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第22章 改革の歌
第306話 改革の鎮魂歌
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「グギャギャァアア!!」
自らに向かってくる俺とラルフルに対し、コマンドラゴンはその大きな腕で薙ぎ払ってきた。
「図体がでかいだけに、近づくのは難しいな」
「ええ。ですが避ける分には問題ありません!」
コマンドラゴンは巨大な相手だが、ゾンビ化しているためか動きが遅い。
俺とラルフルはその攻撃を難なく躱す。
「とにかく時間を稼ぐぞ! 無理に攻める必要はない!」
「はい!」
俺とラルフルはコマンドラゴンの攻撃を回避することを優先する。
こちらの目的はマカロンとフロストの準備が整うまでの時間稼ぎをすることだ。
それまで持ちこたえれば――
ブオォン!
「!? 尻尾!?」
コマンドラゴンが振り回した尻尾が、突如俺へと襲い掛かる!
巨体とはいえ、人型の魔物と思って油断した……!
コマンドラゴンの長い尾をまともに食らった俺の体は、地面へと叩きつけられる――
「ゲホッ……! まずいな……!」
俺の近くにはまだコマンドラゴンがいる。
そして再び尻尾を振り下ろし、俺を叩き潰そうと――
「フゥウン!!」
「ラルフル!?」
――その寸前、ラルフルが俺の目の前に現れてコマンドラゴンの尻尾を受け止めた!
その小さな体で、必死に踏ん張って止めてくれた。
強くなったとは思っていたが、ここまで強くなっていたとは……!
ラルフルがコマンドラゴンの尻尾を受け止めている間に俺も立ち上がって距離をとる。
「ハァ、ハァ! ゼロラさん! 大丈夫ですか!?」
「ああ! 助かった!」
本当にラルフルは頼もしくなってくれたものだ。
今じゃこうして、俺を助けられるまでに強くなっている。
――俺も安心してラルフルに背中を預けられる!
「よーし! 準備完了だ~! ゼロラ、ラルフル! コマンドラゴンから離れろ!」
コマンドラゴンの相手を続けていた俺とラルフルに、フロストからの合図が入った。
振り向くと丁度、マカロンの光魔法が込められた砲弾をフレイムが口に含もうとしていた。
「ラルフル! できる限り遠くに離れろ! 今からフレイムが放つ攻撃は相当ヤバイ!」
「わ、分かりました!」
フレイムが今から放つのは、派生型とはいえ、<キャノンブレス>!
俺とラルフルは急いでコマンドラゴンから距離をとった。
そして俺とラルフルが十分に距離が取れたのを確認すると――
「フレイム! <実弾装填式キャノンブレス>……発射!!」
「オオオオオ!!」
ボォオオオ!!
――フレイムの口から<キャノンブレス>が発射された!
前回とは違い、マカロンの光魔法が込められた砲弾を飛ばすことを目的とした<キャノンブレス>。
その砲弾は真っ直ぐとコマンドラゴンへと向かい――
ドガァアアン!!
――着弾した。
「ギャ……ギャオオオ……」
砲弾を食らったコマンドラゴンの肉体が霧のように霧散していく。
マカロンの光魔法による効果だろう。無理矢理ゾンビ化せられたコマンドラゴンの肉体が浄化されているようだ。
「ひ~……。まさかこの俺がマカロンとラルフルの手を借りる日が来るとはな~……」
「ありがとうございます! フロストさ――」
「よし。他の王国騎士団をぶちのめしに戻るか~」
コマンドラゴンを倒せたことを確認したフロストはマカロンのお礼の言葉も聞かず、フレイムと共にさっさと別の王国騎士団の相手をしに、別の場所へと行ってしまった。
どんな事情があるのか知らないが、どうにもフロストはマカロンとラルフルを避けすぎな気がするな……。
「ゼロラ殿……。どうやらのんびりしている時間もないようだ……!」
少し落ち着いていた俺にロギウスが声をかけてきた。
――そしてロギウスの目線の先を見ると、遠方から大勢の王国騎士団が迫りくるのが見える。
「あ、あんなに数がいるんですか……!?」
「あれだけの数を相手になんて……!?」
その光景を見たラルフルとマカロンも驚愕している。
王国騎士団の遊撃隊……。まさかこれほどまでだったとは……!
