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第4章
102話 ロピの訓練 2
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「よーし、お兄さん今日もやるよー」
「張り切っているな」
「当たり前だよ! チルちゃんには負けたく無いもん!」
今日もロピに付き合い昨日と同じ場所で準備運動中だ。
「今日は絶対当てるよー!!」
「その気持ちが大事だな」
「狙っている所には行くんだけど投げる前に気付かれるんだよねー」
そうなのだ。昨日の様子を見る限りロピは狙った所に投げられているのだが投げるモーションで気付かれてしまい避けられる。
「今日は俺も当たるか挑戦してみるかな」
「え?! お兄さんが……?」
「な、なんだよ?」
「だって、お兄さん非力だし無理じゃない……?」
「失礼な! 見てろよ?」
どうも、ロピとチルは俺が体動かす系が苦手だと思っているらしいが、ここはビシッといい所見せるしか無いな!
「うし! うし! うし!」
「え!? いきなりどうしたの?」
「いや、気合い入れているんだよ」
俺はダッシュしたりジャンプしたり身体を動かす。ロピはいきなり俺が動き出した事にビックリしたのか若干引いている。
「お兄さんって結構熱い人?」
「何言っている。俺はいつだって熱い!」
「いやいや、いつも私達を見守ってくれている感じだよ!?」
「まぁな! だけどその役割はもうリガスが居るからな! 俺だってまだまだ若いんだぜ?」
「知っているよ!? お兄さん私達とそこまで歳離れてないよね? 急にどうしたの?!」
まぁ、この身体では確かにそこまで年齢離れてないが前世合わせたら結構なオジさんだよな俺って……。
だが今は若いんだ! 気持ちも若くいくぜ!
「よーし、そろそろ行くか」
「うん」
「どっちが先に当たるかな?」
俺はロピに挑発する様な言い方をする。
「むッ。絶対負けないもん!」
「どうかなー? 俺がすぐ当てちゃうかもなー」
「そんな事ない、お兄さんいくよ!」
気合い十分でロピはジャングルを歩き出す。そしてここからは気配を消しながら動物を探す。
「お兄さん、居たよ……」
「あぁ……」
「どっちから投げる?」
「まずはロピからでいいぞ」
「わかった」
小声で話し合い、先手はロピに譲る。ロピは、小石を持って遠くの動物目掛けて投げる。
「雷付与……」
スキルを発動し付与した小石が動物目掛けて飛んで行く。だがやはり気付かれて居たのか避けられてしまう。
「あー。またか……」
「なんでだろうな? 隣に居る俺ですら全然物音とか聞こえないんだけどな」
「動物さん達は凄いよね……」
それから少ししてまた動物を見つけた。
「次はお兄さんどうぞ?」
「よーし」
俺もロピ同様小石を持って動物目掛けて、ぶん投げる!
「ぷっ! あははは」
「笑い過ぎじゃね?」
「だ、だってお兄さん届いてないじゃん!」
そうなのだ。届かなかったのだ……。しかも半分も届かなかったのだ。
「むしろ、こんなに離れている所良く届くな?」
「むふー! 凄いでしょ?」
「あぁ。素直に凄いと思う」
確かに結構離れているが、ここまでだとは思わなかったな。
その後、俺は参加するのを辞めた。やはり俺はサポート特化だな!
「やっぱりお兄さんの身体能力はアレだったね」
「いや、お前らが凄いだけだろ……。人間族だったら俺は普通だ!」
「どうだろうねー?」
今度は逆にロピに挑発された。クソ……いい所見せる筈だったのに!
それからは動物を見つけてはロピがスキルで強化した石を投げるを繰り返したが、結局一度も当たらなかった。
「ふぇー。お兄さん全く当たらない……」
「うーん。何か対策を考えるか」
「ほんと!?」
「一日待ってくれ」
「お兄さん、ありがとう!!」
ロピが抱き着いて来る。うーんここまで期待されたら頑張るしかないな!
