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あの、都市伝説が再び……

78話

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「ニュース見るか」

 目を覚ましたオカは直ぐにリビングに向かいテレビを着ける。
 すると、又もや被害者が出たとニュースキャスターが話していた。

「今日はプルさんじゃ無くて他の人なのか」

 評論家と専門家は昨日と同じだが、ゲストとして呼ばれている人が他の人であった。

「絶対プルさんの方が話は面白いし、美人だしテレビ受け良いと思うんだけどな……」

 オカはスマホで番組の掲示板を確認する。

「ホラー、やっぱり皆んな同じ意見なんだな」

 オカが見た掲示板には、プルを出せ的なコメントが物凄い量になっていた。

「それに、評論家もどこか張り合いが無さそうだな」

 新しいゲストに辛辣な言葉を投げ掛けるが、ゲストは全て真に受けてしまい評論家もかなり辛そうである。

「とりあえず、会社に向かうか」

 家を出たオカは電車の中でもエブダン動画でソラタを探したが、やはり見つからなかった。

「おはようございます」

 挨拶して直ぐに朝礼が始まる。

「皆んな、おはよう。また、犠牲者が出たわ。このままだと、一体どれくらいの死者が出るか分からないわね」
「えぇ。それにオカくんが言うには人間を殺す程アケミやソラタが強くなると言いますし早くどうにかしないとですね」

(プルさんとヒューズさん言う通りだよな)

「オカくん、何か新しい情報はあるかい?」
「昨日ハルカに聞いた所、このまま犠牲者が増えると、いずれマサオさんくらい強くなってしまうらしいです」

 オカの言葉を聞いて一同は昨日のオカと同じ様な表情をする。

「それは……不味いだろ……」

 直接マサオさんとやりあったパークが呟く。

「マサオさん級を二人相手にするのは流石に無理があるわね……」
「えぇ、パークでやっとでしたからね」

(パークさんが全力を出してなんとかなった相手だもんな……)

 それから、オカ達はそれぞれの席に座り仕事を開始する。

(全然見つからないけど、どうすれゃいいんだ?)

 エブダン動画を人気の低い順でどんどん見ていくがソラタの姿を見つけられない。
 午前中一杯探し続けたが見つからず、お昼を食べて再開する。

(なんだか飽きて来たな……)

 社長のプルが聞いたら、目眩がする様な事を思いながらオカは一度手を止める。

(他の人は良く働くな……)

 周りの席に視線を動かすと、皆んなそれぞれ真剣な眼差しでパソコンの画面に向き合っている。

(……ん?)

 だが、一人だけマウスに手を置いては居るが顔は完全に窓の方に向いており、ボーッと外を眺めている者がいた……

(流石フィブだな……)

 オカの視線に気が付いたのかフィブはオカの方に顔を向けると、コクリとなんの合図なのか一度頷いてから再び窓の外に顔を向けた。
 その隣では額に汗を掻きながらダルマが必死にマウスを動かしたり目を動かしたりとしていた。

(誰も気付かないのがまた凄いな……)

 フィブのあまりにも堂々としたサボり方にオカは感心する。

(俺も少しサボるか……)

 オカはパソコンで今回の事件スレを検索かけるとしっかりとスレがあった。

(おー。結構盛り上がっているな)

 そこには、今回の事件がニュースよりも詳細に分かりやすく書かれていた。
 そんな中、過去からスレを読み進めていくと、最初は馬鹿にしたコメントや、変死体などでゲームや漫画での出来事が起きているみたいで喜んでいる者さえ居たが、日にちが経つに連れて恐怖感を覚えるコメントが増えてきた。

(それゃ、怖いよな……既に十人犠牲者が出ていて毎日二人ずつ殺されているわけだし……)

 スレでは、東京を早く離れろと色々な人がコメントしている。
 どうやらスレでは犠牲者は全て都内住みと書かれていた。

(なるほど……犠牲者が全員都内に住んでいたなんて気付かなかったな……)

 そして、最新のスレまで読み進めていくと、ふざけたコメントなどがどんどん減っていった。

(……ん?)

 最新のスレにはプルについてもコメントされていた。
 そこには、すげー美人が今回の事件を都市伝説だとか言っている! 的な内容であり、プルの話した内容と言うよりはプルの容姿について盛り上がっていた。

(確かにプルさん綺麗だもんな。俺もプルさんに合ってなかったら同じ様に色々書き込んでただろうな)

 そして、どんどん読み進めて行くと別のスレのURLが貼られており、そこには【プルさんの語る都市伝説スレ1】という名前があった。

(お?!)

 オカは迷わずスレを開くと、ここ二日間でプルが話した都市伝説についての考察などがされていた。

(すげ……)

 元々が超常現象的な事なので、突拍子も無い憶測などが飛び交っている。

(すげー的外れな事ばかりだけど、偶に関係者じゃ無いかと言うほど考察しているコメントがあるな)

 そして、都市伝説マニア達が次々と自身の自慢の都市伝説を語り始めたりして、盛り上がっていた。
 その中には都市伝説マニアを唸らす話があるとコメントして、マサオさんの都市伝説を紹介したものまであったのでオカは驚く。

(俺も何か書き込んでみるか……)

 オカはキーボードを叩く……

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