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0・ジョシュアside
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「俺は認めません!」
「貴方の意見など求めていないわ」
父である国王陛下の執務室…その隣に設けられている私用の為の応接室で、久しぶりに会う大叔母に声を荒げた。
「婚約解消なんて…そんなの……」
「貴方自身の行いが生んだ結果よ」
大叔母と言っても年はまだ若く、まだ五十に差し掛かったばかり。見た目の若さも発言力も未だ社交界に多大なる影響を及ぼす存在の大叔母は、此度の問題を解決するために動いた。
「あれほどの相手がいながら不貞など…穢らわしいったらないわ。アドリアーナの何が不満だったと言うの?いっそ除籍した上で追放してもらいたいくらいよ」
「叔母上…それはさすがに……」
「あら、貴方も不貞を容認するの?それとも既にそういったお相手がいるのかしら?」
「そんな相手などおりません!」
大叔母の言葉に父上は慌てて言葉を返し、ここぞとばかりに母上の腰をピタリと抱き寄せた。
父上の愛妻ぶりの様子は、他国にまで及んでいるらしい…だからこそ愛人の噂どころか気配すら感じたこともないが、大叔母が「いる」と言えばそれが真実として広がってしまう。
その影響力を甥として嫌と言うほど分かっている父上は、慌てたまま「絶対にあり得ない!」と母上に愛を囁く始末。
そんな父上に向けられる母上の視線は、これ以上にないほど優しく…愛に満ち溢れている。
そんな関係性を…俺も持っていた。
「あの女は隣国の侯爵家に送ります」
「そうですか…」
「あら?気にならないの?どんな家だとか、どんな男に嫁がせるのかとか」
「……特に」
正直、もうどうでもいいと思っている。
熱に浮かされたように夢中になっていたことが嘘のように、一切の感情が沸かない。
「実は他の男達と通じていたと知った途端にそんな風になるなら、最初からあの手の女など相手にすべきではないわ」
返す言葉もない。
「どう見ても男慣れしているし、媚びるような目付きと纏わりつく所作…どれひとつを取っても場末の娼婦並みよ。そんな女を側妃に迎え入れ、もしかするとアドリアーナよりも早く子を儲けるつもりでいたなんて…吐き気がする」
何も言い返せない。
ただ、話し合いの冒頭で渡された書類にチラリと視線を向けると、大叔母の深く長い溜め息が聞こえてきた。
「証拠や証言は確かよ」
「…疑ってなどおりません」
「どうだか」
大叔母の息がかかった者達からあげられた報告書には、リアナが関係を持っていた男性の名前や職業と年齢、貴族であれば家名と爵位が細かく記載されており、ひとりにつき何度関係を持ったのかまで報告されている。
相手の人数は優に百を超えており、中には複数で事に及んだ事や日に何人も相手したことなど、どのように調べたのか不思議に思うものまで揃っていて、最後の頁には俺との逢瀬の回数や場所、そこで何が行われていたのかも記されていた。
アドリアーナとの時間さえ守っていればと…特に隠すこともなく逢瀬を繰り返していたから、調べられるまでもなく俺との関係は広く知られていることは分かっている。
そして何より驚いたのは……
「数度の妊娠と堕胎…最後の妊娠の相手はわたくしの孫アレンだなんて、忌々しい。あなたもアレンも、揃いも揃って新たに子を宿せるかも分からないような腹の女に、むしろ積極的に自分の子を身籠らせようとするなど」
「……アレンの婚約は…」
「無論、解消です…と言いたいところだけど、悲しいことにお相手のご令嬢がアレンとどうしても結ばれたいと言うものだから、今回だけと話しました。幸いなことに子は流してますし」
