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第20章 獅子は吠え、虎は猛る
第284話 決戦・【虎殺しの暴虎】②
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立ち上がった二人は再度激突する。
サイバラはパンチを主体にしてそのパワーを最大限に活かす。
それに対してゼロラはキックも織り交ぜながら、サイバラの隙をつく戦い方を続ける。
「ダメだ……! 攻撃が激しすぎる……!」
戦況はゼロラの方が不利だった。
サイバラは自らの打たれ強さに身を任せ、ゼロラの攻撃に怯むことなくパンチを繰り出し続ける。
少しずつゼロラの方が後ろへと下がっていき――
「ッ!? し、しまった――」
「もらったぁあああ!!」
――ゼロラは壁際まで追い詰められた。
それを見たサイバラはゼロラの顔面目掛けて全力で拳を振りぬく――
ドガァアアン!!
寸前のところでゼロラはサイバラの拳をしゃがんで回避した。
避けられたサイバラの拳は壁にめり込んでしまった。
「今だぁあ!!」
サイバラの拳が壁にめり込んで身動きが取れないと思ったゼロラは、起き上がってサイバラへと殴り掛かる――
「何が……"今"なんだぁああ!!?」
起き上がったゼロラを見て、サイバラは壁から拳を引き抜く。
ビキキッ――
「ッ!? 馬鹿な!?」
それと同時にゼロラの横の壁に亀裂が入り始める。
サイバラは"ただ壁から拳を引き抜いた"のではなかった――
引き抜かれたその手には太いワイヤーが握られていた。
ビュゥウウン!! バギャァアアン!!
「な、なんて奴だ……!?」
サイバラは壁に埋まっていた建設用のワイヤーを壁から力任せに引き抜き、それを鞭のようにしならせてゼロラへと襲い掛からせた。
ワイヤーを回避したゼロラだったが、執務室一帯はサイバラが引き抜いたワイヤーによって大きく薙ぎ払われた。
「チィ! 避けやがったか……!」
鋭い眼光でゼロラを睨みつけながら、サイバラは掴んでいたワイヤーから手を離す。
「馬鹿力にも程があるぜ……」
「オレのパワーを甘く見ないことだなぁ……! その気になれば、この屋敷ごと破壊することだってできるんだぜぇ……!」
サイバラの言葉は決して嘘でもはったりでもない。
先程壁から無理矢理ワイヤーを引き抜く場面を見たゼロラにも分かる。
これまでサイバラが"どれだけ手加減して戦っていたか"ということが――
「野郎ぉお!!」
ゼロラはワイヤーを振り終えて構えが解けていたサイバラに全力で後ろ回し蹴りを放った――
「ルゥアァアア!!」
――しかしその蹴りをサイバラはガードすることもなく、正面から胸倉で受け止める。
蹴りの威力でわずかに後ろに下がりはしたものの、踏ん張った姿勢を貫いて耐え抜く。
「シャラァアアア!!」
そのままゼロラの足を掴み、ゼロラの体を宙へと舞わせる――
ドギャァアアン!! バギャァアアン!!
「ゴ、ゴフッ!?」
サイバラはそのままゼロラの体を片手で振り回して床へと何度も叩きつける。
ゼロラは叩きつけられる寸前に体へ<鉄の防御>をかけて受け身もとるが、その衝撃は全身へと襲い掛かる。
叩きつけられるたびにゼロラの口から鮮血があふれ出す。
「クソッ……!」
「フンッ! 解きやがったか……!」
なんとかサイバラに掴まれた足を振り解くゼロラ。
だがサイバラの猛攻は終わらない――
「くたばれぇええ!! ゼロラぁああ!!」
倒れたままのゼロラの頭上に、サイバラのストンピングが迫りくる。
「くうっ!?」
ゼロラは倒れたまま、体を回転させながらサイバラのストンピングを回避する。
そんなゼロラを踏みつぶすべく、サイバラも力強く床を踏みしめて歩くようにストンピングの連打を放つ。
スギャン! バギャン! メギャン!
