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しおりを挟む「戻ったぞー!!」
「遅い!!!!」
やっと戻ってきたよ!ほんとに待った!どれくらい待ったと思う?時計とかないから正確な時間はわかんないけど、体感時間は5時間以上!最初はみかん食べて呑気に待ってたよ?でも、ここってみかんしかないわけ。お茶が冷めないからみかんもずっとなくなんないかなとか思ってたらさ、はいなくなりました。5個あったけど、全部食べちゃったよ。めっちゃ美味しかったけど!それからすることないからぼーっとしてたら、気がついたら寝てました!爆睡ですけど何か?
「まあまあ、落ち着け琥珀。こちらも色々とやることがあったんじゃ。なるべくお主が住みやすいうにと頑張ったんじゃぞ(ドヤァ)」
「まぁそれなら…。っていうかさっきから後ろにいるその人が次の世界の神様ですか?」
はい。まぁ入ってきた時点でずっといたんだけど、怒りが勝ったわ。ごめんよ。存在軽く無視っちゃって。
「そうじゃった。こっちにおるのがお主の次の人生の世界の神じゃぞ。ほれ、自己紹介でも」
そう言われた第2の神様はちょっとだるそうに歩いて俺の向かい側に座った。神様は俺の隣。うわぁ、めっちゃぬくぬくしてる。
「はぁ~、気持ちいいなぁ。やっぱり1番居心地いなぁ。こたつはじいさんの所しかないからな…」
え、寝たんだけど。
なんかもうね、( ˘ω˘ ) スヤァ…っていう顔文字つきそうなくらい気持ちよさそうに寝てるよ。神様も寝てたし、何?どんな神様でもこたつには逆らえないってか?隣の神様も、もうこっくりこっくりしてますよ。まぁ起こしますけどね。
スゥ
「おーきーてーーー!!!」
本日2度目の掛け声。ふたりとも起きたけどまだ眠そうだよ…。
「あぁ?あっやべ、俺寝てた?悪い悪い。いつもこれに入るとすぐ寝ちゃうんだよなー。」
「おお、すまぬすまぬ。ついな」
「はぁ…まぁいいですけど。俺から自己紹介させていただきます。白雪琥珀です。うっかり転んで死にました。」
「へぇ~、じいさんから聞いたけどほんとにうっかり死んだんだな。じゃあ次な、俺はウタだ。お前を転生させたいってじいさんが言うから、面白そうだし俺が引き受けた。なんだっけ…あーチート!チートの仕様にするんだろ!俺もやってみたかったからなぁ!」
チートってそんなにやってみたいものなの?まぁそんなにホイホイチート作ってたら世界が壊れるか。
「魔法についてチートにしたいんじゃが出来るか?あとゴニョゴニョ…」
ん?なんだ?なんか神様がウタさんの耳に顔近づけて話してる。俺にも聞かせろーー!
「最後なんて言ったんですか?」
ギクッ
「えっと…もう1つの頼みについてな。2つあると言ったであろう?2つ目はお主の容姿についてなんだが…。そのままでも十分男うけゴッホンゴッホンっじゃなくて、十分綺麗だし、何も言うことがないんじゃけど」
容姿?俺の顔が綺麗?神様何言ってんの?どこにでもいるモブ顔代表だよ?あっ!めっちゃイケメンにしてくれんのかな!!!