その子供を俺の子として産むつもりだったとの文言に、覚えたのは怒りだけ。
思えばおかしな点だらけだ。
まるで経験はないと言っていたのに、出会ったその日から甘えるようにしなだれ、さりげなく接触してきてはこちらの欲を煽ってきていた。
一線だけは越えぬと辛うじて耐えていたものの、自覚し始めた熱を解消するために積極的に…なんの躊躇もせずに手に取っては慣れたように扱き、すんなりと口に咥えては舐めすぼり、吐き出したものもなんの抵抗も見せずに飲み干した。
よく考えれば娼婦そのものじゃないか。
そんな女を可憐だなんだと言っては囲っていた自分が情けない。
アドリアーナが倒れたあの日…大切にしていたはずの婚約者の目の前で、あろうことかその痴態を繰り広げた。
あの女を似た名前で呼んでいたことも、あの女の奉仕に喜んで身を任せていたことも、噂だけではなく実際に突きつけた。
力なく横たわる婚約者に近寄ろうとして、控えていた侍女と護衛に睨まれながら阻まれ…指一本触れられぬまま見送るしかなかった。
「今さら悔やんでも遅いわ」
そして俺に突きつけられた現実。
一年後に控えていた結婚式は白紙になり、新しい婚約者候補が既に用意されている。
「顔合わせは来週から始めます」
十五人の女性との顔合わせを、二日おきに予定されているらしい。
下は十歳から上は二十四歳…未成年の数人はともかく、既に成人している令嬢達は何かと事情を抱えている人物であることを、俺でも知っている。
「正妃と側妃、気に入れば愛妾もまとめて決めてしまいなさい」
「愛人など…」
「どの口が」
言い返せない。
実際、男遊びに狂っている相手を純情だと思い込み、愛妾どころか側妃として迎え入れ、願わくば後継者を生んでもらっていいなどと本気で思って口にしていたんだ。
けれど…
「……アドリアーナを愛しています」
女の体と手技に溺れながらも、決して失っていいとは思わなかった。
アドリアーナとは必ず結婚し、共に国を守り導いていきたいと…けれど欲に溺れた、それはまごうことなき事実だ。
「…それならば初めから裏切るような真似はしないでおくべきだったわね。アドリアーナは王族に嫁ぐ者として表向き許容しているように見せていただけで、本心では一夫一妻を望んでいたことくらい愚かな貴方でも分かっていたでしょうに」
分かっていた…叶えてやるつもりでいた……
「それなのに貴方は、長年子が出来ずに悩む立場では無いにも関わらず、欲の赴くままに娼婦モドキに飼い慣らされ、機会さえあれば奔放に子種を撒き散らそうとした」
「撒き散らすなど…」
「誰の子か分からない種を何度も宿すような女を本気で相手にしておいて、よく言うわ。父親に似たのは容姿だけだったのね」
その言葉に、かつてアドリアーナから言われた言葉が次々に甦ってくる。
王太子の妃となる者としてではなく、アドリアーナ個人の想いなのだと前置きした上で、思い描く理想の夫婦像を語っていた。
その理想となるのは公爵夫妻が筆頭であり、次いで俺の両親。
どちらも、脇目をチラリとも振ることなく妻だけをひたすらに愛し守り抜いている。
「お父様のようにだけはならないでちょうだい」
その言葉を残し、大叔母は颯爽と…婚約解消の為に揃えられた書類を持って、応接室から出ていってしまった。
大叔母の父親…俺にとっては曾祖父にあたる前々国王は、未だ語られる色欲にまみれた王だ。
正妃として迎えた曾祖母を愛しながらも、多くの愛人を抱えて乱れた性生活を送っていた曾祖父。
側妃こそ娶らなかったものの、立場を与えない女性を多く囲い、薬を使い愛人との子作りまで調整させていたことは有名な話。
妻はあくまでも正妃ただひとり。
けれど好みの女性がいれば囲わずにはおられず、無作為に子を作ることだけは避けて薬を常用させていた。