サイバラがストンピングを放つたびに床が砕けていく。
ゼロラはなんとか転がりながらひとまずサイバラとの距離を置く――
「遠慮しねぇで……死ねぇええ!! ゼロラぁああ!!!」
距離を置いて起き上がろうとするゼロラに対して、今度は大きく飛び込むサイバラ。
そのまま今度はサイバラがゼロラに対して馬乗りになり、力を込めた右拳を振り上げ――
「終わりだぁあああ!!!」
――そしてゼロラの顔面目掛けて振り下ろす。
「ぬぅう!?」
サイバラの拳が当たる直前、ゼロラは首を横に動かして回避する。
サイバラの拳は床を大きく砕いてひび割れを走らせていた。
「こんなもの、まともに食らったら――」
ビキッ―― ビキキキ――
ゼロラがサイバラの攻撃に戦慄していると、床に入ったひび割れが異音と共に広がり始める――
ガララァアア!!
「ゆ、床が!?」
「ちくしょお!?」
サイバラのパワーに耐えきれず、執務室の床が崩れ落ちる。
二人の体が同時に宙を舞って下の階へと落ちていく――
――ゼロラはその隙を逃さなかった。
「オォオオ!!」
「な、何ぃ!?」
一緒に落ちていくサイバラの頭をゼロラは押さえ込む。
そのままサイバラが下になるように二人は落下し――
バギャァアアン!!
――サイバラは頭から下の階に叩きつけられた。
その衝撃でサイバラの頭は床にめり込んでいる。
「ハァ、ハァ……! 終わりだ……サイバラ」
サイバラに止めを刺したと思ったゼロラだった――
バチィ―― バチバチィ――
「終わりだぁ……? 何を馬鹿なことを言ってやがるんだぁ……!!」
サイバラの体から稲光が発せられる。
ゼロラに抑えられた状態から力づくで起き上がり始める――
「なっ!? お前……まさか今まで……!?」
サイバラの様子に危機感を感じたゼロラは慌ててサイバラから離れる。
サイバラはゆっくりと起き上がりながら、ゼロラを睨みつける。
「オレがこんな程度で終わる訳ねぇだろぉ? ゼロラぁあ……!」
サイバラはこの日初めての<電撃肉体強化魔法>を発動させた――
サイバラはパンチを主体にしてそのパワーを最大限に活かす。
それに対してゼロラはキックも織り交ぜながら、サイバラの隙をつく戦い方を続ける。
「ダメだ……! 攻撃が激しすぎる……!」
戦況はゼロラの方が不利だった。
サイバラは自らの打たれ強さに身を任せ、ゼロラの攻撃に怯むことなくパンチを繰り出し続ける。
少しずつゼロラの方が後ろへと下がっていき――
「ッ!? し、しまった――」
「もらったぁあああ!!」
――ゼロラは壁際まで追い詰められた。
それを見たサイバラはゼロラの顔面目掛けて全力で拳を振りぬく――
ドガァアアン!!
寸前のところでゼロラはサイバラの拳をしゃがんで回避した。
避けられたサイバラの拳は壁にめり込んでしまった。
「今だぁあ!!」
サイバラの拳が壁にめり込んで身動きが取れないと思ったゼロラは、起き上がってサイバラへと殴り掛かる――
「何が……"今"なんだぁああ!!?」
起き上がったゼロラを見て、サイバラは壁から拳を引き抜く。
ビキキッ――
「ッ!? 馬鹿な!?」
それと同時にゼロラの横の壁に亀裂が入り始める。
サイバラは"ただ壁から拳を引き抜いた"のではなかった――
引き抜かれたその手には太いワイヤーが握られていた。
ビュゥウウン!! バギャァアアン!!
