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◇本編
8.
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この公爵家にも専属の護衛騎士団がある。テオルドも小さい頃から一緒に剣術の稽古をして来た。強いかどうか詳しく判らないけど、彼の剣捌きは綺麗だと思う。
「シューマ」
「は。テオルド様お側に」
「騎士達を数人護衛に招集してくれ。取り敢えず帯剣はするよう伝えろ」
「は.........家内で、ですか?」
「ああ。目立つな」
「賜りました」
「リリアが怯えている。何か来るぞ」
「! 承知」
シューマさんはテオルドが10歳の時に引き取られた人で、今は彼の側使いをしているの。お仕事には別の補佐の人が沢山居るよ。彼はなんて言うか.........しっかりした人。
ワタシがこの屋敷に運び込まれ手当てされ休止に一生を得たあの日。皆んながワタシを心配してくれた。
シューマさんも寝ずに看病してくれたみたい。気がついて目を開けると紺色の髪の男の子と赤毛の男の子がワタシを挟んで寝てたっけ。ふふ。懐かしい。
ワタシは全身白いシラサギ。女神様の眷族。この国では割と良く見かける。神聖な御使いは手厚くもてなされる。
でも留まっているのはワタシだけ。皆んな天界の神樹のコロニーに戻って行く。
少し寂しいけどテオルドの側が良い。
いずれ離れなければならなくなるとしても。
ココンッココンッ
その時執務室の二階の窓の外からガラスを突く音がする。クルリと首を向けると.........
ワタシと同じシラサギが窓の外に居た。
「ゴアーーー!ゴアーーー!」あー!シトランだ!
「シラサギ!!『御神託』か!」
テオルドが急いで窓を開けるとシトランはスイッと窓の中に入って来た。クチバシには葉っぱを咥えている。『御神託』だ。
「ゴア?」誰に?
「グゥ」リングライド公爵宛て
「ゴァーーーゴァッゴア」
「え?父上に?ああ。分かった。伝えて来る」
そう言ってテオルドは急いで執務室から出て行った。
『久しぶりねー?シトラン。忙しい?』
『いや、別に。信仰が薄れているからか1日2件か3件程だな。君.........太った?』
『な!なんて事言うのよ!失礼しちゃう!ちゃんと適量を食してるわよ!』
『下界に住んでると食わなくて良いモノ食わなくちゃいけない。いい加減戻ってきたらどうだ?』
『.........ダメよ。まだ.........居たいの』
『あの人間を好きなのか?』
『.........解ってるわよ。いずれは離れないといけない事は。それも遠くない未来.........』
『じゃあ、他の雌と番わないで待ってるよ』
『.........ん?ん?え?なんで?」
『そりゃ、君と番いたいからさ』
『え!!シトラン、ワタシの事好きなの?嘘!』
『知らないの君だけだからな。まあ、良いや。ちゃんと言ったからな?戻って来いよ』
『...........................』
「シューマ」
「は。テオルド様お側に」
「騎士達を数人護衛に招集してくれ。取り敢えず帯剣はするよう伝えろ」
「は.........家内で、ですか?」
「ああ。目立つな」
「賜りました」
「リリアが怯えている。何か来るぞ」
「! 承知」
シューマさんはテオルドが10歳の時に引き取られた人で、今は彼の側使いをしているの。お仕事には別の補佐の人が沢山居るよ。彼はなんて言うか.........しっかりした人。
ワタシがこの屋敷に運び込まれ手当てされ休止に一生を得たあの日。皆んながワタシを心配してくれた。
シューマさんも寝ずに看病してくれたみたい。気がついて目を開けると紺色の髪の男の子と赤毛の男の子がワタシを挟んで寝てたっけ。ふふ。懐かしい。
ワタシは全身白いシラサギ。女神様の眷族。この国では割と良く見かける。神聖な御使いは手厚くもてなされる。
でも留まっているのはワタシだけ。皆んな天界の神樹のコロニーに戻って行く。
少し寂しいけどテオルドの側が良い。
いずれ離れなければならなくなるとしても。
ココンッココンッ
その時執務室の二階の窓の外からガラスを突く音がする。クルリと首を向けると.........
ワタシと同じシラサギが窓の外に居た。
「ゴアーーー!ゴアーーー!」あー!シトランだ!
「シラサギ!!『御神託』か!」
テオルドが急いで窓を開けるとシトランはスイッと窓の中に入って来た。クチバシには葉っぱを咥えている。『御神託』だ。
「ゴア?」誰に?
「グゥ」リングライド公爵宛て
「ゴァーーーゴァッゴア」
「え?父上に?ああ。分かった。伝えて来る」
そう言ってテオルドは急いで執務室から出て行った。
『久しぶりねー?シトラン。忙しい?』
『いや、別に。信仰が薄れているからか1日2件か3件程だな。君.........太った?』
『な!なんて事言うのよ!失礼しちゃう!ちゃんと適量を食してるわよ!』
『下界に住んでると食わなくて良いモノ食わなくちゃいけない。いい加減戻ってきたらどうだ?』
『.........ダメよ。まだ.........居たいの』
『あの人間を好きなのか?』
『.........解ってるわよ。いずれは離れないといけない事は。それも遠くない未来.........』
『じゃあ、他の雌と番わないで待ってるよ』
『.........ん?ん?え?なんで?」
『そりゃ、君と番いたいからさ』
『え!!シトラン、ワタシの事好きなの?嘘!』
『知らないの君だけだからな。まあ、良いや。ちゃんと言ったからな?戻って来いよ』
『...........................』
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