悪魔の少年と半端な少女

月夜

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全然颯太に似てない。

むしろ蓮にすごく似てる。

「先輩?」

「本当に颯太のお兄さん?」

「はい。血は繋がっていないのですが。」

つまり義理ってこと……。

そう言えば何か本でそういう何か変なやつが…!!

「僕は男とする趣味はないからね?」

ですよね~。

「あ、あのー。ところで司……?」

「?俺の名前を呼んだか?月。」

「え……?なんで名前しってんの?」

「いや、よく颯太から聞くもんでな。」

「そうなんだ。」

「俺の事は気にしなくてもいいぞ?」

「何で?」

「颯太とか……。弟たちの邪魔をしたら散々な目に会うからな。」

「やっぱりわかってるね……。」

颯太のお兄さんの司。

とてもまともそうだし、なによりも颯太の危険性をよく知っているみたい。

これは安心出来るなぁ。

「ねぇ月。そろそろ始まるっぽいよ?」

「本当だ。」

「……、何か先輩と雫って何か似てますね。」

「「そうかな?」」

「ハモってますしね。残念ですけど。」

理事長が話を始める。

話を聞けば聞くほど眠くなってくる……。

もしかして、催眠の魔術を使おうとしているの……?

「先輩。それは魔術じゃなくて、ただつまんないだけですよ?」

「どうにか起きてた方がいいんじゃない?」

「Zzzz.Zzzzzz。」

「司はもう寝たみたい。」

「お兄様~!!」

話をまとめると、

お前らはこれから勇者にならないといけない!

この学校では、素質のないやつもあるやつも皆なれるから心配するな。

努力が大事。

怠るな。

この内容を大体3時間くらいかけて喋っていた。

「それと、一週間後にクラス分けのテストを行う!」

一週間後?

つまりそれまでに蓮を出さなきゃいけないの?

鬼畜だね!

………………………

…………



「ここからでる方法。たったひとつだけあるわよ?」

「じゃあさっさと出して?」

「条件を聞きなさい!……。これだから低能は困るのよっ。」

「僕多分低能じゃないし。」

「言い切れない時点でもう低能なのは確定しているのよ!」

「そんなの横暴だ!」

絵美とは全然話にならない。

一体どれ程の時間がたったかなぁ……。

月は無事かなぁ。

部屋を見回すと、大切そうにある写真が飾られていた。

焦点があっていない。

隠し撮りだろうか?

「ねぇ、絵美。この写真に写ってる子。好きなんでしょ?」

「は……、あなたに関係ないでしょう?」

「でさぁ、この子って今、月と一緒にいるんでしょ?」

「なっ………!?」

ただ単にそう言ってみただけなのに。

意外なほど反応するなぁ。

「じゃあ、さ。僕と取引しない?」

「取引……?」

多分だけど、その子……。

写真の裏に書いてあったけど、雫……、は颯太と似たようなものだと思っている。

だってそんな気がするから。
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