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season2
不可侵
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「お心を深く痛めていたそのお方は、長期でご滞在されている最中だった。自国を離れ、ゆっくりとした時間を過ごされていて、特に城の奥に位置する庭園を好んでよく散策されていたの。そしてある日、そこにひとり佇んでいた少女と出くわして…せっかくならとベンチに並んで座って話をしていたそうよ」
「…王家に貴賓として招かれる方が……おひとりだったのですか?」
いくら警備が厳重とされる王城でも、他国の王族がひとりで出歩くなどありえない。
「そこは王族と準ずる者しか出入りが許されない場所なの。だから安全を保証されているも同然だから…とお思いになったのでしょうね。実際、わたくしもひとりで赴くわ。入り口に護衛を残してはいるけれど」
「では、その方も…」
「ひとりになりたいからと入り口に待機させていた。そこに見計らったかのように…いえ、実際に見計らったのでしょう、少女…コーレス夫人が現れ、気安い語り口につい気を許してしまった。それから少し時間が経った時、唇を重ねられ、液体を流し込まれて飲み込んでしまった」
「…それが……媚薬…?」
「そう…しかもかなり強力で、即効性のあるものだったらしいわ。お心を弱らせていたその方は、少女ひとりに抗うことも出来ずにされるがままとなり、戻りが遅いことを心配した護衛が駆け付けた時には…既に事が済んでいた」
ここでふと王弟の現在を思い出した。
僕の記憶が正しければ……
「プリシラ様…王弟は今……」
「表向きは離宮で療養している事になっているけれど…実際は北の塔に幽閉されているわ」
北の塔…
確か、重犯罪を犯した貴族が投獄されると噂される、過酷な気候の土地に孤独にそそり立つ場所。
「夫人に襲われたそのお方の心は打ち砕かれ、与えられていた客室で自害を試みられた。発見が早く一命は取り留めたけれど、事態を重く見た祖父に…先代の国王によって叔父は幽閉されたの」
少し疲れた様子を見せるプリシラ様に、ジェイマンが淹れたての紅茶を差し出した。
ありがとう…と向ける視線はやはり穏やかで、対するジェイマンもいつも以上に優しい眼差しをしている。
新しい紅茶を口に含んだプリシラ様は、ふぅ…と小さく息を吐いて話を続けた。
「叔父という後ろ楯を失ったコーレス夫人は、婚約者が監視するという形で無罪放免となった」
「そんな…その時に処罰を与えていれば……」
不敬にも僕の怒りを含んだ言葉に、プリシラ様は申し訳なさそうに笑みを見せ…
「勿論、そういった声もあがったわ。ただ…そのお方は王族とは言え、あまりよくない環境でお暮らしになっていたお方でね…王族にも関わらず、隙を見せて年若い娘に媚薬を盛られ襲われたなどと知られれば、むしろそのお方の命が危ぶまれると…そう申し出てきたの」
「そんな……」
「このまま何事も無かったことにしたい…子種も断たれているから妊娠の心配もないと」
子種を断たれた王族…その闇に、思わずその人の境遇を思って苦しくなった。
「男爵の元に返されたコーレス夫人は、相も変わらずに周囲を巻き込んで問題ばかりを起こし…けれどその時々で力を持つ貴族と繋がっていたこともあって、なかなか裁けなかった」
ここで、不意に沸き上がった疑問が脳裏をかすめて体を震わせる…恐怖ではなく、怒りから…
「プリシラ様…まさか……ビノワは…」
「おそらく貴方の想像通りね」
「そんなっ…彼は……っ…」
問題ばかり起こす婚約者でも誠実に向き合おうと務め、妻となっても、母となっても苦しめられるばかりなのに…ビノワはいつだって穏やかに笑っていて…
『大して金もない男爵家に嫁いでくれるだけ有難いと思ってる。可愛い息子も生んでくれた』
