましたか?...この辺りには狼も出ますから外に長居しているのは危険です。良ければこちらの民家の中に入った方が良いかと」
そう微笑みながら言うと、目の前の女の子は顔を赤らめながら僕を見つめました。
「あ...、私、マリィっていうの...そ、その、民家の中って誰もいないのかしら...?一人でいるのは怖いから出来れば一緒にいて欲しいわ...それとね、ここに来たのは、あの森のもう少し奥にあるお婆様の家に食料を届けるためなの」
ね、一緒にいて?なんて僕の手を握りながらマリィは言いました。こう言う場合、ドキドキしたりするべきなんでしょう。一応マリィは美人の部類ですし。ですが、僕は全然ドキドキしませんし、むしろ、なんでこんな近づいてくるのだろうと疑問に思っただけでした。そもそもの話、僕には好きな人がいますからね。なので僕はマリィに少し嫌悪感を抱きながら...それでいてそれを悟られないようにしながら民家に案内することにしました。僕の家に連れて行けば良いという意見もあると思いますが、それはダメです。僕の家に入って良いのは先輩だけなので。先輩以外の人間は僕の家に入ってはいけないのです。さて、この村にある家には一通り家具が揃っているので、マリィさんの眠るベッドもすぐ見つかりました。僕はお腹を空かせているであろうマリィさんのためにパンとワインを用意します…と言っても、まだ僕らは未成年ですし、ジュースを飲むだけです。炭酸の弾けるぶどうジュースを。気分だけでも盛り上げるためにワイングラスに注いで、皿にパンを盛り付けてテーブルを囲みます。パンにはイチゴジャムを掛けておいたので甘くて女の子の好きそうな味になったはずです。女の子は甘いものが大好きなのですから。僕はジュースを飲みながら、どうしようか考えることにしました。だってただ案内するだけではつまらないでしょう?フィナーレまでの道のりをいかに彩るか、それも僕の楽しみのひとつなのです。ひとまず、今日はこのままこの家で休んでもらうとして、そのあとおばあちゃんの家とやらについていくのか、それとも、戻ってくるまでこの村で待っているか…どっちでも僕は構いません。どちらであろうと、僕には何の関係ありません。もう結末は僕の中で描けているし、案内するのはどのタイミングでも構わないのですから。
「ではマリィさん、この家のものは好きに使ってもらって構いません。僕は用事があるので失礼します」
そう微笑みながら言うと、目の前の女の子は顔を赤らめながら僕を見つめました。
「あ...、私、マリィっていうの...そ、その、民家の中って誰もいないのかしら...?一人でいるのは怖いから出来れば一緒にいて欲しいわ...それとね、ここに来たのは、あの森のもう少し奥にあるお婆様の家に食料を届けるためなの」
ね、一緒にいて?なんて僕の手を握りながらマリィは言いました。こう言う場合、ドキドキしたりするべきなんでしょう。一応マリィは美人の部類ですし。ですが、僕は全然ドキドキしませんし、むしろ、なんでこんな近づいてくるのだろうと疑問に思っただけでした。そもそもの話、僕には好きな人がいますからね。なので僕はマリィに少し嫌悪感を抱きながら...それでいてそれを悟られないようにしながら民家に案内することにしました。僕の家に連れて行けば良いという意見もあると思いますが、それはダメです。僕の家に入って良いのは先輩だけなので。先輩以外の人間は僕の家に入ってはいけないのです。さて、この村にある家には一通り家具が揃っているので、マリィさんの眠るベッドもすぐ見つかりました。僕はお腹を空かせているであろうマリィさんのためにパンとワインを用意します…と言っても、まだ僕らは未成年ですし、ジュースを飲むだけです。炭酸の弾けるぶどうジュースを。気分だけでも盛り上げるためにワイングラスに注いで、皿にパンを盛り付けてテーブルを囲みます。パンにはイチゴジャムを掛けておいたので甘くて女の子の好きそうな味になったはずです。女の子は甘いものが大好きなのですから。僕はジュースを飲みながら、どうしようか考えることにしました。だってただ案内するだけではつまらないでしょう?フィナーレまでの道のりをいかに彩るか、それも僕の楽しみのひとつなのです。ひとまず、今日はこのままこの家で休んでもらうとして、そのあとおばあちゃんの家とやらについていくのか、それとも、戻ってくるまでこの村で待っているか…どっちでも僕は構いません。どちらであろうと、僕には何の関係ありません。もう結末は僕の中で描けているし、案内するのはどのタイミングでも構わないのですから。
「ではマリィさん、この家のものは好きに使ってもらって構いません。僕は用事があるので失礼します」
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