113 / 492
第4章
112話 モンスターの気配……
しおりを挟む
「デグ、今日は収穫日……」
「あぁ分かっている。楽しみだな!」
「うん……」
今日は畑で耕した食べ物の収穫日になる。そして祭りでもあるのだ。
「デグさん、ベムさん楽しみっすね!」
「だな、お前とベムは先に行っててくれ」
「デグは?」
「はぁ……、一応ガバイ達も呼んで来るよ」
「必要ないと思う……」
「そうっすよ! ベムさんの言うとりっす!」
二人はガバイ達が相当苦手らしい。まぁこの二人だけでは無く村人達全体がそんな雰囲気だな。
ただ、村人の女性達の中には、案外満更でもない者達も居る。サットとマットは女性に対しては紳士的に振る舞うらしい。だがその後は結局アレ目的らしいが……。
「まぁー、アイツらも水路の件で頑張ってくれているし、誘わない訳には行かないだろう」
「ほっとけばいい……」
「そうっす!」
このまま話しても平行線だと思い、俺は無視してガバイ達のテントに向かう。
ガバイ達は、村の外れにテントを建てて暮らしている。だが、そのテントはとても立派であり、この村のどの家よりも大きくて、しっかりした作りとなっている。いざとなったら簡単に折り畳むことも可能らしく、モンスターなどの襲撃に備えた作りだとガバイが言っていたのを思い出した。
それから暫く歩きガバイ達の家に到着する。
「おーい、ガバイいるかー?」
「おやおや、デグさんどうされましたか?」
「親父ー誰か来たのかー?」
「もしかしてベムちゃんが俺に逢いに来たとか?」
テントからわらわらとガバイ達が出てきた。そしてサットとマットが上半身裸で出てきたが、なんと醜い身体をしているんだ……。もしモンスターが現れたら逃げきれないだろう。
「今日は収穫日なんだよ」
「そうでしたか。めでたいですな」
ガバイは心地よい笑みで祝って来る。だが目の奥は笑っていないな……。
「それでだ、収穫日の時はこの村で祭りを行う事にしててよ。良かったらお前達もどうだ?」
「おや? 私達も参加してよろしいのですか?」
「あぁ。ガバイには水路の件でお世話になっているしな」
「そうでしたか。それでは是非参加させて頂きます」
「「俺らも!」」
「分かった。なら夕方くらいに始める予定だから来てくれ」
「えぇ。楽しみにしております」
「あー、ベムちゃんと祭り楽しみだぜ!」
「お前この前他の女といい感じだっただろ!」
「そうだけど、やっぱりこの村じゃベムちゃんは別格だぜ」
「確かになー」
コイツらは前に注意したが全然反省してねぇな……。
「お前達、ほどほどにしろよ?」
「「はーい」」
いやいやオカシイだろ! 親ならビシッと注意するべきじゃないか?!
「おっさん、着るものは指定とかあるのか?」
「着るもの? そんなの無いが」
「おいおい、サット。こんな田舎の村で着るものを考慮する奴なんていねーよ!」
「それもそうだな!」
「「あははは!」」
俺はこのやり取りでかなり疲弊してしまったので、早く離れる事にした。
「とりあえず、夕方からだ」
「分かりました」
そして俺は祭りの用意をする為に戻った。祭りの用意と言っても普段より少し豪勢な料理と下手ながらも音楽を奏でながら踊って食べて呑むのだ。
「デグさん、お帰りっす!」
「おう」
「どうだった……?」
「来るってよ」
「ッチ……」
ベムは舌打ちをしてその場を去ってしまう。
「行ってやれ」
「ハイっす! ベムさん何か手伝うっす!」
そして村人達と祭りの準備を行い。日も暮れ始めた頃にガバイ達が到着した。ガバイ達を視界に入れた村の男達はどいつも苦虫を噛んだ様な表情をしたり睨んだりしている者達までいる。
逆に村の女達はガバイ達を視界に入れると笑顔で迎え入れたり手を振ったりしている者までいる。そんな状況を見て男達はますます気に入らないのだろう。
「デグさん本日はお招き頂きありがとうございます」
「おっさん、料理は微妙そうだけど女達は良いの揃っているし、最高だぜ!」