「な、なんて奴だ……!?」
サイバラは壁に埋まっていた建設用のワイヤーを壁から力任せに引き抜き、それを鞭のようにしならせてゼロラへと襲い掛からせた。
ワイヤーを回避したゼロラだったが、執務室一帯はサイバラが引き抜いたワイヤーによって大きく薙ぎ払われた。
「チィ! 避けやがったか……!」
鋭い眼光でゼロラを睨みつけながら、サイバラは掴んでいたワイヤーから手を離す。
「馬鹿力にも程があるぜ……」
「オレのパワーを甘く見ないことだなぁ……! その気になれば、この屋敷ごと破壊することだってできるんだぜぇ……!」
サイバラの言葉は決して嘘でもはったりでもない。
先程壁から無理矢理ワイヤーを引き抜く場面を見たゼロラにも分かる。
これまでサイバラが"どれだけ手加減して戦っていたか"ということが――
「野郎ぉお!!」
ゼロラはワイヤーを振り終えて構えが解けていたサイバラに全力で後ろ回し蹴りを放った――
「ルゥアァアア!!」
――しかしその蹴りをサイバラはガードすることもなく、正面から胸倉で受け止める。
蹴りの威力でわずかに後ろに下がりはしたものの、踏ん張った姿勢を貫いて耐え抜く。
「シャラァアアア!!」
そのままゼロラの足を掴み、ゼロラの体を宙へと舞わせる――
ドギャァアアン!! バギャァアアン!!
「ゴ、ゴフッ!?」
サイバラはそのままゼロラの体を片手で振り回して床へと何度も叩きつける。
ゼロラは叩きつけられる寸前に体へ<鉄の防御>をかけて受け身もとるが、その衝撃は全身へと襲い掛かる。
叩きつけられるたびにゼロラの口から鮮血があふれ出す。
「クソッ……!」
「フンッ! 解きやがったか……!」
なんとかサイバラに掴まれた足を振り解くゼロラ。
だがサイバラの猛攻は終わらない――
「くたばれぇええ!! ゼロラぁああ!!」
倒れたままのゼロラの頭上に、サイバラのストンピングが迫りくる。
「くうっ!?」
ゼロラは倒れたまま、体を回転させながらサイバラのストンピングを回避する。
そんなゼロラを踏みつぶすべく、サイバラも力強く床を踏みしめて歩くようにストンピングの連打を放つ。
スギャン! バギャン! メギャン!
サイバラがストンピングを放つたびに床が砕けていく。
ゼロラはなんとか転がりながらひとまずサイバラとの距離を置く――
「遠慮しねぇで……死ねぇええ!! ゼロラぁああ!!!」
距離を置いて起き上がろうとするゼロラに対して、今度は大きく飛び込むサイバラ。
そのまま今度はサイバラがゼロラに対して馬乗りになり、力を込めた右拳を振り上げ――
「終わりだぁあああ!!!」
――そしてゼロラの顔面目掛けて振り下ろす。
「ぬぅう!?」
サイバラの拳が当たる直前、ゼロラは首を横に動かして回避する。
サイバラの拳は床を大きく砕いてひび割れを走らせていた。
「こんなもの、まともに食らったら――」
ビキッ―― ビキキキ――
ゼロラがサイバラの攻撃に戦慄していると、床に入ったひび割れが異音と共に広がり始める――
ガララァアア!!
「ゆ、床が!?」
「ちくしょお!?」
サイバラのパワーに耐えきれず、執務室の床が崩れ落ちる。
二人の体が同時に宙を舞って下の階へと落ちていく――
――ゼロラはその隙を逃さなかった。
「オォオオ!!」
「な、何ぃ!?」
一緒に落ちていくサイバラの頭をゼロラは押さえ込む。
そのままサイバラが下になるように二人は落下し――
バギャァアアン!!
――サイバラは頭から下の階に叩きつけられた。
その衝撃でサイバラの頭は床にめり込んでいる。
「ハァ、ハァ……! 終わりだ……サイバラ」
サイバラに止めを刺したと思ったゼロラだった――
バチィ―― バチバチィ――
「終わりだぁ……? 何を馬鹿なことを言ってやがるんだぁ……!!」
サイバラの体から稲光が発せられる。
ゼロラに抑えられた状態から力づくで起き上がり始める――
「なっ!? お前……まさか今まで……!?」
サイバラの様子に危機感を感じたゼロラは慌ててサイバラから離れる。
サイバラはゆっくりと起き上がりながら、ゼロラを睨みつける。
「オレがこんな程度で終わる訳ねぇだろぉ? ゼロラぁあ……!」
サイバラはこの日初めての<電撃肉体強化魔法>を発動させた――
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