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第18章 光と闇の分岐点
第247話 残された時間
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「リョウさん! こんな感じですか!?」
「うんうん、良い感じだね。後はもう少し――」
ラルフルがメイド服のままどこかへ行った後、私はリョウさんの教えの元、光魔法の特訓中。
この光魔法を私が扱えるようになれば、私にも人を守れる力が備わる。
ゼロラさんやラルフル達が戦いの渦中へと飛び込んでいく中、私に役立てる力があるなら是非とも物にしたい。
「いい感じだね。そうやって自らの魔力で守ることをイメージして―― ぅ」
『守ることをイメージする』……。
リョウさんに言われた通りに私は魔力を体から放出させてみる。
暖かい光――
全てを包み込むような優しい光――
これが魔法。私に使える光魔法。
ゼロラさんから貰ったブローチも白く輝き、私の光魔法が辺りを包み込む。
「いい調子だね……。次は――その光を収束させて――」
さらにリョウさんに言われた通り、私の体から溢れた光を収束させていく。
光が私を守る衣のように纏われる。
言葉でなくても理解できる――
この光は身を守ることができる強固な鎧だ――
「い、いいね……マカロン。後は集中して……その状態の維持を――」
『この状態を維持する』……。
私はとにかく集中する。
目を閉じ、周囲の音すら耳に入らない程の集中――
自然とこの光のベールが私の身体に馴染んで行くのが分かる――
この光があれば、私の周りの大切な人を……守れる!
私の中でその思いは確信と言えるものになった。
「リョ、リョウさん! や、やりました! 私! やりましたよ!」
私は目を開いてリョウさんの方に振り向いた。
ここまで光魔法を操ることができたことで、リョウさんにお礼を言いたくて――
――だけど、今にして思えばもっと早く気が付くべきだった。
「う……うぅ……」
「リョ、リョウさん!!??」
地面に倒れ込んでリョウさんは苦しんでいた。
顔から脂汗を流しながら歯を食いしばり、何かに耐えるようにうずくまっていた。
「ご、ごめんなさい! すぐに気づかなくて――」
「い、いや……いいんだ……。それより……マカロンが魔法を覚えれて……よかった……」
「何を言ってるんですか!? 私の事なんかよりも、リョウさんの方こそ一体どうして――」
「じ……時間切れ……だね……」
『時間切れ』……?
そう言ってリョウさんは倒れながら一方向を指さした。
そこにいたのは、以前リョウさんに見せてもらった擬態魔法を付与した漆黒のローブに身を包んだ六人。
全員が同じ背格好で顔も分からず、声も発さない。恐ろしく不気味な六人組。
「あ、あの人達は……?」
「魔幻塔の遣い……だね。ボクを呼び戻しに来たのだろう……」
魔幻塔!? じゃあ、この人達がリョウさんを捕らえている――
カチャ――
六人組のリーダーと思われる人物が他の五人に合図を送り、私達に近づいてくる。
さらにそのリーダーも右手に銃を握り、こちらに構えている。
「銃まで持ち出してくるなんて……!?」
「だ、大丈夫だよ……マカロン……。ボクが付いて行けば……す、済む話だから……」
そう言ってリョウさんはよろめきながら立ち上がり、六人組の元へと向かって行ってしまう――
「マカロン……。ボクが君に教えた魔法……必ず……役立ててくれ……。クフフフ……」
リョウさんは一度私の方を振り向くと無理矢理笑顔を作って私にお願いしてきた。
凄く苦しそうに、とても儚く――
「君達、狙いはボク一人だろう……? わざわざ軍師ジャコウにボクの魔力へ干渉させて……ボクを苦しめてまで連れ戻したいのかな……?」
「…………」
「クフフフ……返事なし、か……。も、戻ることは構わない……。だけど、彼女は無関係だ……。その物騒な武器を下げてもらえないかな……?」
「…………」
リョウさんは六人組のリーダーに願い出て、持っていた銃を下げさせた。
そのままリョウさんは六人組に囲まれてしまう。
「待って! リョウさん――」
「ごめんよ……マカロン。皆にも……よろしく頼むよ……」
リョウさんはそう言い残し、六人組に連れ去られてどこかへ行ってしまった。
私には止めることができなかった。
ただ、黙って見ていることしかできなかった……。
