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二章 美空ミカエル

インフェルノ

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そう言うと、ん?と首を傾げてこう言った。
「いや?俺ワープ系苦手で、使うより走った方が良いんだよな。今回も普通に走っただけだぞ」
いや、どんな身体能力しているんだよ。
あの時の走ってるだけってのは本当だったんだ、なんて思った。
それなら本当に廊下を走ったら危ないな。
こいつの場合は弾丸に体当たりするようなものだもの。
魔王城にいるであろう理久に心のなかでほんの少し感謝をしてから、奏多に言う。
「一応どういう事が得意なのか教えて貰っても良いですか?」
教えて貰う時に何を教わるのか予想出来るように先に聞いておくことにした。
そうやって予想出来るようにすれば予習も出来るから。
「主に戦闘系。攻撃系であれば理久程では無いが魔法も使える。とは言っても理久程の火力は出ないぞ?理久が特殊なだけだ。まぁ、一番得意なのは何かって聞かれたら剣って答える」
まぁ、魔法まで使えたらこいつ無敵になってしまうからな。
そう言うと、刀身が燃えるように赤い刀を取り出した。
まるで、炎を閉じ込めたような剣。
周囲に火の粉が舞っているように見える。
「触ってみるか?」
そう言われて、手を伸ばす。
指先で刀身に触れると、燃えるように熱かった。
あまりの熱さに手をすぐに離してしまった。
目立つような装飾は無く、シンプルな物だった。
「この刀...、インフェルノは特殊で、俺の魔力を流し込めば炎を纏う事が出来るんだ」
そう言って刀を振るうと、炎が舞った。
なんだか、美しかった。
それは、ただの赤い炎じゃなかった。
色とりどりに輝いて、虹のような色をしていた。
「温度も調節出来るぞ。少し腕を出してみろ。...心配するな。絶対に火傷しないから」
そう言って、奏多自身の腕にインフェルノから出た炎を纏わせて、消した。
その腕には火傷の跡なんてなかった。
腕を出してみると、炎を纏わせてくれた。
色とりどりに輝くそれは、全く熱くなかった。
冷たくもないし、むしろ少し温いくらいだった。
「な?言ったろ?だけど普通の炎に触れちゃダメだぞ。インフェルノが特殊なだけで、普通の炎は火傷するから」
「普通の炎には触れませんよ」
「そうなのか。理久の時は俺のインフェルノ経験した後すぐ炎触れに行ったからそれが普通なのかと思ってたぞ」
「それが異常なんですよ!!」
「まぁ、今からこの剣の凄い性能を見せてやるからそこで見てろよ」
そして、地面に突き刺し、
「燃えよ」
と言うと、刀から一メートル程離れた場所に、火柱が立った。
そして火柱はそのまま円を描く。
「どうせだから綺麗なの見せてやるよ」
そう言って空に綺麗な花火を打ち上げた。
空を瞬時に暗くして。
色とりどりの花火が燃えて、散っていく。
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