娘を持つ父親の気持ちになりながら、どうするか思考する。
一応宛はあるがこの世界観でいけるかだな……
「よし、今日は帰るぞー」
「はーい」
「ロピ、重いから離れてくれ」
「いやー。えへへ」
ロピは俺の腕を取り歩き出す。そして村に戻った。
「ただいまー」
「姉さんお帰り。特訓どうだった?」
「全然ダメだった……。チルちゃんは?」
「私もダメだった……」
姉妹は二人して落ち込んで居た。だが二人の表情は明るい。恐らく少しずつだが自分自身が成長しているのを実感しているのだろう。
「姉さん頑張ろうね!」
「うん! 早く強くなってお兄さんを助けられる様にならないとね!」
二人はお互いに励まし合い。その後はパーティ戦闘時の連携だったりモンスター相手の立ち回りだったりを話し合っている。
「ほっほっほ。アトス殿お帰りなさいませ」
「リガス、ただいま」
「いかがでした?」
「うーん、やっぱり避けられるな」
「そうですか……」
「ちなみにリガスに聞きたい事があるんだ」
「なんでございましょう?」
そして俺はある物を作りたい為リガスにこの世界で材料があるか聞いてみる。
「ふむ。アトス殿がおしゃっている物に似ているのならありますな」
「ホントか!?」
「ほっほっほ。探してみます」
「頼む」
よし! なんとかなりそうだ。もし俺が思い描く物が完成すればロピの戦闘力はかなり上がると思うが、使い方次第か。
「それでは皆様ご飯の用意が出来ました」
「わーい! やっぱり魔族さんのご飯の方が美味いよね」
「姉さんに同意」
「ほっほっほ。ありがとうございます」
流石に毎回ご飯を持ってきて貰うのに抵抗があった為材料だけ分けて貰い調理はこちらでする事を伝えた。
「俺もリガスの料理がいい」
「だよね!」
「アトス様もでしたか!」
「それでは頂きましょう」
「「「いただきます!」」」
「張り切っているな」
「当たり前だよ! チルちゃんには負けたく無いもん!」
今日もロピに付き合い昨日と同じ場所で準備運動中だ。
「今日は絶対当てるよー!!」
「その気持ちが大事だな」
「狙っている所には行くんだけど投げる前に気付かれるんだよねー」
そうなのだ。昨日の様子を見る限りロピは狙った所に投げられているのだが投げるモーションで気付かれてしまい避けられる。
「今日は俺も当たるか挑戦してみるかな」
「え?! お兄さんが……?」
「な、なんだよ?」
「だって、お兄さん非力だし無理じゃない……?」
「失礼な! 見てろよ?」
どうも、ロピとチルは俺が体動かす系が苦手だと思っているらしいが、ここはビシッといい所見せるしか無いな!
「うし! うし! うし!」
「え!? いきなりどうしたの?」
「いや、気合い入れているんだよ」
俺はダッシュしたりジャンプしたり身体を動かす。ロピはいきなり俺が動き出した事にビックリしたのか若干引いている。
「お兄さんって結構熱い人?」
「何言っている。俺はいつだって熱い!」
「いやいや、いつも私達を見守ってくれている感じだよ!?」
「まぁな! だけどその役割はもうリガスが居るからな! 俺だってまだまだ若いんだぜ?」
「知っているよ!? お兄さん私達とそこまで歳離れてないよね? 急にどうしたの?!」
まぁ、この身体では確かにそこまで年齢離れてないが前世合わせたら結構なオジさんだよな俺って……。
だが今は若いんだ! 気持ちも若くいくぜ!