中でも見目の良い女性数人に子を儲けさせ、継承権こそ放棄させたが潤沢な資金を援助し続けたことで、幾度となく曾祖母が過労のために倒れたとも聞き及んでいる。
その原因は、きっと心労が大きかったはず。
幼い頃からの婚約者であった曾祖父のことを、傷付きながらも愛し続ける姿は…幼いながらも心を痛めるものだった。
それなのに……
「…俺がしたことは、曾祖父と同じだ」
愛してしまったのだから仕方ないと…夢中なのだから許せと…一番愛して守らなければならない相手の心を傷付け、打ち砕いた。
けれど……
「父上…顔合わせは……大叔母上の働きかけもありますので全て対応致します。ですが…今さら何をと言われるかと思いますが、俺はアドリアーナとしか結婚したくありません。アドリアーナ以外の女性と子を儲けるつもりもありません。お会いするご令嬢達にも正直にそう申し上げます。その上で…もう一度…もう一度だけアドリアーナに婚約を申し込みたい。たとえ目覚めるまで何年かかろうとも、たとえ目覚めなかろうとも…もう二度と、アドリアーナ以外の女性の手は取らない」
「…ジョシュア、それは────」
「その為に除籍や廃嫡が必要であればそうしてください。平民となってはきっと公爵の許可などおりないでしょう。それならば…アドリアーナが暮らす街の騎士となります」
アドリアーナの平穏が守れるのなら…たとえ夫婦として添い遂げられなくとも構わない。
ただひとつ。
願わくば、君の近くで息絶えたい。
それから半年後。
目を覚ましたとの報告を受け、呆れる大叔母の視線を流して公爵へと直談判を繰り返した。
時折体に熱を持つこともあるが、女性の手はひとつとして借りていない。
達するために思い浮かぶのも、慣れ親しんでいたはずの女ではなく、軽く口付けたことがあるだけのアドリアーナ。
ただ触れたい、もう一度笑顔が見たい。
王宮に出仕してくるたびに公爵の元へ押し掛けること半年、話してみるだけなら…との返事を貰うことが出来た。
「アドリアーナ」
君に名を呼んでほしい。
「貴方の意見など求めていないわ」
父である国王陛下の執務室…その隣に設けられている私用の為の応接室で、久しぶりに会う大叔母に声を荒げた。
「婚約解消なんて…そんなの……」
「貴方自身の行いが生んだ結果よ」
大叔母と言っても年はまだ若く、まだ五十に差し掛かったばかり。見た目の若さも発言力も未だ社交界に多大なる影響を及ぼす存在の大叔母は、此度の問題を解決するために動いた。
「あれほどの相手がいながら不貞など…穢らわしいったらないわ。アドリアーナの何が不満だったと言うの?いっそ除籍した上で追放してもらいたいくらいよ」
「叔母上…それはさすがに……」
「あら、貴方も不貞を容認するの?それとも既にそういったお相手がいるのかしら?」
「そんな相手などおりません!」
大叔母の言葉に父上は慌てて言葉を返し、ここぞとばかりに母上の腰をピタリと抱き寄せた。
父上の愛妻ぶりの様子は、他国にまで及んでいるらしい…だからこそ愛人の噂どころか気配すら感じたこともないが、大叔母が「いる」と言えばそれが真実として広がってしまう。
その影響力を甥として嫌と言うほど分かっている父上は、慌てたまま「絶対にあり得ない!」と母上に愛を囁く始末。
そんな父上に向けられる母上の視線は、これ以上にないほど優しく…愛に満ち溢れている。
そんな関係性を…俺も持っていた。
「あの女は隣国の侯爵家に送ります」
「そうですか…」
「あら?気にならないの?どんな家だとか、どんな男に嫁がせるのかとか」
「……特に」
正直、もうどうでもいいと思っている。
熱に浮かされたように夢中になっていたことが嘘のように、一切の感情が沸かない。
「実は他の男達と通じていたと知った途端にそんな風になるなら、最初からあの手の女など相手にすべきではないわ」
返す言葉もない。
