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◇式前30日の記録
8.スパラッシュ、捕縛への道⑴
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【結婚式まで 16日前】
「すみません。わたくし女神様の眷族の者でございますが、リリア様にお目通り願いたく参りました」
警護に門に立つ男に声を掛ける。
「え.........あ.........はい。え?」
「リリア様にお目通り願いたく.........」
「リ、リリア様.........に。はい、え?可愛い.........」
「? あの.........、シューマ様はいらっしゃいますか?」
「シューマ様?テオルド様の側近のシューマ様ですか?はい.........あ、少々お待ち下さい!」
「.........良かった。お家間違えたかと思いました。」ニコッ
「はわっ!か、可愛い.........」
そこに立つ女性は可憐な笑顔で笑い掛けた。
はわ~と顔を赤らめる警備の男達。
「おい、お前呼びに行って来いよ。俺はその間お客様を退屈させない様にお話ししとくから」
「お前!ふざけんな!お前が行けよ!その役は俺がする!」
「はあ?口下手なお前に務まる訳無いだろが!俺の巧みな話術で......... 」
「煩い!お前が行けよ!」
「ああ?やんのかコラ!」
「ああ!やってやるよ!」
「.................」
門の前で何故か醜い乱闘が始まってしまった。
「.................困りましたわね。入れて頂けないのですか?」
門の前で立ち尽くす小柄な女性。
「おい!何やってんだ?やめろやめろ!」
その時、男達の後から1人の堅いの良い長身の騎士が歩いて来る。金の髪の歳は30程の髭を生やした美丈夫だ。ちょうど護衛の交代の時間で今から宿舎に戻る途中であった。
「あ!トーザさん!こいつが!」
「お前が先に喧嘩売って来たんだろが!」
「お前らな、警備になって無いだろ!しっかりしろ!なんで喧嘩なんか......... 」
「...........トーザ.........ああ、あの時の」
「ん?」
トーザは門を隔てた柵の向こう側を見る。そこには珍しい髪の色をした小柄な女性が居た。
「トーザ様。お久しぶりでございます。わたくしリリア様にお目通りしたいのですが、許可を頂けませんか?」
トーザは一瞬ポカンとするが、首を捻りながら門に近づいて行った。
「ん?え?俺を知ってる?君.........誰?か、可愛い!俺にこんな可愛い人知り合いは居ないんだけど.........って、リリア様?」
小柄で珍しい髪色のかなり可愛い顔をした女性がニコリと笑いながらトーザに話し掛ける。
「覚えておられませんか?わたくしあの日リリア様と共にお会いしました.........スパラッシュと申します」
************
公爵家屋敷 応接室
3人掛けのソファに向かい合い座るシューマと女性。
「えー.........っと。スパラッシュ.........さん?」
困惑を隠し切れないシューマ。それはもう仕方がない。あの日戦闘の最中に目にしていたスパラッシュは.........人間では無かった。
「はい。お久しぶりでございます、シューマ様。お会いしとうございました。あの日わたくしを助けて頂き本当に有難うございました。どうにかお礼を述べたく、女神様にお願いを致しまして。この様な姿に変えて頂きました。.........ご迷惑でしたでしょうか?」
姿に似合わず凛とした声質が応接室に響く。
スパラッシュと名乗る女性。
どう見ても人.........人間の姿をしていた。
しかも.........
薄いピンクがかった銀髪でクルンと内側にカールしている。柔らかそうな綺麗な髪だ。
服装は派手では無いが質の良い紺色の大人し目のワンピースを着ていた、身長はリリアと同じくらいで小柄だ。紫色の少し垂れ気味だが大きい目が煌めいていた。
10人中10人が可愛いと言うだろう人形のような姿をしている。
だが、その正体は
.................あの日共闘した虹色蜘蛛だと言う。
「すみません。わたくし女神様の眷族の者でございますが、リリア様にお目通り願いたく参りました」
警護に門に立つ男に声を掛ける。
「え.........あ.........はい。え?」
「リリア様にお目通り願いたく.........」
「リ、リリア様.........に。はい、え?可愛い.........」
「? あの.........、シューマ様はいらっしゃいますか?」
「シューマ様?テオルド様の側近のシューマ様ですか?はい.........あ、少々お待ち下さい!」
「.........良かった。お家間違えたかと思いました。」ニコッ
「はわっ!か、可愛い.........」
そこに立つ女性は可憐な笑顔で笑い掛けた。
はわ~と顔を赤らめる警備の男達。
「おい、お前呼びに行って来いよ。俺はその間お客様を退屈させない様にお話ししとくから」
「お前!ふざけんな!お前が行けよ!その役は俺がする!」
「はあ?口下手なお前に務まる訳無いだろが!俺の巧みな話術で......... 」
「煩い!お前が行けよ!」
「ああ?やんのかコラ!」
「ああ!やってやるよ!」
「.................」
門の前で何故か醜い乱闘が始まってしまった。
「.................困りましたわね。入れて頂けないのですか?」
門の前で立ち尽くす小柄な女性。
「おい!何やってんだ?やめろやめろ!」
その時、男達の後から1人の堅いの良い長身の騎士が歩いて来る。金の髪の歳は30程の髭を生やした美丈夫だ。ちょうど護衛の交代の時間で今から宿舎に戻る途中であった。
「あ!トーザさん!こいつが!」
「お前が先に喧嘩売って来たんだろが!」
「お前らな、警備になって無いだろ!しっかりしろ!なんで喧嘩なんか......... 」
「...........トーザ.........ああ、あの時の」
「ん?」
トーザは門を隔てた柵の向こう側を見る。そこには珍しい髪の色をした小柄な女性が居た。
「トーザ様。お久しぶりでございます。わたくしリリア様にお目通りしたいのですが、許可を頂けませんか?」
トーザは一瞬ポカンとするが、首を捻りながら門に近づいて行った。
「ん?え?俺を知ってる?君.........誰?か、可愛い!俺にこんな可愛い人知り合いは居ないんだけど.........って、リリア様?」
小柄で珍しい髪色のかなり可愛い顔をした女性がニコリと笑いながらトーザに話し掛ける。
「覚えておられませんか?わたくしあの日リリア様と共にお会いしました.........スパラッシュと申します」
************
公爵家屋敷 応接室
3人掛けのソファに向かい合い座るシューマと女性。
「えー.........っと。スパラッシュ.........さん?」
困惑を隠し切れないシューマ。それはもう仕方がない。あの日戦闘の最中に目にしていたスパラッシュは.........人間では無かった。
「はい。お久しぶりでございます、シューマ様。お会いしとうございました。あの日わたくしを助けて頂き本当に有難うございました。どうにかお礼を述べたく、女神様にお願いを致しまして。この様な姿に変えて頂きました。.........ご迷惑でしたでしょうか?」
姿に似合わず凛とした声質が応接室に響く。
スパラッシュと名乗る女性。
どう見ても人.........人間の姿をしていた。
しかも.........
薄いピンクがかった銀髪でクルンと内側にカールしている。柔らかそうな綺麗な髪だ。
服装は派手では無いが質の良い紺色の大人し目のワンピースを着ていた、身長はリリアと同じくらいで小柄だ。紫色の少し垂れ気味だが大きい目が煌めいていた。
10人中10人が可愛いと言うだろう人形のような姿をしている。
だが、その正体は
.................あの日共闘した虹色蜘蛛だと言う。
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