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二章 美空ミカエル

力が欲しい

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今目の前にいるなら丁度いい。
「...、奏多。お願いがあるのですが」
「ん?なんだ?あぁ、上級生を締めたいのか?任せろ」
「そう言う事ではなくて」
「なら、最近金を横領している大臣の奴等を処刑すれば良いのか?」
「それは今初めて知りました。後で名簿送ってください。そうではなく」
「これも違うのか。なら...」
「あーもうっ!!強くなりたいので武術を教えてください!!」
「そう言う事か。...でも、難しいと思うぞ?」
教えてほしい、と言うまでにかなり長い会話の応酬があった。
と言うか、今の会話は必要だったのか?
どうしてって言おうとしたら、近くの枯れ木が粉となった。
「こういう感じだから。すぐに俺級になりたいって言うなら、相当苦労しないとキツいぞ」
魔王の最強の剣である神崎奏多は戦闘面では化け物らしい。
そういう噂は聞いていたが。
まさかここまでだなんて。
やっぱり人間じゃない。
こんなのが人間だなんて言われてしまったら、奏多や理久は新人類だ。
「おいおい、お前の考えている事は分かるぜ?どうせ俺達みたいになれないって言いたいんだろ?」
その言葉に頷く。
「確かに俺と理久は強い。それももの凄く。多分あんま俺達と対等に渡り合えるやつはいないだろうな...けど、俺達みたいになれるぜ?颯太だって」
「...気休めの励ましは要りませんよ」
そういうと、奏多はやれやれ、と言いたげに肩を竦める。
「俺は出来ない事は言わない。本当に出来るんだよ」
そう言って笑った。
それを聞いて、少しは納得している自分がいた。
僕は呪い保持者だから、一般人とは体の造りは違うし。
それに奏多は正直者だ。
というか嘘がつけない。
だから奏多を信じてみることにした。
「ここじゃ危ないし...、外に出るか。庭に集合な。あ、図書館に用事があるなら先に済ましてきても良いぞ」
奏多に言われて、庭にテレポートした。
奏多に教えてもらえるのなら、図書館で学ぶ必要なんてない。
それよりも少しでも多く教えて貰った方が僕のためだ。
そこで、奏多は移動系の魔法が苦手だった事を思い出す。
「俺、ワープとか使うと、ミスって違う場所に飛ばされるんだよな。だから出来る限り使わないようにしている」
「じゃあ基本、移動はどうしているんですか?」
「そりゃあ走ってるだけだけど?」
そう聞いてこいつ脳筋か?なんて感想を抱いた。
連れてこなければと慌てて展開するが、
「よっ。遅かったな。俺もう着いてたぞ」
「いつのまに!!ワープ使えたんですか?」
突然目の前に出現した奏多に対して思わずそう言ってしまった。
ワープを何回も連続で使用したのだろうか?
それなら数打ちゃ当たる論でなんとかなるだろうけど。
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