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第1章

23話 凄まじい気配

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 俺とシクは現在移動中だ。
 モンスターの気配をシクが察知して直ぐに行動に出た。
 もし、モンスターが小型だとしたら、大分距離がある為逃げ切れる……はずだ。

「シク、二日連続でモンスターは今まで無かったのに、なんでだ?!」
 「分からない……。だが、今まで偶然モンスターに遭遇しなかっただけで、モンスターはこの世界に多く存在する。ただそれだけだ」

 モンスターはこの世界に多く存在し、好き勝手に暮らしている。だが、モンスターは基本人間達が多い場所に向かう習性がある。
 恐らくご飯である人間達を食べる為だ。

 ここで言う人間と言うのは、人間族だけでは無く人型である者全てを指す。
 そんな理由でシクは、人間達が全く住んでいない今の住処に身を置いていたんだと思う。

 シクの場合は人間嫌いも理由にありそうだが……。

 「シク、気配の方はどうだ?」
 「モンスターの動きが止まった。恐らく先程感じた冒険者達と戦闘している様だな」
 「冒険者って四年前にもみた奴らだよな?」
 「同じ冒険者かは分からないが、そうだ」
 「四年前の冒険者くらいの実力があれば大丈夫そうだな」

 俺は見ず知らずの冒険者だが少し安堵した。冒険者にも等級的なのがあるらしい。アニメやラノベそのものだな!


 「いや、それは分からない。モンスターと言っても我々と同じく個体差によって強さが違うからな。小型だと思って油断すると全滅さえある」

 人間と同じく、モンスター達も同じ小型同士でも強さがかなり違うらしい。
 それは日々の生活の違いや、人間を捕食した事があるモンスターなどで違いが出て来るらしい。
 なので、見た目があまり変わらない小型だとしても、かなり強い小型もいる。

 四年前の小型は大きさ的には結構あったが、そんなに強くなかったのかな?

 「とりあえず、その冒険者達も無事ならいいな」
 「私的には、全滅して欲しい。私達の住処近くに私達以外の人間が居る時点で不愉快だ」

 シクの人間嫌いは、講義の話し方的に分かっていたが、ここまで酷いとは……。

 「よし、流石に私でも気配が分からないくらいまで離れたな」
 「なら、昨日と同じ別ルートで家に帰る感じか?」
 「そうだ。だが、二日連続でモンスターの気配を感じたから、慎重に帰るぞ」

 それから、かなり遠回りして家に帰る途中に凄い気配を感じた。

 「「!!?」」
 「シ、シク……?」
 「あ、あぁ……。昨日と同じだ……」

 昨日も一瞬、とてもつない気配を感じた。その気配だけは俺でも察知出来たくらい大きい気配を……。

 「昨日もあったけど、この気配ってなんだ?!」
 「分からない……。だが、いい事ではないだろう」

 二人して冷や汗を垂らす。

 まさか中型が居たりするのか? それだと、あの冒険者達は……。

 暗い考えをしている場合ではない事を思い出し、今は自分達の身を守る為俺達は家に向かった。
 
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