そう言って笑っていたのに……
「酷い言い方だけれど…貴方という標的を全力で追い掛けるためには邪魔になったんでしょうね」
「……そんな………」
「そしてこれから話すことが今日の本題でもあるのだけど…バルティス・モリス子爵、貴方に頼みたいことがあるの」
ビノワの死が僕のせいだった事にショックを受けていたが、突如変わったプリシラ様の口調に姿勢を正し直し向き合う。
「ビノワ・コーレスが何故死に至ったのか…誰の策略でその命を落とすことになったのか、もう目星はついているわ。その上で、貴方に協力を仰ぎたいの」
「……協力ですか…?」
「今はまだ、貴方に深く関係している事由が見受けられる…とだけしか言えないけれど、それらの手柄を貴方のものとして提出し、それを元に陞爵の手続きをとるわ」
******
帰宅したナディアに夕食までの時間を私室で過ごそうと誘い、部屋着に着替えている間にお茶とお菓子を用意させていると、支度を終えたナディアが些か不機嫌な様子で戻ってきた。
その理由に思い当たることはある。
「改めておかえり、ナディア」
「……ただいま、バルト」
プリシラ様が帰ろうとするところで丁度ナディアがお茶会から戻り、まさかのプリシラ様の姿にナディアは目を真ん丸にして驚いてしまい、緊張から固まってしまった。
『貴女は本当に可愛らしいわ』
そう言って頬をするりと撫でられたことで緊張が頂点に達し、茹でられたように赤く頬を染めてふらりとよろめき、慌てて抱きとめた。
ナディアとの繋がりはまだ話すつもりはないから黙っていてほしいと言われており、その言葉に僕とジェイマンは了承している。
「心配してわざわざお越しくださるなんて、プリシラ様は本当にお優しいのね」
プリシラ様の来訪は、件の裁判からの影響を心配しての事とナディアには伝えた。
「前もっていらっしゃると分かっていれば、わたしもご一緒したのに」
ぷくっと頬を膨らませる様子に愛しさが込み上げてきて、ナディアを傷付けさせることは決してしないと強く思いを改め、ぷりぷりと不貞腐れている愛しい存在を抱き締めた。
そして、ナディアの髪からふわりと香る優しい香油の匂いに、つい下半身が熱くなってしまった。
「怒らないで。また来てくださるって約束してくれていたじゃないか」
「…それはそうだけど…バル…くすぐったいわ」
顔やら首筋やらに口付けていたら、クスクス笑いながら逃げようとする。
「こら、逃げちゃダメ」
「だって…やっ、そこ…やめ…っ……」
あまりにも本気で逃げようとするからムッとしてしまい、普段は見えないところにしか付けない痕をこれみよがしにつけてやろうと、首筋を思いきり強く吸って大きな痕をくっきりつけてやった。
「ちょ…ん……っ、、」
「───ついた、大きいやつ」
「もうっ!!だめって言ったのに!!」
「大丈夫だよ、髪をおろせばギリギリ見えない」
「……本当に?」
見える。何をどうしてもバッチリ見える。
なにも言わずニコッと笑うだけに留めると、耳まで真っ赤にしながらポカポカと叩いてくるが痛くも痒くもない。
騎士団をやめたとはいえ、毎日鍛練することは欠かしていないから体型も変わらずだ。
そして、そんな僕の体をナディアはいつも楽しそうにペタペタと触る。
「…………ねぇ、バル」
「なぁに?」
叩くのをやめてぽすっと胸に凭れてきたのを抱き締めると、少し言い淀んでから顔をあげて上目遣いを向けてきた。
おねだりだろうか。
この目をされると何も断れない。
「騎士団……本当に辞めてよかったの…?」
「よかったよ。これからは領地運営に力を入れたかったし、ナディアの傍にもいられるしいいことづくめだ」
「本当の本当に?」
「本当の本当に」
でも…と尚も言い募ろうとするするナディアの口を塞いで、すかさず舌を差し込み一頻り蹂躙してから唇を離すと、すっかり頬を上気させている。
