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リアスの注意

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マリア達は風の魔法により、天井に
張り付くようにして青い化け物の目から
離れた。リアスの考察通り、奴らは
上を向くことが出来ずに音がしても
別の場所に行くなどしていた。
「...すげぇ、リアスさすがだよ!」
「...いいえ、当然の事をしたまでです」
そう言ったリアスの目は出来て当然だろ...
と語っていた。
それを見たマリアは少し悔しく思ったが
何も言い返せなかった。

三人は迷路のような一階でまだ迷っていた。
もう等の昔に一階を一周はしているはず
なのに二階への階段やそれらしき物が
見つからないのだ。
「...なんでだ?」
「もうここを何周したんでしょうか?...」
「疲れたぁ」
アリスがそう呟くと三人は急に地面に
叩きつけられた。その音を聞いた青い化け物はすぐにマリア達のもとへ駆けつけた。
「やばい!」
そう思ったマリアはとっさに壁を焼いた。
壁は基本レンガで出来ていたが、
鉄製の檻のような場所もあったためそこを
人一人が通れる程の穴のように
溶かして別の部屋に入った。
そこは迷路とは程遠い一本道に
なっていた。廊下の奥には二階への階段と
あった。

「...ここが正解か?」 
「そのようですね」
アリスは疲れはててまたリアスの背中で
眠っていた。階段を上るとそこは
一本の綱があった。下は先程の青い化け物が
歩き回っている一階に繋がっていた。
「おやおや、答えを見つけたか!
ということはその中に
火属性の人がいるのね?オーケーオーケー!そんなことはさておき...
さぁさぁ、続いては地獄の綱渡り!
落ちればまたリスタート!
それが嫌なら頑張りな!」
そうアナウンスが鳴った。属性がばれた事に
危機を覚える前にすぐにあの青い化け物が
綱の下を囲んだ。音に誘われたのだろう。
だがまだマリア達の存在には
気づいていないようだ。それが分かった三人は怯えず前に進もうとした。下までは
約三メートル落ちたってそう簡単には
死にはしないような高さだ。
「さぁ!次にいきますか」
マリアの気分は妙に高かった。
「...そうですね」
リアスもその言葉にそう答えて
前に進もうとしたが、その時、先程の
アナウンスの言葉に妙な違和感を覚え、
「ちょっと立ち止まってください!」
リアスがそういうとマリアは立ち止まった。
「...なに?」
「ここからは慎重に進みましょう!
先程のアナウンスからするとマリア様の
属性だけ分かっております。相手がもし
用心深い奴ならば相手はきっと火属性に
たいする弱点を出してきます」
リアスはそう深く注意した。
マリアもそれに気づいたのか一度うなずき
前へ進んだ。
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