「おっさん、俺はベムちゃんと話したいんだけどどこにいる?」
コイツら……。
「まぁ、問題を起こさないように頼む」
「えぇ、そこは重々承知しております」
俺とガバイが話しているとサットとマットは早速村の女達の方に向かっていた。そして二人とも複数の女達と話している為村人の男達が余っている状況だ。そしていつ喧嘩になるかわからない状況でもある。
はぁ……。祭り早々に胃が痛くなるぜ……。
しかし俺の予想は杞憂だったようで、祭りは案外何事も無く進み、皆で音楽を奏でながら歌って踊って楽しむ、素敵な時間を送れていた。
だが、それは祭りの最中に、起きた。
「デ、デグさん! 大変だ、モンスターが来る!!」
「なんだと!?」
モンスターという言葉に村人達の中で戦慄が走る。
「小型か? 何体いる?」
「小型で二体だけだ!」
「よし! お前ら、日頃の訓練を試す時が来たぜ! 戦闘準備だ!!」
「「「「「「おう!!」」」」」」
小型の討伐人数は四~五人だが俺達の村では十~二十人規模で確実に倒せる様に訓練している。
心配なのは人数が多い分一人でも喰われたらモンスターがどんどん強くなり不利になる事だ。しかし、そうならない為の訓練を俺達はしてきた!
「デグさん、それとモンスターに追われている者達が居る!」
「なに?!」
「獣人と人間族の二人組が追われている!」
「よし、そいつらを助けるぞ!」
「あぁ分かっている。楽しみだな!」
「うん……」
今日は畑で耕した食べ物の収穫日になる。そして祭りでもあるのだ。
「デグさん、ベムさん楽しみっすね!」
「だな、お前とベムは先に行っててくれ」
「デグは?」
「はぁ……、一応ガバイ達も呼んで来るよ」
「必要ないと思う……」
「そうっすよ! ベムさんの言うとりっす!」
二人はガバイ達が相当苦手らしい。まぁこの二人だけでは無く村人達全体がそんな雰囲気だな。
ただ、村人の女性達の中には、案外満更でもない者達も居る。サットとマットは女性に対しては紳士的に振る舞うらしい。だがその後は結局アレ目的らしいが……。
「まぁー、アイツらも水路の件で頑張ってくれているし、誘わない訳には行かないだろう」
「ほっとけばいい……」
「そうっす!」
このまま話しても平行線だと思い、俺は無視してガバイ達のテントに向かう。
ガバイ達は、村の外れにテントを建てて暮らしている。だが、そのテントはとても立派であり、この村のどの家よりも大きくて、しっかりした作りとなっている。いざとなったら簡単に折り畳むことも可能らしく、モンスターなどの襲撃に備えた作りだとガバイが言っていたのを思い出した。
それから暫く歩きガバイ達の家に到着する。
「おーい、ガバイいるかー?」
「おやおや、デグさんどうされましたか?」
「親父ー誰か来たのかー?」
「もしかしてベムちゃんが俺に逢いに来たとか?」
テントからわらわらとガバイ達が出てきた。そしてサットとマットが上半身裸で出てきたが、なんと醜い身体をしているんだ……。もしモンスターが現れたら逃げきれないだろう。
「今日は収穫日なんだよ」
「そうでしたか。めでたいですな」
ガバイは心地よい笑みで祝って来る。だが目の奥は笑っていないな……。
「それでだ、収穫日の時はこの村で祭りを行う事にしててよ。良かったらお前達もどうだ?」
「おや? 私達も参加してよろしいのですか?」
「あぁ。ガバイには水路の件でお世話になっているしな」
「そうでしたか。それでは是非参加させて頂きます」
「「俺らも!」」
「分かった。なら夕方くらいに始める予定だから来てくれ」
「えぇ。楽しみにしております」
「あー、ベムちゃんと祭り楽しみだぜ!」
「お前この前他の女といい感じだっただろ!」
「そうだけど、やっぱりこの村じゃベムちゃんは別格だぜ」
「確かになー」
コイツらは前に注意したが全然反省してねぇな……。
「お前達、ほどほどにしろよ?」
「「はーい」」
いやいやオカシイだろ! 親ならビシッと注意するべきじゃないか?!
