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第25章 新たなる世界へ
第374話 ルクガイア沖海戦④
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「く、くそがぁ……! なんでオレばっかりこんな目に会うんだぁ……?」
オレはラルフルが空飛ぶメイドに連れていかれた後、一人でボーネス公爵の艦隊の一隻へと突っ込んだ。
ボートの操縦は効かなかったが、運がいい。
その衝撃で船底には大穴。ボートも大破したが、とりあえず目的は果たせそうだ。
「あ、あんたは……サイバラ……!?」
「あぁ? その漆黒のローブ……。ルクガイア暗部かぁ?」
そんなオレの前に、五人のローブを着た連中が立ちすくんでいた。
オレが突っ込んだ船には、ジャコウの部下であるルクガイア暗部の五人が乗っていたようだ。
一応はかつての同僚だが、もうそんなことは関係ない。
「オレの実力は分かってるんだろぉ? だったら大人しく下がりなぁ。てめぇら五人が束になっても、オレには勝てねえんだからよぉ……!」
オレは少しずつ五人を睨みながら近づく。
あの【伝説の魔王】の娘さえもビビったオレの眼光だ。こいつらにはそれだけでも十分だろう。
「くっ! 臆するな! 最早、サイバラは敵だ! 全員で迎え撃て!」
「ほぉう? オレの眼光にビビらねぇとはなぁ。思ったよりは根性あるんだなぁ」
腐ってもかつてのオレの同僚か。いい根性をしてやがる。
オレにそんな義理はないがな。
「え? 『眼光にビビる』?」
「いや、何を言ってるんだ?」
そんな近づくオレに、暗部の五人は首をかしげ始めた。
「サイバラ。お前、サングラスでこっちからは目が見えないぞ?」
「それじゃ、眼光がどうのこうのもないだろ?」
「あ……」
言われて気付いたが、オレは普段はサングラスだった。
これじゃ眼光で威嚇なんてできない。
今度サングラスは外そうか? いや、そうしたらまたあのミライってお嬢ちゃんに怖がられる。
あれ、結構ショックだったんだよなぁ……。
「……おい。何を感傷に浸ってるんだ?」
「あぁ……いけねぇなぁ。まあいい。とにかく力づくでてめぇらには、再起不能になってもらうぜぇ……!」
眼光で威嚇するのも面倒だ。
とりあえず、両手両足を折っておけば問題ないだろう。
「こ、攻撃しろ! 雷魔法以外で攻撃するんだ!」
あぁ、先手は打たれたか。
一応オレのことは理解してるみたいだ。吸収されない雷魔法以外で攻撃はしてくる。
炎魔法に、氷魔法に、風魔法――
オレは魔法のことはよく分からん。
ただ、一つだけ言えることがある――
「なぁ? さっきからその攻撃はなんだぁ? 痒くもねぇんだがぁ?」
「き、効いてない!?」
――オレにこいつらの魔法は効かない。
オレ、頑丈さには自信がある。
■
そんなこんなで、ルクガイア暗部の五人はあっけなくダウン。
他にもボーネス公爵の部下が襲ってきたが、全員軽く返り討ち。
甲板に出た後は、乗ってた連中を全員海に投げ飛ばしてやった。
とりあえず、死にはしないだろう。
そこまでやると、オレは精神的に孤独なあの日々に逆戻りだ。
「サイバラァアア!! 貴様ァア! このわしに逆らいおってぇええ!!」
そんな感じで余裕で甲板の上を歩いていると、聞きなれた忌々しいウジ虫の声が聞こえた。
どうやらオレが乗っている船に、わざわざ横づけしてきたようだ。
「ジャコウかぁ。丁度いいなぁ。会いたかったところだぜぇ……!」
「それはこっちのセリフじゃ! この裏切り者がぁあ!!」
うるせぇウジ虫だ。
元々は先代勇者パーティーの一員だったか知らねぇが、オレがこいつに忠誠を誓ったことなど、一度もない。
しかもよく考えるとこいつは今、かつての仲間だった先代勇者の娘さんを襲ってるわけだ。
これはぶちのめすほかない。ぶちのめさない理由がない。
ついでにオレの私怨も晴らす。
「海の藻屑にしてやるぜぇ……ジャコォオウゥウ!!」
オレは甲板にあった砲弾を手に取る。そしてジャコウの船へと投げまくる。
<サイバラ式自立砲台>、一斉射撃だ。
ドガァアン! ドガァアン!