「お主が想像してることは分かるが、イケメンにはしないぞ。頼みっていうのは、容姿はそのままで髪色と瞳の色をいじらせてほしいんじゃ(あちらの世界でとても貴重な色にな)」
イケメンにしてくれるんじゃないのか…。まあこの顔で今まで生きてきたし、今更変えられてもな。それにしても色かぁ。じゃあアニメでよくある金髪青眼とか赤髪とかかな!黒は忌避するとかあるしな。
「全然いいですよ。ウタさん、ひとつ聞きたいんですけど、そっちの世界では黒髪とか黒目は忌避されたりするんですか?」
「ほとんどねぇな。どっかの宗教が黒髪黒目は<魔のものだ>とか言ってるけどほんとに少数派だし。色々な色があるから黒もその1種ってだけだよ(貴重な色もあるけど)」
「そうですか。で、俺はどんな色にされるんですか?金髪青眼とか、赤髪とかですか!!」
「それなんじゃけど、こっちのおまかせにしてもらえないか。あっちの世界に行ってから確認してほしい。」
「いいですけど。さすがにド派手なピンクとかは嫌ですからね」
「分かった。ありがとうな。じゃあ魔法のことについても、ウタと話し合うからもうしばらくお主は寝て待っておれ」
パチンッ
神様が指をならしたかと思うと、急な睡魔に襲われた。俺抜きで話し合っちゃうの?とか思ったけど、 睡魔には勝てなかった。お二人さん、任せたぞー。
***
「ふむ、寝たようじゃな。じゃあさっそく決めていこうとするか。わしの名付けて!『琥珀、BLモテモテ計画!』」
「うわ、そのまんま。まぁその計画なら俺の世界がピッタリだよなぁ。俺の世界は男が多いし同性愛が普通だからな。琥珀のこの儚げ美人顔ならほとんどのやつはストライクゾーンいくだろうからな。しかも本人は自覚なし。」
「じゃろじゃろ!琥珀には悪いが、男にモテモテになってもらうぞ。ちゃんとチートもつけるし、許してなぁ~。色についてなんじゃが、そっちの世界の貴重な色はなんじゃったかな」
「髪の毛は白銀一択だな!白銀は神の御使いとまで言われるほどに貴重だし、ここで何千年といないはずだ。瞳の色はそうだなぁ、オッドイアイとか面白くね?」
「おぉ!ナイスあいであじゃ!瞳の色は黄金色とかどうじゃ?」
「金か?うん、いいな。もう片方は…シルバーにするか。髪の色が白銀だし、目が少し明るい色でもバランスがいいはずだ。うーん、ちょっと見てみたいな。よし。」
ブツブツブツブツ
ボンッ
そこには琥珀そっくりの人間がいた。いや、魂は入っていないため正確には人形と言った方がいいかもしれない。
琥珀そっくりと言っても、先程提案された色に変わっている。黒髪黒目のときは艶のある儚げ美人だったが、変わった髪色と瞳の色によって言葉通り神秘的な人間が出来上がっていた。
白銀の髪の毛は光を受けるとキラキラと輝いている。金とシルバーの瞳の色は、見つめられるだけで、時が止まるかと思うくらいに見惚れてしまいそうだった。
「これはなんていうか…。とんでもねぇのが出来上がったな…大丈夫か?」
「……はっ!すっかり見とれてしまったわい。神が認めた美しさだぞ。これでモッテモテじゃな。ふっふっふっふっふっふ(ニタァ)」
「(いや…多分こんな見た目してたら誘拐監禁とかめっちゃされるぞ。家から出して貰えるか?まぁ面白そうだから言わねぇけど。こういう所、じいさん抜けてんだよなぁ。モテモテどころじゃねえよ。崇められるぞ。)」
「よしっ、あとはチートについてだな。魔法に全振りでいいか?まぁなんでかこいつの中に鑑定とかの知識があるみたいだし、激レアスキルとかてんこ盛りにすれば、自分の身も守れるだろうしな」
「そうじゃな」
こうして琥珀の異世界転生についてどんどんきまっていくのであった。
***
「_____きろー!琥珀ーー!!!」
「んぁ?神様?決まったんですか?」
「あぁ、今から転生の準備を行う。また赤ん坊からスタートするわけじゃが、最初から記憶があったら色々と困ることがあるかもしれぬから、お主の記憶は5歳で戻るようにしてある。お主にとっては、新しい自分に突然前世の記憶が入るわけじゃから少し混乱するかもしれないが、まぁ頑張ってくれ」
「はーい。分かりました。」
俺もいよいよ転生かぁ。あっそうだ……。
「神様、俺チートにしてくれました?ハーレムとか出来ます?」
「しっかりチートにしておいたぞ!ハーレムも作れるじゃろうな!(お主が中心の逆ハーじゃがな!)」
「そうですか!ありがとうございます!」
「準備出来たぞー!琥珀ーこっちに座ってくれ。」
台座みたいなところに案内されて座ったらまた強烈な睡魔が襲ってきた。これで転生するのか。最後に挨拶くらいはしておかないとな…
「色々とありがとうございました。新しい世界で頑張りたいと思います。」
「記憶が戻ったら、教会に来い。お前が祈ればこっちに声が届いて、会うことができる。そんときは他の奴にも合わせてやるよ。」
「元気でな。お主のことはしっかり見守っておるからな。」
定番の教会か、おっけーです。あぁ、もう目も開けてらんない。おやすみなさい…。
こうして琥珀の異世界ライフは始まった。
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