卑怯だけれど、黙らせるには一番効果的だ。
あれからすぐに騎士団をやめたことを、ナディアはずっと気にしている。
昔から夢だったことを熱く語ったことも多々あるし、実際になれたことを大喜びして盛大に祝ってもらったりもしたから、それも仕方ないのかもしれないけれど。
かと言って諦めたというわけじゃない。
「騎士であることは、必ず騎士団に属している必要はいって教わったんだ」
勿論、騎士団が花形の職業であることに変わりはないが、騎士とはその心構えなのだと教えてくれた人がいる。
「僕の腕は二本しかないからね。守れる数も限られているし、ナディアだけの騎士でいたい」
僕のその言葉に、ナディアは目を輝かせた。
「わたしだけの…騎士様……?」
「そうだよ、君だけの騎士」
だから愛し合おう…と押し倒すと、いつもなら夕食前なのにと小さく(無駄な)抵抗をするのに、一切の抵抗を見せずにされるがまま。
「わたしだけの騎士様…」
「そうだね」
ぽやんとしながら『わたしだけの騎士様』と繰り返すナディアの部屋着をいそいそと脱がし、自分のものもさっさと取っ払い、未だ夢見心地でいるナディアに相槌を打ちながら愛撫を施すと、あっと言う間に受け入れ体制が整った。
「…バルは……わたしだけのもの……」
「そうだよ、だからひとつになろうね」
「うん、え……あっ、、あぁんっ……!!」
グイッと足を押し広げたことで現実に戻ってきてしまったけれど、一気に貫き手加減なしに穿てば一瞬で快感の波に飲み込まれていった。
ひたすら甘く啼く姿が可愛い。
僕の下で涙を流してよがる姿が愛しい。
僕だけのものでいてくれることが嬉しい。
わたしだけのバルと言ってくれることが幸せ。
「死ぬまで一緒だ」
「あ、あ、おっく……っ…や、、」
一層深く突き入れて、僕の存在をこれでもかと体と心に染み込ませていく。
誰にも触れない、誰にも味わうことの出来ない僕だけの温かい場所。
ここを蹂躙して精を放てるのは僕だけ。
僕だけのナディア。
「愛してる」
今夜もまた甘い啼き声を飲み込んで、他の者には不可侵の場所へと己の独占欲を流し込んでいく。
「…王家に貴賓として招かれる方が……おひとりだったのですか?」
いくら警備が厳重とされる王城でも、他国の王族がひとりで出歩くなどありえない。
「そこは王族と準ずる者しか出入りが許されない場所なの。だから安全を保証されているも同然だから…とお思いになったのでしょうね。実際、わたくしもひとりで赴くわ。入り口に護衛を残してはいるけれど」
「では、その方も…」
「ひとりになりたいからと入り口に待機させていた。そこに見計らったかのように…いえ、実際に見計らったのでしょう、少女…コーレス夫人が現れ、気安い語り口につい気を許してしまった。それから少し時間が経った時、唇を重ねられ、液体を流し込まれて飲み込んでしまった」
「…それが……媚薬…?」
「そう…しかもかなり強力で、即効性のあるものだったらしいわ。お心を弱らせていたその方は、少女ひとりに抗うことも出来ずにされるがままとなり、戻りが遅いことを心配した護衛が駆け付けた時には…既に事が済んでいた」
ここでふと王弟の現在を思い出した。
僕の記憶が正しければ……
「プリシラ様…王弟は今……」
「表向きは離宮で療養している事になっているけれど…実際は北の塔に幽閉されているわ」
北の塔…
確か、重犯罪を犯した貴族が投獄されると噂される、過酷な気候の土地に孤独にそそり立つ場所。
「夫人に襲われたそのお方の心は打ち砕かれ、与えられていた客室で自害を試みられた。発見が早く一命は取り留めたけれど、事態を重く見た祖父に…先代の国王によって叔父は幽閉されたの」
少し疲れた様子を見せるプリシラ様に、ジェイマンが淹れたての紅茶を差し出した。
ありがとう…と向ける視線はやはり穏やかで、対するジェイマンもいつも以上に優しい眼差しをしている。
