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第2章 ヒューマンバトル
56話 インストール完了!
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「えっと……レベル、レベル……」
スクエはディスプレイに何レベルまでスキルがあるか確認している。
「お? レベル2までぽいな」
画面の一番したにあるスキルを確認するとレベルが2と記載されていた。
そこで、ある事が気になったスクエはノラに質問をする。
「スキルって何個まで覚えられるんだ?」
「ふむ。攻防スキルを5個と身体スキルが1個だな」
「うーん、案外少ないな……」
ノラの説明に、ますます何を選ぶか迷うスクエ。
「ちょっと、防御用のスキルも見てみるか」
スクエは挑発と記載されているスキルを確認する。
「相手を挑発させて敵視を集める……」
モーションを確認すると、人間が相手に挑発する様なポーズを取っていた。
「こ、これは俺には合わなそうだな……」
直ぐに他のスキルに目を向けるスクエ。
そして、またしてもノラに質問を投げ掛けた。
「ノラ、身体スキルって何だ?」
「身体スキルは常時発動しているスキルになるな」
「常時?」
「あぁ、有名な所で言えばアクロバットスキルを奴隷にインストールすれば、とても身軽になり、しかも、それが常に続く状態──いわば、スキルの効果がずっと発動しているって事だな」
──おいおい、そんなのアリかよ! メチャクチャしっかり選ばないとだな
ノラの説明を聞き、スクエは瞳孔が開き切っており、流石にノラも若干引いていたが、スクエは気付かず再びディスプレイの前に顔を向けてスキルを選び始めたのであった。
それから、何時間も悩み続けて、やっとの思いで攻防スキル5個と身体スキル1個を決めたスクエはノラに声を掛けた。
「ふぅ……、ノラ待たせたな」
「あぁ、本当に待ったぞ?」
朝早くから、この店に来ていた筈だが、今は既に昼を大きく回っていた。
「全く……どれだけ必死に探していたんだ」
苦笑いしながら、スクエを見るノラ。
「あ、あはは……ちょっと楽しくて、つい時間を忘れちまったわ!」
流石に待たせ過ぎた事を反省したスクエは素直にノラに謝った。
「それで、どれをインストールするんだ?」
ノラがディスプレイの所まで顔を持っていき覗き込む。
「うーん、かなり悩んだんだよな……これ選んで後悔しねぇーかなとか」
スクエは何故か少しドヤ顔でノラに説明し始めるが、そんなスクエの会話を遮るノラ。
「あぁ、先に伝えとけば、良かったな」
「ん?」
「スキルなら、また選び直せるぞ?」
「はぁ?」
スクエはどういう事かノラから話を聞くと、どうやら一度インストールしたスキルであっても、削除すれば、また新しいスキルをインストールする事が可能らしい。
「な、なんだよ……それを先に言ってくれよ」
「はは、すまない。だが、普通の奴隷は再度インストールして貰える事は無いな」
「それは、奴隷にそこまでしてやる金が勿体無いって事か?」
「あぁ、そういう事だ。まぁ、私は優しいご主人様だからな、何度も流石に無理だが新しいスキルを買ってやる」
次はノラがドヤ顔する番であった。
だが、スクエと大きな違いは、ノラの場合は綺麗な為、絵になっていた。
赤のロング髪に赤目で、普段はクールな見た目なのに、今は少し子供ぽく、そんな所がまた、ノラの魅力を引き立てている様だ。
それから、スクエの選んだスキルを買い、インストールを始める二人。
「よし、スキルを買ったから、ディスプレイのインストールボタンを押してくれ」
「ここだな」
画面の右下にあるインストールというボタンを押したスクエ。
すると、パーセント表示を表すバーの様な物が画面に表示され、時間が経つに連れてどんどん100%に近づいて行く。
そんなスクエの見た目は先程とは少し違っていた。
「なぁ、まさか、100%になるまでこのままなのか?」
「そうだが?」
さも、当たり前の様に返答するノラ。
「はぁ……早く終わってくれ……」
何故、スクエがここまで嫌がっているかと言うと、どうやらインストールする際は、頭に埋め込まれているメンタルチップにケーブルみたいなものを突き刺す必要がある様だ。
「痛くねぇーけど、頭の中にケーブルが違和感半端ないな」
早く引っこ抜きたい様子であるが、一気に6つのスキルをインストールしている所為なのか、なかなか100%にならない。
「はは、まぁ少し辛抱するんだ」
ノラは隣で笑っていた。
「そういえば、ノラは魔法を覚えなくていいのか?」
「魔法?」
「あぁ、この前みたいな事があったから、強力な魔法を覚えた方が良いんじゃないか?」
この前とはウーヴェの事件であろう。
「ふむ──まぁスクエの言う事も、最もだな……だが、今日は辞めとく」
「何でだ?」
「誰かさんにズッと待たされて流石に疲れてしまってな?」
ノラは笑いながらチラリと視線だけをスクエに向ける。
「……」
「はは、まぁそれに魔法はそんなにポンポンとインストールが出来ない」
「そうなのか?」
「あぁ──とにかく値段が高い。私の今持っている金を全部合わせても足りないくらいだろう」
ノラの言葉にスクエは驚く。
「そんな高いのかよ……」
「まぁ、そういう事だから、今日はスクエのスキルをインストールして帰ろう」
ノラの言葉と同時にパーセント表情も100%になり、インストール完了と表示される。
「よし、終わった!」
「なら、帰るぞ」
二人は店を出るのであったが、出た瞬間に事件は起きる……
スクエはディスプレイに何レベルまでスキルがあるか確認している。
「お? レベル2までぽいな」
画面の一番したにあるスキルを確認するとレベルが2と記載されていた。
そこで、ある事が気になったスクエはノラに質問をする。
「スキルって何個まで覚えられるんだ?」
「ふむ。攻防スキルを5個と身体スキルが1個だな」
「うーん、案外少ないな……」
ノラの説明に、ますます何を選ぶか迷うスクエ。
「ちょっと、防御用のスキルも見てみるか」
スクエは挑発と記載されているスキルを確認する。
「相手を挑発させて敵視を集める……」
モーションを確認すると、人間が相手に挑発する様なポーズを取っていた。
「こ、これは俺には合わなそうだな……」
直ぐに他のスキルに目を向けるスクエ。
そして、またしてもノラに質問を投げ掛けた。
「ノラ、身体スキルって何だ?」
「身体スキルは常時発動しているスキルになるな」
「常時?」
「あぁ、有名な所で言えばアクロバットスキルを奴隷にインストールすれば、とても身軽になり、しかも、それが常に続く状態──いわば、スキルの効果がずっと発動しているって事だな」
──おいおい、そんなのアリかよ! メチャクチャしっかり選ばないとだな
ノラの説明を聞き、スクエは瞳孔が開き切っており、流石にノラも若干引いていたが、スクエは気付かず再びディスプレイの前に顔を向けてスキルを選び始めたのであった。
それから、何時間も悩み続けて、やっとの思いで攻防スキル5個と身体スキル1個を決めたスクエはノラに声を掛けた。
「ふぅ……、ノラ待たせたな」
「あぁ、本当に待ったぞ?」
朝早くから、この店に来ていた筈だが、今は既に昼を大きく回っていた。
「全く……どれだけ必死に探していたんだ」
苦笑いしながら、スクエを見るノラ。
「あ、あはは……ちょっと楽しくて、つい時間を忘れちまったわ!」
流石に待たせ過ぎた事を反省したスクエは素直にノラに謝った。
「それで、どれをインストールするんだ?」
ノラがディスプレイの所まで顔を持っていき覗き込む。
「うーん、かなり悩んだんだよな……これ選んで後悔しねぇーかなとか」
スクエは何故か少しドヤ顔でノラに説明し始めるが、そんなスクエの会話を遮るノラ。
「あぁ、先に伝えとけば、良かったな」
「ん?」
「スキルなら、また選び直せるぞ?」
「はぁ?」
スクエはどういう事かノラから話を聞くと、どうやら一度インストールしたスキルであっても、削除すれば、また新しいスキルをインストールする事が可能らしい。
「な、なんだよ……それを先に言ってくれよ」
「はは、すまない。だが、普通の奴隷は再度インストールして貰える事は無いな」
「それは、奴隷にそこまでしてやる金が勿体無いって事か?」
「あぁ、そういう事だ。まぁ、私は優しいご主人様だからな、何度も流石に無理だが新しいスキルを買ってやる」
次はノラがドヤ顔する番であった。
だが、スクエと大きな違いは、ノラの場合は綺麗な為、絵になっていた。
赤のロング髪に赤目で、普段はクールな見た目なのに、今は少し子供ぽく、そんな所がまた、ノラの魅力を引き立てている様だ。
それから、スクエの選んだスキルを買い、インストールを始める二人。
「よし、スキルを買ったから、ディスプレイのインストールボタンを押してくれ」
「ここだな」
画面の右下にあるインストールというボタンを押したスクエ。
すると、パーセント表示を表すバーの様な物が画面に表示され、時間が経つに連れてどんどん100%に近づいて行く。
そんなスクエの見た目は先程とは少し違っていた。
「なぁ、まさか、100%になるまでこのままなのか?」
「そうだが?」
さも、当たり前の様に返答するノラ。
「はぁ……早く終わってくれ……」
何故、スクエがここまで嫌がっているかと言うと、どうやらインストールする際は、頭に埋め込まれているメンタルチップにケーブルみたいなものを突き刺す必要がある様だ。
「痛くねぇーけど、頭の中にケーブルが違和感半端ないな」
早く引っこ抜きたい様子であるが、一気に6つのスキルをインストールしている所為なのか、なかなか100%にならない。
「はは、まぁ少し辛抱するんだ」
ノラは隣で笑っていた。
「そういえば、ノラは魔法を覚えなくていいのか?」
「魔法?」
「あぁ、この前みたいな事があったから、強力な魔法を覚えた方が良いんじゃないか?」
この前とはウーヴェの事件であろう。
「ふむ──まぁスクエの言う事も、最もだな……だが、今日は辞めとく」
「何でだ?」
「誰かさんにズッと待たされて流石に疲れてしまってな?」
ノラは笑いながらチラリと視線だけをスクエに向ける。
「……」
「はは、まぁそれに魔法はそんなにポンポンとインストールが出来ない」
「そうなのか?」
「あぁ──とにかく値段が高い。私の今持っている金を全部合わせても足りないくらいだろう」
ノラの言葉にスクエは驚く。
「そんな高いのかよ……」
「まぁ、そういう事だから、今日はスクエのスキルをインストールして帰ろう」
ノラの言葉と同時にパーセント表情も100%になり、インストール完了と表示される。
「よし、終わった!」
「なら、帰るぞ」
二人は店を出るのであったが、出た瞬間に事件は起きる……
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