「どう見ても男慣れしているし、媚びるような目付きと纏わりつく所作…どれひとつを取っても場末の娼婦並みよ。そんな女を側妃に迎え入れ、もしかするとアドリアーナよりも早く子を儲けるつもりでいたなんて…吐き気がする」
何も言い返せない。
ただ、話し合いの冒頭で渡された書類にチラリと視線を向けると、大叔母の深く長い溜め息が聞こえてきた。
「証拠や証言は確かよ」
「…疑ってなどおりません」
「どうだか」
大叔母の息がかかった者達からあげられた報告書には、リアナが関係を持っていた男性の名前や職業と年齢、貴族であれば家名と爵位が細かく記載されており、ひとりにつき何度関係を持ったのかまで報告されている。
相手の人数は優に百を超えており、中には複数で事に及んだ事や日に何人も相手したことなど、どのように調べたのか不思議に思うものまで揃っていて、最後の頁には俺との逢瀬の回数や場所、そこで何が行われていたのかも記されていた。
アドリアーナとの時間さえ守っていればと…特に隠すこともなく逢瀬を繰り返していたから、調べられるまでもなく俺との関係は広く知られていることは分かっている。
そして何より驚いたのは……
「数度の妊娠と堕胎…最後の妊娠の相手はわたくしの孫アレンだなんて、忌々しい。あなたもアレンも、揃いも揃って新たに子を宿せるかも分からないような腹の女に、むしろ積極的に自分の子を身籠らせようとするなど」
「……アレンの婚約は…」
「無論、解消です…と言いたいところだけど、悲しいことにお相手のご令嬢がアレンとどうしても結ばれたいと言うものだから、今回だけと話しました。幸いなことに子は流してますし」
その子供を俺の子として産むつもりだったとの文言に、覚えたのは怒りだけ。
思えばおかしな点だらけだ。
まるで経験はないと言っていたのに、出会ったその日から甘えるようにしなだれ、さりげなく接触してきてはこちらの欲を煽ってきていた。
一線だけは越えぬと辛うじて耐えていたものの、自覚し始めた熱を解消するために積極的に…なんの躊躇もせずに手に取っては慣れたように扱き、すんなりと口に咥えては舐めすぼり、吐き出したものもなんの抵抗も見せずに飲み干した。
よく考えれば娼婦そのものじゃないか。
そんな女を可憐だなんだと言っては囲っていた自分が情けない。
アドリアーナが倒れたあの日…大切にしていたはずの婚約者の目の前で、あろうことかその痴態を繰り広げた。
あの女を似た名前で呼んでいたことも、あの女の奉仕に喜んで身を任せていたことも、噂だけではなく実際に突きつけた。
力なく横たわる婚約者に近寄ろうとして、控えていた侍女と護衛に睨まれながら阻まれ…指一本触れられぬまま見送るしかなかった。
「今さら悔やんでも遅いわ」
そして俺に突きつけられた現実。
一年後に控えていた結婚式は白紙になり、新しい婚約者候補が既に用意されている。
「顔合わせは来週から始めます」
十五人の女性との顔合わせを、二日おきに予定されているらしい。
下は十歳から上は二十四歳…未成年の数人はともかく、既に成人している令嬢達は何かと事情を抱えている人物であることを、俺でも知っている。
「正妃と側妃、気に入れば愛妾もまとめて決めてしまいなさい」
「愛人など…」
「どの口が」
言い返せない。
実際、男遊びに狂っている相手を純情だと思い込み、愛妾どころか側妃として迎え入れ、願わくば後継者を生んでもらっていいなどと本気で思って口にしていたんだ。
けれど…
「……アドリアーナを愛しています」
女の体と手技に溺れながらも、決して失っていいとは思わなかった。
アドリアーナとは必ず結婚し、共に国を守り導いていきたいと…けれど欲に溺れた、それはまごうことなき事実だ。