新しい紅茶を口に含んだプリシラ様は、ふぅ…と小さく息を吐いて話を続けた。
「叔父という後ろ楯を失ったコーレス夫人は、婚約者が監視するという形で無罪放免となった」
「そんな…その時に処罰を与えていれば……」
不敬にも僕の怒りを含んだ言葉に、プリシラ様は申し訳なさそうに笑みを見せ…
「勿論、そういった声もあがったわ。ただ…そのお方は王族とは言え、あまりよくない環境でお暮らしになっていたお方でね…王族にも関わらず、隙を見せて年若い娘に媚薬を盛られ襲われたなどと知られれば、むしろそのお方の命が危ぶまれると…そう申し出てきたの」
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「このまま何事も無かったことにしたい…子種も断たれているから妊娠の心配もないと」
子種を断たれた王族…その闇に、思わずその人の境遇を思って苦しくなった。
「男爵の元に返されたコーレス夫人は、相も変わらずに周囲を巻き込んで問題ばかりを起こし…けれどその時々で力を持つ貴族と繋がっていたこともあって、なかなか裁けなかった」
ここで、不意に沸き上がった疑問が脳裏をかすめて体を震わせる…恐怖ではなく、怒りから…
「プリシラ様…まさか……ビノワは…」
「おそらく貴方の想像通りね」
「そんなっ…彼は……っ…」
問題ばかり起こす婚約者でも誠実に向き合おうと務め、妻となっても、母となっても苦しめられるばかりなのに…ビノワはいつだって穏やかに笑っていて…
『大して金もない男爵家に嫁いでくれるだけ有難いと思ってる。可愛い息子も生んでくれた』
そう言って笑っていたのに……
「酷い言い方だけれど…貴方という標的を全力で追い掛けるためには邪魔になったんでしょうね」
「……そんな………」
「そしてこれから話すことが今日の本題でもあるのだけど…バルティス・モリス子爵、貴方に頼みたいことがあるの」
ビノワの死が僕のせいだった事にショックを受けていたが、突如変わったプリシラ様の口調に姿勢を正し直し向き合う。
「ビノワ・コーレスが何故死に至ったのか…誰の策略でその命を落とすことになったのか、もう目星はついているわ。その上で、貴方に協力を仰ぎたいの」
「……協力ですか…?」
「今はまだ、貴方に深く関係している事由が見受けられる…とだけしか言えないけれど、それらの手柄を貴方のものとして提出し、それを元に陞爵の手続きをとるわ」
******
帰宅したナディアに夕食までの時間を私室で過ごそうと誘い、部屋着に着替えている間にお茶とお菓子を用意させていると、支度を終えたナディアが些か不機嫌な様子で戻ってきた。
その理由に思い当たることはある。
「改めておかえり、ナディア」
「……ただいま、バルト」
プリシラ様が帰ろうとするところで丁度ナディアがお茶会から戻り、まさかのプリシラ様の姿にナディアは目を真ん丸にして驚いてしまい、緊張から固まってしまった。
『貴女は本当に可愛らしいわ』
そう言って頬をするりと撫でられたことで緊張が頂点に達し、茹でられたように赤く頬を染めてふらりとよろめき、慌てて抱きとめた。
ナディアとの繋がりはまだ話すつもりはないから黙っていてほしいと言われており、その言葉に僕とジェイマンは了承している。
「心配してわざわざお越しくださるなんて、プリシラ様は本当にお優しいのね」
プリシラ様の来訪は、件の裁判からの影響を心配しての事とナディアには伝えた。
「前もっていらっしゃると分かっていれば、わたしもご一緒したのに」
ぷくっと頬を膨らませる様子に愛しさが込み上げてきて、ナディアを傷付けさせることは決してしないと強く思いを改め、ぷりぷりと不貞腐れている愛しい存在を抱き締めた。
そして、ナディアの髪からふわりと香る優しい香油の匂いに、つい下半身が熱くなってしまった。
「怒らないで。また来てくださるって約束してくれていたじゃないか」
「…それはそうだけど…バル…くすぐったいわ」
顔やら首筋やらに口付けていたら、クスクス笑いながら逃げようとする。
「こら、逃げちゃダメ」
「だって…やっ、そこ…やめ…っ……」
あまりにも本気で逃げようとするからムッとしてしまい、普段は見えないところにしか付けない痕をこれみよがしにつけてやろうと、首筋を思いきり強く吸って大きな痕をくっきりつけてやった。
「ちょ…ん……っ、、」
「───ついた、大きいやつ」
「もうっ!!だめって言ったのに!!」
「大丈夫だよ、髪をおろせばギリギリ見えない」
「……本当に?」
見える。何をどうしてもバッチリ見える。
なにも言わずニコッと笑うだけに留めると、耳まで真っ赤にしながらポカポカと叩いてくるが痛くも痒くもない。
騎士団をやめたとはいえ、毎日鍛練することは欠かしていないから体型も変わらずだ。
そして、そんな僕の体をナディアはいつも楽しそうにペタペタと触る。
「…………ねぇ、バル」
「なぁに?」
叩くのをやめてぽすっと胸に凭れてきたのを抱き締めると、少し言い淀んでから顔をあげて上目遣いを向けてきた。
おねだりだろうか。
この目をされると何も断れない。
「騎士団……本当に辞めてよかったの…?」
「よかったよ。これからは領地運営に力を入れたかったし、ナディアの傍にもいられるしいいことづくめだ」
「本当の本当に?」
「本当の本当に」
でも…と尚も言い募ろうとするするナディアの口を塞いで、すかさず舌を差し込み一頻り蹂躙してから唇を離すと、すっかり頬を上気させている。
卑怯だけれど、黙らせるには一番効果的だ。
あれからすぐに騎士団をやめたことを、ナディアはずっと気にしている。
昔から夢だったことを熱く語ったことも多々あるし、実際になれたことを大喜びして盛大に祝ってもらったりもしたから、それも仕方ないのかもしれないけれど。
かと言って諦めたというわけじゃない。
「騎士であることは、必ず騎士団に属している必要はいって教わったんだ」
勿論、騎士団が花形の職業であることに変わりはないが、騎士とはその心構えなのだと教えてくれた人がいる。
「僕の腕は二本しかないからね。守れる数も限られているし、ナディアだけの騎士でいたい」
僕のその言葉に、ナディアは目を輝かせた。
「わたしだけの…騎士様……?」
「そうだよ、君だけの騎士」
だから愛し合おう…と押し倒すと、いつもなら夕食前なのにと小さく(無駄な)抵抗をするのに、一切の抵抗を見せずにされるがまま。
「わたしだけの騎士様…」
「そうだね」
ぽやんとしながら『わたしだけの騎士様』と繰り返すナディアの部屋着をいそいそと脱がし、自分のものもさっさと取っ払い、未だ夢見心地でいるナディアに相槌を打ちながら愛撫を施すと、あっと言う間に受け入れ体制が整った。
「…バルは……わたしだけのもの……」
「そうだよ、だからひとつになろうね」
「うん、え……あっ、、あぁんっ……!!」
グイッと足を押し広げたことで現実に戻ってきてしまったけれど、一気に貫き手加減なしに穿てば一瞬で快感の波に飲み込まれていった。
ひたすら甘く啼く姿が可愛い。
僕の下で涙を流してよがる姿が愛しい。
僕だけのものでいてくれることが嬉しい。
わたしだけのバルと言ってくれることが幸せ。
「死ぬまで一緒だ」
「あ、あ、おっく……っ…や、、」
一層深く突き入れて、僕の存在をこれでもかと体と心に染み込ませていく。
誰にも触れない、誰にも味わうことの出来ない僕だけの温かい場所。
ここを蹂躙して精を放てるのは僕だけ。
僕だけのナディア。
「愛してる」
今夜もまた甘い啼き声を飲み込んで、他の者には不可侵の場所へと己の独占欲を流し込んでいく。
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