(完結)ヤンデルフタリ

Ringo

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5・手放せない温もり

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※R18要素濃い目。
苦手な方は読み飛ばしてください。


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「…………ん…」


のんびり湯に浸かり、さっぱりと身を清め終えて共に寝台に寝転んでから暫くして、腕の中にいるアドリアーナが身動いだ。

たまらず口付けると、嬉しそうにはにかんで頬を胸に押し付けてくる動作が可愛くて仕方ない。

予定より二年遅れて挙げた結婚式でのアドリアーナの姿は、目を閉じれば瞼裏へ鮮明に映る。

けれどそれを思い浮かべると同時に、式の準備が始まる直前まで愛し合っていたことも思い起こされてしまい、もうダメだと言いながらも必死でしがみついてきていた姿も浮かんでしまう。

初めて繋がってからほぼ皆無と言っていいほどに部屋から出さずにいたのに、久し振りの顔出しが数百名に見られる結婚式。

肌の露出があるからと侍女達に諌められて、所有印をつけることを禁止され…それなのに日を追うごとに磨きあげられていく様子に嫉妬で狂いそうになり、絶対に見えない場所なのだからと言い訳をして柔らかな太股に無数の所有印をつけた。

それでも美しすぎるアドリアーナを人前に出すことがいやで、当日を迎えても深く愛し合いたい想いを抑えきれず、侍女達の「これ以上は待てません!」との声と共に押し入られるまで繋がり続け、その瞬間までこれでもかという量の白濁をアドリアーナの中に注ぎ続けた。

さすがに膣内から侍女が掻き出すことは出来ず、それをするために触れれば抑えられないとごねる俺は役目を放棄した為、式の最中やパレードの道中で、幾度となくアドリアーナが頬を染める事態となってしまったのだが、その姿に俺の心は歓喜に震えていた。

クライマックスのダンス披露の時には、漏れ伝う感覚に耐えきれなくなったアドリアーナを抱えるようにして躍り、新婚だからと言い訳をして直ぐ様寝室へと駆け込み、それから与えられた休日の一週間は一歩も部屋から出ることなく過ごした。


「…………アドリアーナ…」


薬の影響もあってか一向に起きる気配のない様子に些か寂しさを感じつつ、いつものように少しだけ足を持ち上げ慣れ親しんだ場所に自身を滑り込ませる。


「……はぁぁ…温かい…」


まるで湯船に浸かっているような温かさに優しく包まれ、寝ているのにも関わらず卑猥に反応してくれる事が嬉しくて堪らない。


「…ジョシュ……」


甘く名を呼ばれ、「んん……」と身動がれることで程よい刺激も与えてくる。


「アドリアーナ…愛してる……」


少しだけ小さく動いていれば、やがて自然とアドリアーナの中を白く塗り立ててしまうが、目覚めた時に繋がっていると幸せなのだと言ってくれるから、この行為をやめるつもりは毛頭ない。

寝ているから激しくは出来ないが、舌を絡ませれば条件反射のように絡み返してくれて、上下で繋がっている事への幸福感が高まる。

たまらずに強く舌を吸い、少しばかり呼吸を荒くさせてしまったところで唇を離し、そのせいで寂しそうに顔を歪ませる様子に口角はあがり、代わりにとあらゆる箇所へ所有印を施す。

いくら言われても首筋への痕付けをやめないのを見かね、ここ数年は首筋を上品なレースで覆うデザインのドレスばかり着させられている。

俺としては見せびらかしたいが、その数が病的とまで言われてしまえばアドリアーナの為に覆い隠すしかいかず…だが、首筋は勿論のこと胸元や背中まで常に繊細なレースで覆われているせいで、むしろ深く愛されている女性の象徴などと言われるようになったとかで、今では既婚女性の多くがこのデザインを身に纏っているらしい。

中には愛人まで着用する者まで現れ、そのあからさまな対抗姿勢が社交界を騒がせているとも。

俺の知ったことではない。

ただアドリアーナを愛してやまないだけ。


「……っ…ん……ジョシュ……」


うっすらと目を開けた愛しい妻の綺麗な空色の瞳はうるうると潤んでいて、薄く開けた口からは甘い吐息が漏れている。


「起こしちゃった?」

「ん…っ……へいき……ぁ……」

「まだ寝てていいよ」


ただ愛させて欲しい…緩く動きながらそう耳元で囁けば、きゅうっと締め付けられて思わず吐精しそうになり、慌てて下腹部に力を込めた。

どれだけ愛し合っても、どれだけ繋がり合っても足りない…もっともっとと求めてしまうし、可能なら四六時中アドリアーナの中に入ったままで過ごしていたい。

月のものだから、仕事だからと離れなくてはならない時間が寂しくて仕方ない。

この場所に戻れると、どんなに疲れていようと癒されるし心が落ち着く。


「気持ちいいよ…ずっと入っていたい……」


素直にそう告げれば、またきゅうっと可愛く締め付けられてつい深く差し込んでしまった。


「ぁんっ」と可愛い啼き声をあげられ、ちょっと抑えがきかなくなって少し強めに穿つも、腕の中に捕らえられたままのアドリアーナは甘い啼き声をあげるだけ。


「可愛い…好きだよ……愛してる……」


口付けと痕付けを楽しみつつ勤しみながらも緩急をつけて刺激を送り続けていると、やがて一際高い啼き声と共に強い締め付けが襲ってきて、アドリアーナが達したことが伝わってくる。

その瞬間に俺も持っていかれそうになるが、そこから少しの間続けているとさらに強い収縮が始まるのを知っているから必死で耐える。

この行為の最中アドリアーナは限界だと言うけれど、俺もその頃には限界を迎えるので丁度いい。


「……ッ…アディ……ッ…」


先端をぴったりと奥の入り口に押し付け、ちゅう…と吸い付かれる快感に身を任せて溜めに溜めた白濁を解放すれば、それは勢いよく吐き出されて更なる刺激をアドリアーナに与える…らしい。

最後の仕上げとばかりに締め上げられ、根元から吸い上げられ搾り取られていくような感覚に、全身の力が抜けていく。


「ん……きもち…ぃ…アディ……」


一滴残さずアドリアーナの中に残したい。

そんな本能からぐりぐりと腰を押し付けつつ、心地よい脱力感に襲われながらも芯を失わずに留まろうとする自身に称賛を送り、ぎゅっと抱き締め微睡みに流されていくような思考に揺られる。


「ジョシュ……」


目を閉じ眠りにつくのももう僅か先…愛しい声で名を呼ばれ、無意識に口付け「アディ…」と名を呼び返し、強く抱き締め共に眠りについた。

結婚してからというもの、夢の中でもアドリアーナと過ごしいる。

寝ても覚めても愛する人と過ごせることに幸せを感じられ、その事を伝えると『ずるい…』と頬を膨らませて拗ねさせてしまったこともある。


『わたしだって夢の中でもジョシュと過ごしたいのに…ジョシュだけずるいわ』


なんとも可愛い罵倒をされ、ごめんね…と謝りながら組み敷いたのも数えきれない。

溺れている…依存している。

だけどそれでいい。

俺が愛し抜くのはアドリアーナ唯ひとり。

名を呼ぶのも唯ひとり。

触れるのも唯ひとり。





それがいい。







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