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四章 雪闇ブラッド
本当の貴族
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「じゃあさ、僕に似合う靴選んで欲しいかな?」
そういうと、途端に美空の顔が明るくなる。
周囲の光がなんとなく強くなった気がする。
気のせいなら良いんだけど。
これが美空が天使って呼ばれる所以なのか?
「はい!凪先輩に似合うの持ってきますね!楽しみにしててください!」
そう言って美空はかけだして行った。
ふぅ、と息を付いて、雫達と一緒に受付に行く。
「美空様は既に手続きをされていらっしゃるので心配は御無用でございます」
受付の女の人がいう。
美空は目を輝かせながら別の店員と思われる人と話している。
楽しそうだなぁ。
靴を借りる必要があったため、少し料金は高めになった。
塔にいた頃、食料を得る為に魔物や獣を狩っていたお陰で。
特に贅沢をする訳でもなく、必要なものだけ買っていたおかげか。
それとも、一度に大量に食料補給する関係で。
大掛かりな狩りを行っていたからか。
お金は沢山あったから。
そりゃあもう沢山。
普通の人が見たら驚くくらいの。
だから余裕で払えた。
「そういえば、雫は大丈夫?僕出せるから全員分出す?」
雫に聞く。
僕らは同級生だし。
何より僕は契約主だし。
「んーん、僕は大丈夫。僕は金を無限に生み出せるからねぇ」
雫は金をまだ作っていたので全然大丈夫だった。
「そっか」
そういうと雫は心配してくれたの?なんて無邪気に笑って見せる。
「それは契約してるから?」
そう雫は目を細めて問う。
うん、と頷くとあぁ、そうと言う。
「ね、本当は僕ら契約してないって言ったらどうする?」
「え?」
ふふ、なんて雫は意味ありげに笑う。
「なんてね、冗談だよ冗談。気にしないで」
そう言って笑うのだ。
どこまで本気でどこまで冗談なのかわからない。
雪と闇奈は、
「ん~、貯金が一生で使い切れないくらいあるからさ。なんなら貸切にする?」
なんて言った。
若干いたずらっ子のような感じで。
「僕らが本気になればそれくらい出来るんよ。それくらい余裕ってことや」
そう闇奈もいう。
「まぁ、そんなことしないけどな。理久じゃあるまいし」
そう言って二人して笑い合う。
若干本気で言っている感じに。
もしかして相当良い家柄なのでは、と思ってしまう。
ここら辺富裕者が集まりすぎでは?
僕の周囲みんな金持ち疑惑が一瞬浮上した。
とりあえず大丈夫、大丈夫、と言って何とか収めた。
そんな事しなくてほんとに大丈夫。
周囲を見回して美空を探す。
美空は靴を選んでいる最中だった。
楽しそうである。
危ない、危ない。
こんなの美空に聞かれたら一番ダメなのだ。
だって美空はほんとに大金持ちなんだから。
こんなにフレンドリーだから時々忘れそうになるけど。
美空は王子である。
庶民だとか、ただの金持ちではないのである。
本物の貴族。
王族。
そういうと、途端に美空の顔が明るくなる。
周囲の光がなんとなく強くなった気がする。
気のせいなら良いんだけど。
これが美空が天使って呼ばれる所以なのか?
「はい!凪先輩に似合うの持ってきますね!楽しみにしててください!」
そう言って美空はかけだして行った。
ふぅ、と息を付いて、雫達と一緒に受付に行く。
「美空様は既に手続きをされていらっしゃるので心配は御無用でございます」
受付の女の人がいう。
美空は目を輝かせながら別の店員と思われる人と話している。
楽しそうだなぁ。
靴を借りる必要があったため、少し料金は高めになった。
塔にいた頃、食料を得る為に魔物や獣を狩っていたお陰で。
特に贅沢をする訳でもなく、必要なものだけ買っていたおかげか。
それとも、一度に大量に食料補給する関係で。
大掛かりな狩りを行っていたからか。
お金は沢山あったから。
そりゃあもう沢山。
普通の人が見たら驚くくらいの。
だから余裕で払えた。
「そういえば、雫は大丈夫?僕出せるから全員分出す?」
雫に聞く。
僕らは同級生だし。
何より僕は契約主だし。
「んーん、僕は大丈夫。僕は金を無限に生み出せるからねぇ」
雫は金をまだ作っていたので全然大丈夫だった。
「そっか」
そういうと雫は心配してくれたの?なんて無邪気に笑って見せる。
「それは契約してるから?」
そう雫は目を細めて問う。
うん、と頷くとあぁ、そうと言う。
「ね、本当は僕ら契約してないって言ったらどうする?」
「え?」
ふふ、なんて雫は意味ありげに笑う。
「なんてね、冗談だよ冗談。気にしないで」
そう言って笑うのだ。
どこまで本気でどこまで冗談なのかわからない。
雪と闇奈は、
「ん~、貯金が一生で使い切れないくらいあるからさ。なんなら貸切にする?」
なんて言った。
若干いたずらっ子のような感じで。
「僕らが本気になればそれくらい出来るんよ。それくらい余裕ってことや」
そう闇奈もいう。
「まぁ、そんなことしないけどな。理久じゃあるまいし」
そう言って二人して笑い合う。
若干本気で言っている感じに。
もしかして相当良い家柄なのでは、と思ってしまう。
ここら辺富裕者が集まりすぎでは?
僕の周囲みんな金持ち疑惑が一瞬浮上した。
とりあえず大丈夫、大丈夫、と言って何とか収めた。
そんな事しなくてほんとに大丈夫。
周囲を見回して美空を探す。
美空は靴を選んでいる最中だった。
楽しそうである。
危ない、危ない。
こんなの美空に聞かれたら一番ダメなのだ。
だって美空はほんとに大金持ちなんだから。
こんなにフレンドリーだから時々忘れそうになるけど。
美空は王子である。
庶民だとか、ただの金持ちではないのである。
本物の貴族。
王族。
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