「…それならば初めから裏切るような真似はしないでおくべきだったわね。アドリアーナは王族に嫁ぐ者として表向き許容しているように見せていただけで、本心では一夫一妻を望んでいたことくらい愚かな貴方でも分かっていたでしょうに」
分かっていた…叶えてやるつもりでいた……
「それなのに貴方は、長年子が出来ずに悩む立場では無いにも関わらず、欲の赴くままに娼婦モドキに飼い慣らされ、機会さえあれば奔放に子種を撒き散らそうとした」
「撒き散らすなど…」
「誰の子か分からない種を何度も宿すような女を本気で相手にしておいて、よく言うわ。父親に似たのは容姿だけだったのね」
その言葉に、かつてアドリアーナから言われた言葉が次々に甦ってくる。
王太子の妃となる者としてではなく、アドリアーナ個人の想いなのだと前置きした上で、思い描く理想の夫婦像を語っていた。
その理想となるのは公爵夫妻が筆頭であり、次いで俺の両親。
どちらも、脇目をチラリとも振ることなく妻だけをひたすらに愛し守り抜いている。
「お父様のようにだけはならないでちょうだい」
その言葉を残し、大叔母は颯爽と…婚約解消の為に揃えられた書類を持って、応接室から出ていってしまった。
大叔母の父親…俺にとっては曾祖父にあたる前々国王は、未だ語られる色欲にまみれた王だ。
正妃として迎えた曾祖母を愛しながらも、多くの愛人を抱えて乱れた性生活を送っていた曾祖父。
側妃こそ娶らなかったものの、立場を与えない女性を多く囲い、薬を使い愛人との子作りまで調整させていたことは有名な話。
妻はあくまでも正妃ただひとり。
けれど好みの女性がいれば囲わずにはおられず、無作為に子を作ることだけは避けて薬を常用させていた。
中でも見目の良い女性数人に子を儲けさせ、継承権こそ放棄させたが潤沢な資金を援助し続けたことで、幾度となく曾祖母が過労のために倒れたとも聞き及んでいる。
その原因は、きっと心労が大きかったはず。
幼い頃からの婚約者であった曾祖父のことを、傷付きながらも愛し続ける姿は…幼いながらも心を痛めるものだった。
それなのに……
「…俺がしたことは、曾祖父と同じだ」
愛してしまったのだから仕方ないと…夢中なのだから許せと…一番愛して守らなければならない相手の心を傷付け、打ち砕いた。
けれど……
「父上…顔合わせは……大叔母上の働きかけもありますので全て対応致します。ですが…今さら何をと言われるかと思いますが、俺はアドリアーナとしか結婚したくありません。アドリアーナ以外の女性と子を儲けるつもりもありません。お会いするご令嬢達にも正直にそう申し上げます。その上で…もう一度…もう一度だけアドリアーナに婚約を申し込みたい。たとえ目覚めるまで何年かかろうとも、たとえ目覚めなかろうとも…もう二度と、アドリアーナ以外の女性の手は取らない」
「…ジョシュア、それは────」
「その為に除籍や廃嫡が必要であればそうしてください。平民となってはきっと公爵の許可などおりないでしょう。それならば…アドリアーナが暮らす街の騎士となります」
アドリアーナの平穏が守れるのなら…たとえ夫婦として添い遂げられなくとも構わない。
ただひとつ。
願わくば、君の近くで息絶えたい。
それから半年後。
目を覚ましたとの報告を受け、呆れる大叔母の視線を流して公爵へと直談判を繰り返した。
時折体に熱を持つこともあるが、女性の手はひとつとして借りていない。
達するために思い浮かぶのも、慣れ親しんでいたはずの女ではなく、軽く口付けたことがあるだけのアドリアーナ。
ただ触れたい、もう一度笑顔が見たい。
王宮に出仕してくるたびに公爵の元へ押し掛けること半年、話してみるだけなら…との返事を貰うことが出来た。
「アドリアーナ」
君に名を呼んでほしい。
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