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交渉
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「戻してくれるよ。けどね、それは叶わないんだ。」
僕はそういう。
それは事実だ。
嘘ではない。
だって、凪を逃さないためにこんな不思議の国を作ったんだよ?
もう君を苦しませないためだけに。
もう一人もかなり狂ってはいたけど、こっちの狂いようもかなりのものだと僕は思うんだ。
「.....じゃあ、僕はどうすればいいんだよ!!偽物の記憶なんていらないんだ!!本当の記憶をくれよ!!」
凪は叫ぶ。
「ねぇ、凪が良ければ僕と取引をしない?」
僕は凪にそう持ちかけた。
「取引って?」
凪は僕にそう問いかけた。
よかった、乗ってくれるみたいだ。
少しでもこちらの提案に聞き耳を持ってくれるなら、脈アリというわけで。
...まぁ、絵美を味方につける前の僕なら、自信を持てなかったけれど。
「僕と契約しない?」
「....大体契約って響きにいい感じがしないんだけどなぁ。」
「え?どうして?」
「人魚姫でも契約した所為で酷い目にあってんじゃん。泡になっちゃうとかさ。」
まぁ、確かに。
契約ってあんまいい響きしないよね。
「それに契約って悪魔とするイメージしかないしさ、悪魔との契約も悪いイメージしかないし、僕、悪魔苦手だし。怖いし。」
それが昔悪魔と契約してた君の言い分なんだ.....
嬉々として契約してたくせに。
まぁ、そこは女王の記憶の操り具合だろう。
本当に優秀だな、まぁ、実際『王』でもあったわけだし。
もし、本気で人類に協力する気になったら、かなり発展するだろうし、確実に新時代に導くだろうなぁ....
魔法なしでも。
「僕は絶対に君を裏切らないよ?だから契約しよーよ。」
「そう言って裏切る手口だと思うんだけど。」
「何ならここで君に対する忠誠心として目玉抉り取ったり誰か殺してもいいけど?」
「...じゃあ目玉抉ってみてよ。」
多分凪は僕が本気でやらないと思っているだろう。
目玉は直接的な痛みで、更に一度失って仕舞えば二度と戻らない。
「いいよ。」
でも別に僕は構わない。
それが証明になるのなら。
それに、凪傷つけられるってある意味幸せなことだと思うんだよね。
そう思っている僕はイカれてるとは僕も気づいている。
むしろ、だからこそ僕の役職は『イカれた帽子屋』なんだとは思うけど。
....なかなか女王も粋なことをするよねぇ。
なんて思いながら、テーブルの上のスプーンを手に取り、目に入れようとする。
一番抉りやすいものだし。
目に刺さる直前に、凪が叫ぶ。
「待って!!信じるからやめて!!本気にしないでよ馬鹿!!」
そう言って僕からスプーンを奪い取って押し倒す。
「....別に止めなくても良いのに。」
「....冗談なのに。やらないって言って変なこと言うの止めると思ってた。」
なんて、凪は呟く。
あぁ、泣きかけてる。
「あはは、ごめんね?でもこれで僕のこと、信じてくれた、かな?」
「うん...信じる。」
僕はそういう。
それは事実だ。
嘘ではない。
だって、凪を逃さないためにこんな不思議の国を作ったんだよ?
もう君を苦しませないためだけに。
もう一人もかなり狂ってはいたけど、こっちの狂いようもかなりのものだと僕は思うんだ。
「.....じゃあ、僕はどうすればいいんだよ!!偽物の記憶なんていらないんだ!!本当の記憶をくれよ!!」
凪は叫ぶ。
「ねぇ、凪が良ければ僕と取引をしない?」
僕は凪にそう持ちかけた。
「取引って?」
凪は僕にそう問いかけた。
よかった、乗ってくれるみたいだ。
少しでもこちらの提案に聞き耳を持ってくれるなら、脈アリというわけで。
...まぁ、絵美を味方につける前の僕なら、自信を持てなかったけれど。
「僕と契約しない?」
「....大体契約って響きにいい感じがしないんだけどなぁ。」
「え?どうして?」
「人魚姫でも契約した所為で酷い目にあってんじゃん。泡になっちゃうとかさ。」
まぁ、確かに。
契約ってあんまいい響きしないよね。
「それに契約って悪魔とするイメージしかないしさ、悪魔との契約も悪いイメージしかないし、僕、悪魔苦手だし。怖いし。」
それが昔悪魔と契約してた君の言い分なんだ.....
嬉々として契約してたくせに。
まぁ、そこは女王の記憶の操り具合だろう。
本当に優秀だな、まぁ、実際『王』でもあったわけだし。
もし、本気で人類に協力する気になったら、かなり発展するだろうし、確実に新時代に導くだろうなぁ....
魔法なしでも。
「僕は絶対に君を裏切らないよ?だから契約しよーよ。」
「そう言って裏切る手口だと思うんだけど。」
「何ならここで君に対する忠誠心として目玉抉り取ったり誰か殺してもいいけど?」
「...じゃあ目玉抉ってみてよ。」
多分凪は僕が本気でやらないと思っているだろう。
目玉は直接的な痛みで、更に一度失って仕舞えば二度と戻らない。
「いいよ。」
でも別に僕は構わない。
それが証明になるのなら。
それに、凪傷つけられるってある意味幸せなことだと思うんだよね。
そう思っている僕はイカれてるとは僕も気づいている。
むしろ、だからこそ僕の役職は『イカれた帽子屋』なんだとは思うけど。
....なかなか女王も粋なことをするよねぇ。
なんて思いながら、テーブルの上のスプーンを手に取り、目に入れようとする。
一番抉りやすいものだし。
目に刺さる直前に、凪が叫ぶ。
「待って!!信じるからやめて!!本気にしないでよ馬鹿!!」
そう言って僕からスプーンを奪い取って押し倒す。
「....別に止めなくても良いのに。」
「....冗談なのに。やらないって言って変なこと言うの止めると思ってた。」
なんて、凪は呟く。
あぁ、泣きかけてる。
「あはは、ごめんね?でもこれで僕のこと、信じてくれた、かな?」
「うん...信じる。」
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