心配で仕方ない。折角リョウさんのおかげで魔法を覚えれたのに――
リョウさんとも仲良くなれてきたのに――
「お願い、リョウさん……! 無事でいて……!」
「うんうん、良い感じだね。後はもう少し――」
ラルフルがメイド服のままどこかへ行った後、私はリョウさんの教えの元、光魔法の特訓中。
この光魔法を私が扱えるようになれば、私にも人を守れる力が備わる。
ゼロラさんやラルフル達が戦いの渦中へと飛び込んでいく中、私に役立てる力があるなら是非とも物にしたい。
「いい感じだね。そうやって自らの魔力で守ることをイメージして―― ぅ」
『守ることをイメージする』……。
リョウさんに言われた通りに私は魔力を体から放出させてみる。
暖かい光――
全てを包み込むような優しい光――
これが魔法。私に使える光魔法。
ゼロラさんから貰ったブローチも白く輝き、私の光魔法が辺りを包み込む。
「いい調子だね……。次は――その光を収束させて――」
さらにリョウさんに言われた通り、私の体から溢れた光を収束させていく。
光が私を守る衣のように纏われる。
言葉でなくても理解できる――
この光は身を守ることができる強固な鎧だ――
「い、いいね……マカロン。後は集中して……その状態の維持を――」
『この状態を維持する』……。
私はとにかく集中する。
目を閉じ、周囲の音すら耳に入らない程の集中――
自然とこの光のベールが私の身体に馴染んで行くのが分かる――
この光があれば、私の周りの大切な人を……守れる!
私の中でその思いは確信と言えるものになった。
「リョ、リョウさん! や、やりました! 私! やりましたよ!」
私は目を開いてリョウさんの方に振り向いた。
ここまで光魔法を操ることができたことで、リョウさんにお礼を言いたくて――
――だけど、今にして思えばもっと早く気が付くべきだった。
「う……うぅ……」
「リョ、リョウさん!!??」
地面に倒れ込んでリョウさんは苦しんでいた。
顔から脂汗を流しながら歯を食いしばり、何かに耐えるようにうずくまっていた。
「ご、ごめんなさい! すぐに気づかなくて――」
「い、いや……いいんだ……。それより……マカロンが魔法を覚えれて……よかった……」
「何を言ってるんですか!? 私の事なんかよりも、リョウさんの方こそ一体どうして――」
「じ……時間切れ……だね……」
『時間切れ』……?
そう言ってリョウさんは倒れながら一方向を指さした。
そこにいたのは、以前リョウさんに見せてもらった擬態魔法を付与した漆黒のローブに身を包んだ六人。
全員が同じ背格好で顔も分からず、声も発さない。恐ろしく不気味な六人組。
「あ、あの人達は……?」
「魔幻塔の遣い……だね。ボクを呼び戻しに来たのだろう……」
魔幻塔!? じゃあ、この人達がリョウさんを捕らえている――
カチャ――
六人組のリーダーと思われる人物が他の五人に合図を送り、私達に近づいてくる。
さらにそのリーダーも右手に銃を握り、こちらに構えている。
「銃まで持ち出してくるなんて……!?」
「だ、大丈夫だよ……マカロン……。ボクが付いて行けば……す、済む話だから……」
そう言ってリョウさんはよろめきながら立ち上がり、六人組の元へと向かって行ってしまう――
「マカロン……。ボクが君に教えた魔法……必ず……役立ててくれ……。クフフフ……」
リョウさんは一度私の方を振り向くと無理矢理笑顔を作って私にお願いしてきた。
凄く苦しそうに、とても儚く――
「君達、狙いはボク一人だろう……? わざわざ軍師ジャコウにボクの魔力へ干渉させて……ボクを苦しめてまで連れ戻したいのかな……?」
「…………」
「クフフフ……返事なし、か……。も、戻ることは構わない……。だけど、彼女は無関係だ……。その物騒な武器を下げてもらえないかな……?」
「…………」
リョウさんは六人組のリーダーに願い出て、持っていた銃を下げさせた。
そのままリョウさんは六人組に囲まれてしまう。
「待って! リョウさん――」
「ごめんよ……マカロン。皆にも……よろしく頼むよ……」
リョウさんはそう言い残し、六人組に連れ去られてどこかへ行ってしまった。
私には止めることができなかった。
ただ、黙って見ていることしかできなかった……。
心配で仕方ない。折角リョウさんのおかげで魔法を覚えれたのに――
リョウさんとも仲良くなれてきたのに――
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