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第25章 新たなる世界へ

第380話 パパといっしょにわたしは生きる

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 わたしはずっと一人だった。

 パパもママも死んで、ずっと魔王城で一人だった。

 ときどき、赤いローブの人が話しかけてきたけど、わたしのことを見て楽しんでるみたいだった。

 ずっと、悲しかった。
 ずっと、寂しかった。
 ずっと、苦しかった。
 ずっと、怖かった。

 わたしは自分が誰なのかも忘れてた。

 忘れたまま、ずっとその苦しみを世界中に向けていた。

 そんなこと、パパもママも望むはずない。

 わたしは悪い子だった。

 でも、そんな悪い子だったわたしのところに、パパは帰って来てくれた。

 パパはもう魔王じゃない。

 パパは"ゼロラ"という名前の人間になった。

 それでもパパはパパだ。

 ママはもう帰ってこない。

 それでも、わたしは生きないといけない。

 天国のママもそれを望んでる。

 きっとパパと再会できたのも、ママが見守ってくれたからだ。

 ママの分も、わたしは生き続ける。



 それに、今のわたしにはパパのお友達もいる。

 ラルフルおにいちゃんに、マカロンおねえちゃん。

 二人とも、こんな悪い子のわたしに優しくしてくれる。

 わたしに本当のおにいちゃんやおねえちゃんはいないけど、いたらきっとこの二人みたいだと思う。

 パパのお友達は他にもたくさんいる。

 今はまだ怖くてうまくしゃべれないけど、もっとお話をしていこう。

 そして、わたしともお友達になってもらおう。



 ママはもういないけど、パパがいる。

 わたしを生んでくれたママのためにも、わたしは生きていく。



 人間の世界――

 まだまだ怖いことだらけだけど、それでもわたしは――



 ――パパと一緒に生きていく。
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