「な、なんじゃと!? 素手で砲弾を――」
「そのセリフはこの間、王国騎士団の七番隊とやり合った時に散々聞き飽きたなぁ! このままてめぇの船を、沈めてやらぁああ!!」
オレの砲弾を食らい続け、ジャコウの船はどんどんと壊れていく。
しかも都合のいいことに、オレが投げてる砲弾は、強化型の炸裂弾のようだ。
相手はオレへの攻撃もできず、バランスを崩してただひたすらにこちらの砲撃を食らっている。
「ダーハハハ! 沈めぇ、沈めぇ! そのまま水底に消えちまいなぁあ!!」
「ひ、ひい~!? や、やめるのじゃ!? ひぃいい!?」
穴だらけになったジャコウの船は、どんどんと沈んでいく。
これはもうオレの勝ちだな。
ジャコウには散々ダメ出しされ、ただの道具として扱われてきた。
オレにコーヒーを差し出すこともあったが、あれはブラックだ。オレは飲めない。
オレはコーヒーについては、甘党なんだ。ブラックを出すな。
そんなこれまでの恨みも込めて、オレは砲弾を投げまくる。
――しかし、妙だな?
向こうの船は沈み始めてるのに、オレとの目線の高さが全然変わらない。
あっちが沈んでるのなら、こっちの方が見下す形になるはずだが……?
「あぁ……。こっちの船も沈み始めてるのかぁ……」
そういやオレ、この船に大穴空けて乗り込んだんだっけ。
まあ、いいや。とりあえずジャコウを沈めよう。
オレは後で、泳いで戻ればいいだろうよ。
「ともかくくたばれぇええ!! ジャコォオウゥウ!!」
オレはラルフルが空飛ぶメイドに連れていかれた後、一人でボーネス公爵の艦隊の一隻へと突っ込んだ。
ボートの操縦は効かなかったが、運がいい。
その衝撃で船底には大穴。ボートも大破したが、とりあえず目的は果たせそうだ。
「あ、あんたは……サイバラ……!?」
「あぁ? その漆黒のローブ……。ルクガイア暗部かぁ?」
そんなオレの前に、五人のローブを着た連中が立ちすくんでいた。
オレが突っ込んだ船には、ジャコウの部下であるルクガイア暗部の五人が乗っていたようだ。
一応はかつての同僚だが、もうそんなことは関係ない。
「オレの実力は分かってるんだろぉ? だったら大人しく下がりなぁ。てめぇら五人が束になっても、オレには勝てねえんだからよぉ……!」
オレは少しずつ五人を睨みながら近づく。
あの【伝説の魔王】の娘さえもビビったオレの眼光だ。こいつらにはそれだけでも十分だろう。
「くっ! 臆するな! 最早、サイバラは敵だ! 全員で迎え撃て!」
「ほぉう? オレの眼光にビビらねぇとはなぁ。思ったよりは根性あるんだなぁ」
腐ってもかつてのオレの同僚か。いい根性をしてやがる。
オレにそんな義理はないがな。
「え? 『眼光にビビる』?」
「いや、何を言ってるんだ?」
そんな近づくオレに、暗部の五人は首をかしげ始めた。
「サイバラ。お前、サングラスでこっちからは目が見えないぞ?」
「それじゃ、眼光がどうのこうのもないだろ?」
「あ……」
言われて気付いたが、オレは普段はサングラスだった。
これじゃ眼光で威嚇なんてできない。
今度サングラスは外そうか? いや、そうしたらまたあのミライってお嬢ちゃんに怖がられる。
あれ、結構ショックだったんだよなぁ……。
「……おい。何を感傷に浸ってるんだ?」
「あぁ……いけねぇなぁ。まあいい。とにかく力づくでてめぇらには、再起不能になってもらうぜぇ……!」
眼光で威嚇するのも面倒だ。