「他の戦線からも同じ伝令が入っている。この数は僕の計算以上か……!」
こちらの軍師であるロギウスも、ここまでの事態は想定できていなかったようだ。
やはり数で来られるときつい。他の戦線も同じ状況である以上、援軍も期待できない。
このまま押し切られるのか――
「大丈夫なのです! こちらにもまだ味方はいるのです!」
不安がる俺達に、総大将であるガルペラが威勢よく声をかけた。
そして、別の方向からやって来る集団を指さした――
自らに向かってくる俺とラルフルに対し、コマンドラゴンはその大きな腕で薙ぎ払ってきた。
「図体がでかいだけに、近づくのは難しいな」
「ええ。ですが避ける分には問題ありません!」
コマンドラゴンは巨大な相手だが、ゾンビ化しているためか動きが遅い。
俺とラルフルはその攻撃を難なく躱す。
「とにかく時間を稼ぐぞ! 無理に攻める必要はない!」
「はい!」
俺とラルフルはコマンドラゴンの攻撃を回避することを優先する。
こちらの目的はマカロンとフロストの準備が整うまでの時間稼ぎをすることだ。
それまで持ちこたえれば――
ブオォン!
「!? 尻尾!?」
コマンドラゴンが振り回した尻尾が、突如俺へと襲い掛かる!
巨体とはいえ、人型の魔物と思って油断した……!
コマンドラゴンの長い尾をまともに食らった俺の体は、地面へと叩きつけられる――
「ゲホッ……! まずいな……!」
俺の近くにはまだコマンドラゴンがいる。
そして再び尻尾を振り下ろし、俺を叩き潰そうと――
「フゥウン!!」
「ラルフル!?」
――その寸前、ラルフルが俺の目の前に現れてコマンドラゴンの尻尾を受け止めた!
その小さな体で、必死に踏ん張って止めてくれた。
強くなったとは思っていたが、ここまで強くなっていたとは……!
ラルフルがコマンドラゴンの尻尾を受け止めている間に俺も立ち上がって距離をとる。
「ハァ、ハァ! ゼロラさん! 大丈夫ですか!?」
「ああ! 助かった!」
本当にラルフルは頼もしくなってくれたものだ。
今じゃこうして、俺を助けられるまでに強くなっている。
――俺も安心してラルフルに背中を預けられる!
「よーし! 準備完了だ~! ゼロラ、ラルフル! コマンドラゴンから離れろ!」
コマンドラゴンの相手を続けていた俺とラルフルに、フロストからの合図が入った。
振り向くと丁度、マカロンの光魔法が込められた砲弾をフレイムが口に含もうとしていた。
「ラルフル! できる限り遠くに離れろ! 今からフレイムが放つ攻撃は相当ヤバイ!」
「わ、分かりました!」
フレイムが今から放つのは、派生型とはいえ、<キャノンブレス>!
俺とラルフルは急いでコマンドラゴンから距離をとった。
そして俺とラルフルが十分に距離が取れたのを確認すると――
「フレイム! <実弾装填式キャノンブレス>……発射!!」
「オオオオオ!!」
ボォオオオ!!
――フレイムの口から<キャノンブレス>が発射された!
前回とは違い、マカロンの光魔法が込められた砲弾を飛ばすことを目的とした<キャノンブレス>。
その砲弾は真っ直ぐとコマンドラゴンへと向かい――
ドガァアアン!!
――着弾した。
「ギャ……ギャオオオ……」
砲弾を食らったコマンドラゴンの肉体が霧のように霧散していく。
マカロンの光魔法による効果だろう。無理矢理ゾンビ化せられたコマンドラゴンの肉体が浄化されているようだ。
「ひ~……。まさかこの俺がマカロンとラルフルの手を借りる日が来るとはな~……」
「ありがとうございます! フロストさ――」
「よし。他の王国騎士団をぶちのめしに戻るか~」
コマンドラゴンを倒せたことを確認したフロストはマカロンのお礼の言葉も聞かず、フレイムと共にさっさと別の王国騎士団の相手をしに、別の場所へと行ってしまった。
どんな事情があるのか知らないが、どうにもフロストはマカロンとラルフルを避けすぎな気がするな……。
「ゼロラ殿……。どうやらのんびりしている時間もないようだ……!」
少し落ち着いていた俺にロギウスが声をかけてきた。
――そしてロギウスの目線の先を見ると、遠方から大勢の王国騎士団が迫りくるのが見える。
「あ、あんなに数がいるんですか……!?」
「あれだけの数を相手になんて……!?」
その光景を見たラルフルとマカロンも驚愕している。
王国騎士団の遊撃隊……。まさかこれほどまでだったとは……!
「他の戦線からも同じ伝令が入っている。この数は僕の計算以上か……!」
こちらの軍師であるロギウスも、ここまでの事態は想定できていなかったようだ。
やはり数で来られるときつい。他の戦線も同じ状況である以上、援軍も期待できない。
このまま押し切られるのか――
「大丈夫なのです! こちらにもまだ味方はいるのです!」
不安がる俺達に、総大将であるガルペラが威勢よく声をかけた。
そして、別の方向からやって来る集団を指さした――
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