BLゲームの脇役に転生した筈なのに

ジェミニ先生

まず距離を詰めていく相手は勿論俺の今の担任教師、ジェミニ先生だ。


担任なだけあり接触しやすいキャラクターだがどう距離を縮めて行くかが難関ポイントだ。目指すは俺を比較的印象的な存在として認識してもらい、無事主人公との会話を繋げれるようにする事。かつ欲を言えばBL鑑賞が間近で見れる様なポジションに立つ事も。

そして一応ありえないとは思うが恋愛対象にだけはならないようにする事も一応目標に掲げておこう。




(まぁ後半は特に気にしてはないけどな。だって俺、脇役だし明らかに友達向きだし。まぁキャラデザ豊富なゲームなだけあって脇役の俺でさえもイケメンだけど。この世界の元の顔面偏差値が高いから目立つとは思えないし。

やっぱ前半だよなぁ、、印象ってどう残せば、、）



「...い、おい！アリエス・シェスターク！」

「はいっ！？」




いきなりの事で声が裏返ってしまった。





「おまえ、今話聞いてなかったな？ ったく授業中だってのに考え事か？　　　　後で職員室に来るように。」


　(....え)


「おい、返事は？」


「は、はい、、?」


「よろしい、じゃあ授業続けるぞ。えー、この事件の事の発端は1965年、全盛期に行われたーー」




思考停止した俺を他所に授業を進めていくジェミニ先生。




(アトデショクインシツニクルヨウニ?　　、、え！？職員室に行く！？


誰が？  俺が！？


いやだぁああああ！！)




何故こんなに嫌がっているのか。それは彼が鬼教師だからである。職員室に来い、というのは何かしら彼の仕事に付き合わされるという合図。前に呼び出された生徒は昼休みにプリント印刷100人分、そしてそれを各クラスに3往復して運んだ後、トイレ掃除を放課後に任されるという嫌な罰を受けて夕方頃にクタクタになって帰ってきたのだ。


その後も職員室呼びで散々彼の仕事に手伝わされて無気力で帰ってきた生徒らを見て恐怖しか芽生えなかった俺からしたら本当にいやでしかない。　だがしかし！牧野ひろでもある俺からしたらこれは距離を詰め、印象を残す絶好のチャンスなのである。BL展開発展の為にも今俺が頑張らなければ、、くっ！



(しかも推し攻略者全員+主人公の箱推し勢に仕事手伝えとかいわれるのはご褒美なのではないか！？よし、怖くなくなって来たぞ、、!)




そうポジティブに考えながらふと隣に座っているラスを見るとご愁傷さま、とでも言うかのように俺に哀れな目を向けていた。




、、、やっぱ怖いかも。