「よーし、そろそろ行くか」
「うん」
「どっちが先に当たるかな?」
俺はロピに挑発する様な言い方をする。
「むッ。絶対負けないもん!」
「どうかなー? 俺がすぐ当てちゃうかもなー」
「そんな事ない、お兄さんいくよ!」
気合い十分でロピはジャングルを歩き出す。そしてここからは気配を消しながら動物を探す。
「お兄さん、居たよ……」
「あぁ……」
「どっちから投げる?」
「まずはロピからでいいぞ」
「わかった」
小声で話し合い、先手はロピに譲る。ロピは、小石を持って遠くの動物目掛けて投げる。
「雷付与……」
スキルを発動し付与した小石が動物目掛けて飛んで行く。だがやはり気付かれて居たのか避けられてしまう。
「あー。またか……」
「なんでだろうな? 隣に居る俺ですら全然物音とか聞こえないんだけどな」
「動物さん達は凄いよね……」
それから少ししてまた動物を見つけた。
「次はお兄さんどうぞ?」
「よーし」
俺もロピ同様小石を持って動物目掛けて、ぶん投げる!
「ぷっ! あははは」
「笑い過ぎじゃね?」
「だ、だってお兄さん届いてないじゃん!」
そうなのだ。届かなかったのだ……。しかも半分も届かなかったのだ。
「むしろ、こんなに離れている所良く届くな?」
「むふー! 凄いでしょ?」
「あぁ。素直に凄いと思う」
確かに結構離れているが、ここまでだとは思わなかったな。
その後、俺は参加するのを辞めた。やはり俺はサポート特化だな!
「やっぱりお兄さんの身体能力はアレだったね」
「いや、お前らが凄いだけだろ……。人間族だったら俺は普通だ!」
「どうだろうねー?」
今度は逆にロピに挑発された。クソ……いい所見せる筈だったのに!
それからは動物を見つけてはロピがスキルで強化した石を投げるを繰り返したが、結局一度も当たらなかった。
「ふぇー。お兄さん全く当たらない……」
「うーん。何か対策を考えるか」
「ほんと!?」
「一日待ってくれ」
「お兄さん、ありがとう!!」
ロピが抱き着いて来る。うーんここまで期待されたら頑張るしかないな!
娘を持つ父親の気持ちになりながら、どうするか思考する。
一応宛はあるがこの世界観でいけるかだな……
「よし、今日は帰るぞー」
「はーい」
「ロピ、重いから離れてくれ」
「いやー。えへへ」
ロピは俺の腕を取り歩き出す。そして村に戻った。
「ただいまー」
「姉さんお帰り。特訓どうだった?」
「全然ダメだった……。チルちゃんは?」
「私もダメだった……」
姉妹は二人して落ち込んで居た。だが二人の表情は明るい。恐らく少しずつだが自分自身が成長しているのを実感しているのだろう。
「姉さん頑張ろうね!」
「うん! 早く強くなってお兄さんを助けられる様にならないとね!」
二人はお互いに励まし合い。その後はパーティ戦闘時の連携だったりモンスター相手の立ち回りだったりを話し合っている。
「ほっほっほ。アトス殿お帰りなさいませ」
「リガス、ただいま」
「いかがでした?」
「うーん、やっぱり避けられるな」
「そうですか……」
「ちなみにリガスに聞きたい事があるんだ」
「なんでございましょう?」
そして俺はある物を作りたい為リガスにこの世界で材料があるか聞いてみる。
「ふむ。アトス殿がおしゃっている物に似ているのならありますな」
「ホントか!?」
「ほっほっほ。探してみます」
「頼む」
よし! なんとかなりそうだ。もし俺が思い描く物が完成すればロピの戦闘力はかなり上がると思うが、使い方次第か。
「それでは皆様ご飯の用意が出来ました」
「わーい! やっぱり魔族さんのご飯の方が美味いよね」
「姉さんに同意」
「ほっほっほ。ありがとうございます」
流石に毎回ご飯を持ってきて貰うのに抵抗があった為材料だけ分けて貰い調理はこちらでする事を伝えた。
「俺もリガスの料理がいい」
「だよね!」
「アトス様もでしたか!」
「それでは頂きましょう」
「「「いただきます!」」」
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