「おっさん、着るものは指定とかあるのか?」
「着るもの? そんなの無いが」
「おいおい、サット。こんな田舎の村で着るものを考慮する奴なんていねーよ!」
「それもそうだな!」
「「あははは!」」
俺はこのやり取りでかなり疲弊してしまったので、早く離れる事にした。
「とりあえず、夕方からだ」
「分かりました」
そして俺は祭りの用意をする為に戻った。祭りの用意と言っても普段より少し豪勢な料理と下手ながらも音楽を奏でながら踊って食べて呑むのだ。
「デグさん、お帰りっす!」
「おう」
「どうだった……?」
「来るってよ」
「ッチ……」
ベムは舌打ちをしてその場を去ってしまう。
「行ってやれ」
「ハイっす! ベムさん何か手伝うっす!」
そして村人達と祭りの準備を行い。日も暮れ始めた頃にガバイ達が到着した。ガバイ達を視界に入れた村の男達はどいつも苦虫を噛んだ様な表情をしたり睨んだりしている者達までいる。
逆に村の女達はガバイ達を視界に入れると笑顔で迎え入れたり手を振ったりしている者までいる。そんな状況を見て男達はますます気に入らないのだろう。
「デグさん本日はお招き頂きありがとうございます」
「おっさん、料理は微妙そうだけど女達は良いの揃っているし、最高だぜ!」
「おっさん、俺はベムちゃんと話したいんだけどどこにいる?」
コイツら……。
「まぁ、問題を起こさないように頼む」
「えぇ、そこは重々承知しております」
俺とガバイが話しているとサットとマットは早速村の女達の方に向かっていた。そして二人とも複数の女達と話している為村人の男達が余っている状況だ。そしていつ喧嘩になるかわからない状況でもある。
はぁ……。祭り早々に胃が痛くなるぜ……。
しかし俺の予想は杞憂だったようで、祭りは案外何事も無く進み、皆で音楽を奏でながら歌って踊って楽しむ、素敵な時間を送れていた。
だが、それは祭りの最中に、起きた。
「デ、デグさん! 大変だ、モンスターが来る!!」
「なんだと!?」
モンスターという言葉に村人達の中で戦慄が走る。
「小型か? 何体いる?」
「小型で二体だけだ!」
「よし! お前ら、日頃の訓練を試す時が来たぜ! 戦闘準備だ!!」
「「「「「「おう!!」」」」」」
小型の討伐人数は四~五人だが俺達の村では十~二十人規模で確実に倒せる様に訓練している。
心配なのは人数が多い分一人でも喰われたらモンスターがどんどん強くなり不利になる事だ。しかし、そうならない為の訓練を俺達はしてきた!
「デグさん、それとモンスターに追われている者達が居る!」
「なに?!」
「獣人と人間族の二人組が追われている!」
「よし、そいつらを助けるぞ!」
0
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~
クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。
ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。
下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。
幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない!
「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」
「兵士の武器の質を向上させる!」
「まだ勝てません!」
「ならば兵士に薬物投与するしか」
「いけません! 他の案を!」
くっ、貴族には制約が多すぎる!
貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ!
「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」
「勝てば正義。死ななきゃ安い」
これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界召喚された俺は余分な子でした
KeyBow
ファンタジー
異世界召喚を行うも本来の人数よりも1人多かった。召喚時にエラーが発生し余分な1人とは召喚に巻き込まれたおっさんだ。そして何故か若返った!また、理由が分からぬまま冤罪で捕らえられ、余分な異分子として処刑の為に危険な場所への放逐を実行される。果たしてその流刑された所から生きて出られるか?己の身に起こったエラーに苦しむ事になる。
サブタイトル
〜異世界召喚されたおっさんにはエラーがあり処刑の為放逐された!しかし真の勇者だった〜
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる