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武神女帝編
ep443 【ラルカの通信記録Ⅱ】
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◇ ◇ ◇
――お疲れ様です。そちらの準備は順調でしょうか?
クジャク様が寝返るのは予想外でしたが、あなたの理想実現まではあと一歩です。
計画が成功さえすれば、もうウォリアール王族という縛りも関係ありません。空中戦艦コメットノアも手中にある以上、予定通り夜明けと同時に侵攻すれば勝てる戦いです。
――え? 元五艦将コンビを何故始末したのか……ですか?
これは情報伝達が疎かでしたか。ですが、あの二人はあまりに醜態ばかり晒していたもので、自分も処分するのが適切と判断しました。
この戦いはただ勝利すればいいだけでなく、ウォリアールの玉座を決める戦いです。王者には王者の勝ち方が必要と言えましょう。
そんな中に愚か者が混じっていれば、それだけで後の権威に響きます。
この件につきましては、必要な判断だったとご理解ください。
――ええ、そうです。まだあなたの傍には、ミスター牙島という最強の護衛も控えています。
そのままコメットノアに搭乗し、残存戦力と共に奇襲をかければこの戦いも終焉です。それまではご辛抱ください。
――はい? 万が一のための策ですか?
それはどのような内容で……?
――成程。あなたもあなたで策を用意されてましたか。ですが、いささか悪質に感じますね。
そのような真似は先程自分も申しました通り、権威に響く策略です。ミス洗居以外にも人質をとるのは、自分としては賛同しかねますが……。
――勝利優先……かしこまりました。そこまでおっしゃるならば、自分もただ従いましょう。
ですが、あまり血気にはやらないようにお願いします。それ以外の作戦は予定通りに行いますので。
コメットノアにはミスター牙島もいますし、自分は近辺を右舷護衛艦で観察しておきます。
ありえない話ではありますが、万一艦上での戦闘になった際も考慮してください。
――はい。それでは自分も作戦があるので、これにて失礼します。
=====
――お疲れ様です。このように報告をするのも久しぶりになりますか。
多少の修正こそありましたが、全ては計画通りの方向に進んでいます。
それより、こちらから一つ至急の要望があります。日本にいる固厳首相と連絡を取り、ミス空鳥が住む街の警備を固めさせてください。
どうにも、ミスター天鐘からすると思い通りに事が進んでいないため、少々凶行に走っている傾向にあります。
――はい。刑務所に収容中の大凍亜連合を――はい。その件だけ、早急に対処願います。
ところで、そちらは問題ありませんか? 特にミス空鳥については、このような騒動に巻き込んでしまったことで――
――そうですか。安心しました。最後に要となるのは、やはり彼女の存在ですからね。
まあ……『それだけ』と聞かれると、どうにも返答に困りますが……。今は計画も最終段階ですので、自分もボスから与えられた任務を全うします。
ミスター牙島もこの時のため、随分と堪えてきましたからね。もうあの人を止めることはできませんので、あちらの結末については自分も関与できません。
――ただ、不思議と彼女が負けるとは思えませんね。
最強の悪役と化したミスター牙島であろうとも、自分は英雄の勝利を信じてしまいます。
少々長話が過ぎましたか。自分につきましては予定通り、その後の動きに応じて判断します。
それでは、また全てが終わった後に。
――将軍艦隊右舷将、ラルカ・ゼノアーク。これより最終作戦に入ります。
◇ ◇ ◇
――お疲れ様です。そちらの準備は順調でしょうか?
クジャク様が寝返るのは予想外でしたが、あなたの理想実現まではあと一歩です。
計画が成功さえすれば、もうウォリアール王族という縛りも関係ありません。空中戦艦コメットノアも手中にある以上、予定通り夜明けと同時に侵攻すれば勝てる戦いです。
――え? 元五艦将コンビを何故始末したのか……ですか?
これは情報伝達が疎かでしたか。ですが、あの二人はあまりに醜態ばかり晒していたもので、自分も処分するのが適切と判断しました。
この戦いはただ勝利すればいいだけでなく、ウォリアールの玉座を決める戦いです。王者には王者の勝ち方が必要と言えましょう。
そんな中に愚か者が混じっていれば、それだけで後の権威に響きます。
この件につきましては、必要な判断だったとご理解ください。
――ええ、そうです。まだあなたの傍には、ミスター牙島という最強の護衛も控えています。
そのままコメットノアに搭乗し、残存戦力と共に奇襲をかければこの戦いも終焉です。それまではご辛抱ください。
――はい? 万が一のための策ですか?
それはどのような内容で……?
――成程。あなたもあなたで策を用意されてましたか。ですが、いささか悪質に感じますね。
そのような真似は先程自分も申しました通り、権威に響く策略です。ミス洗居以外にも人質をとるのは、自分としては賛同しかねますが……。
――勝利優先……かしこまりました。そこまでおっしゃるならば、自分もただ従いましょう。
ですが、あまり血気にはやらないようにお願いします。それ以外の作戦は予定通りに行いますので。
コメットノアにはミスター牙島もいますし、自分は近辺を右舷護衛艦で観察しておきます。
ありえない話ではありますが、万一艦上での戦闘になった際も考慮してください。
――はい。それでは自分も作戦があるので、これにて失礼します。
=====
――お疲れ様です。このように報告をするのも久しぶりになりますか。
多少の修正こそありましたが、全ては計画通りの方向に進んでいます。
それより、こちらから一つ至急の要望があります。日本にいる固厳首相と連絡を取り、ミス空鳥が住む街の警備を固めさせてください。
どうにも、ミスター天鐘からすると思い通りに事が進んでいないため、少々凶行に走っている傾向にあります。
――はい。刑務所に収容中の大凍亜連合を――はい。その件だけ、早急に対処願います。
ところで、そちらは問題ありませんか? 特にミス空鳥については、このような騒動に巻き込んでしまったことで――
――そうですか。安心しました。最後に要となるのは、やはり彼女の存在ですからね。
まあ……『それだけ』と聞かれると、どうにも返答に困りますが……。今は計画も最終段階ですので、自分もボスから与えられた任務を全うします。
ミスター牙島もこの時のため、随分と堪えてきましたからね。もうあの人を止めることはできませんので、あちらの結末については自分も関与できません。
――ただ、不思議と彼女が負けるとは思えませんね。
最強の悪役と化したミスター牙島であろうとも、自分は英雄の勝利を信じてしまいます。
少々長話が過ぎましたか。自分につきましては予定通り、その後の動きに応じて判断します。
それでは、また全てが終わった後に。
――将軍艦隊右舷将、ラルカ・ゼノアーク。これより最終作戦に入ります。
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