とりあえず、両手両足を折っておけば問題ないだろう。
「こ、攻撃しろ! 雷魔法以外で攻撃するんだ!」
あぁ、先手は打たれたか。
一応オレのことは理解してるみたいだ。吸収されない雷魔法以外で攻撃はしてくる。
炎魔法に、氷魔法に、風魔法――
オレは魔法のことはよく分からん。
ただ、一つだけ言えることがある――
「なぁ? さっきからその攻撃はなんだぁ? 痒くもねぇんだがぁ?」
「き、効いてない!?」
――オレにこいつらの魔法は効かない。
オレ、頑丈さには自信がある。
■
そんなこんなで、ルクガイア暗部の五人はあっけなくダウン。
他にもボーネス公爵の部下が襲ってきたが、全員軽く返り討ち。
甲板に出た後は、乗ってた連中を全員海に投げ飛ばしてやった。
とりあえず、死にはしないだろう。
そこまでやると、オレは精神的に孤独なあの日々に逆戻りだ。
「サイバラァアア!! 貴様ァア! このわしに逆らいおってぇええ!!」
そんな感じで余裕で甲板の上を歩いていると、聞きなれた忌々しいウジ虫の声が聞こえた。
どうやらオレが乗っている船に、わざわざ横づけしてきたようだ。
「ジャコウかぁ。丁度いいなぁ。会いたかったところだぜぇ……!」
「それはこっちのセリフじゃ! この裏切り者がぁあ!!」
うるせぇウジ虫だ。
元々は先代勇者パーティーの一員だったか知らねぇが、オレがこいつに忠誠を誓ったことなど、一度もない。
しかもよく考えるとこいつは今、かつての仲間だった先代勇者の娘さんを襲ってるわけだ。
これはぶちのめすほかない。ぶちのめさない理由がない。
ついでにオレの私怨も晴らす。
「海の藻屑にしてやるぜぇ……ジャコォオウゥウ!!」
オレは甲板にあった砲弾を手に取る。そしてジャコウの船へと投げまくる。
<サイバラ式自立砲台>、一斉射撃だ。
ドガァアン! ドガァアン!
「な、なんじゃと!? 素手で砲弾を――」
「そのセリフはこの間、王国騎士団の七番隊とやり合った時に散々聞き飽きたなぁ! このままてめぇの船を、沈めてやらぁああ!!」
オレの砲弾を食らい続け、ジャコウの船はどんどんと壊れていく。
しかも都合のいいことに、オレが投げてる砲弾は、強化型の炸裂弾のようだ。
相手はオレへの攻撃もできず、バランスを崩してただひたすらにこちらの砲撃を食らっている。
「ダーハハハ! 沈めぇ、沈めぇ! そのまま水底に消えちまいなぁあ!!」
「ひ、ひい~!? や、やめるのじゃ!? ひぃいい!?」
穴だらけになったジャコウの船は、どんどんと沈んでいく。
これはもうオレの勝ちだな。
ジャコウには散々ダメ出しされ、ただの道具として扱われてきた。
オレにコーヒーを差し出すこともあったが、あれはブラックだ。オレは飲めない。
オレはコーヒーについては、甘党なんだ。ブラックを出すな。
そんなこれまでの恨みも込めて、オレは砲弾を投げまくる。
――しかし、妙だな?
向こうの船は沈み始めてるのに、オレとの目線の高さが全然変わらない。
あっちが沈んでるのなら、こっちの方が見下す形になるはずだが……?
「あぁ……。こっちの船も沈み始めてるのかぁ……」
そういやオレ、この船に大穴空けて乗り込んだんだっけ。
まあ、いいや。とりあえずジャコウを沈めよう。
オレは後で、泳いで戻ればいいだろうよ。
「ともかくくたばれぇええ!! ジャコォオウゥウ!!」
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