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笑っていれば全て良し

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三人は神と別れた後、さらに西に進んだ。
「...魔王ねぇ」
「もしかしたらマリア様と同じうまれの者
かもしれないですね」
「同族同士の争いは好かないから
やりたくないな」
「同族じゃなくても戦いは嫌ですよね...」
「...それもそうだな」
マリアとリアスは疲れはててリアスの
背中で眠ったアリスをそっちのけで
話した。
「...おはよう」
不意に目覚めたアリスに二人は少し
驚いた。
「おぉ!...おはようアリス」
「ねぇお姉ちゃん向こうに何か見えるよ」
そう言ったアリスが指を指す方向を
見るとそこは草原だった。
ようやく砂漠の地獄も終わったのだ。
「ほんとだ!アリス、ここからどっちが 
早く着くか勝負しようか?」
「え!ちょっと待って」
「待たないよぉ、よーい、ドン!」
突如始まったその競争。マリアが有利だが
アリスも負けじとリアスの背中から降りて
走り始めた。とその時だった。
不意に吹いた強風を使いこなしアリスは 
マリアを追い越した。
「...え?」
「やっほー!お姉ちゃん遅いよぉ!」
アリスはそう言うとその風に乗ったまま、
ゴールした。そこはそよ風が心地よく草原。
デュアルの国とは違い野うさぎが
跳ね回っている。そこは人の支配を
受けない草原だった。
「...わぁ、綺麗だなぁ、ってそんなことより
さっきのはなんだ!?」
マリアはアリスに追い付いてそう言った。
「えぇっとね、リアスお姉ちゃんに
私の属性見てもらって、この前の砂漠で
見つけた石を使ったら飛べるように
なったの!すごいでしょう」
そう言ってアリスが取り出したのは
風の石だった。
「...ところでなんで黙っていたのかな?
リアス君」
マリアは追い付いてきたリアスに
そう聞いた。
「それは、黙っていた方が面白いと
考えたからです」
「面白いからって黙ってていいわけ!?」
「結果良ければ全て良しという
ことわざをお知りですか?」
リアスはそう意味の分からない言い訳を
した。
「私の心が良くないの」
痴話喧嘩をする二人をアリスは面白そうに
笑っていた。それを見たマリアは
その事についてはどうでもよくなり、
マリアの口からも笑顔がこぼれた。
それを見ていたリアスも少し
笑っていた。
「ここから先は笑っていればどんなことが
あっても幸せかもね?」
「そうですね」
「そうだよ!きっとそうに違いない!」
三人はそう笑い合いながらそう言った。


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