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魔法のお話

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異世界に転生してから三年、
マリアも成長した。
まだ滑舌はすこし悪いが、
それでも一人で動く事は容易になった。
そんなある日、
マリアは図書館に行った。
そこにはマリアの三倍はあるような
本棚にいっぱいに詰められた
本があった。
そこにはマリアとリアスしか
いなかった。
「...改めて見ると、ここ本当に広いな...」
そうマリアが言うと
「まぁ、城内にある図書館ですしね」
とリアスはマリアを少し小馬鹿にするようにして挑発をした。
マリアはそれに口答えをすることも
出来なかった。
「...それで、魔法の本はどこにあるの?」
マリアはそう言った。

これは一週間前の話。
おとぎ話でもよく聞く話だ。
魔法で国を助ける事もあれば、
壊すのも容易な魔法。
それに心を踊らせたマリアはリアスに
魔法は本当にあるのか聞いた。
「ありますけど?まぁ、ある石が無ければ
使えませんし、使い魔と一緒じゃ
なきゃ魔力の制御も出来ませんけどね?」

それで今、マリアとリアスは魔法の事に
ついて調べるためにこの図書館に来た。
「たしかここにあったような?...」
そう言いながらリアスは本棚を
探り始めた。そして取り出した本には
『馬鹿でも分かる魔法の取り扱い説明書』
と書かれていた。
「...なにこれ?」
マリアはそう言うとリアスを睨み付けた。
「いや、だってマリア様はまだ
素人ですし」
とまたマリアを小馬鹿にした。
「...ち、まぁいいや、どれどれ...?」
そう言うとマリアはその本を
早速見始めた。
そこに書かれていた内容は
『まず、魔法を使うための石は各属性の
石がある。それは五つあり、それを
強化する事でより強力な物にできる。
火属性、それは赤い宝石で
中心に炎のマークが書かれている。
それに触るととても熱い。
水属性、それは青い宝石で
中心には雫のマークが書かれている。
それは触ると水のように冷たく、とても
じゃないが石を触っているとは思えない。
風属性、それは緑の宝石で
中心には穴が空いており、そこから
風が出ている。
光属性、それは眩しい光を発し、
そのマークはおろか、形さえ見えない。
闇属性、それはとても黒く、
それを見ただけで言動が狂う人もいる
そうだ。
後はその属性の上位互換にあたる物がある。
火属性の上位互換であたる火炎属性
水属性の上位互換にあたる氷結属性
風属性の上位互換にあたる天候属性
光属性の上位互換にあたる聖人属性
闇属性の上位互換にあたる暗黒属性』
と書いていた。
リアスはそれに付け足すように
「属性は一人につき、一つまでです。」
と言った。
「二つ持ちとかないの?」
マリアがそう聞くと
「無いです。」
リアスはそう答えた。
それによりマリアの夢は少し壊された。

「それではあなたがどの属性か
調べてみますか?」
リアスはそう聞いた。
「あぁ、それじゃぁ頼む」
マリアはそう答えた。
そう言うとリアスはマリアの瞳を見始めた。
「...あなたは火属性ですね」
それに疑問を覚えたマリアは
「そんなので分かるのか?」
とリアスに聞いた。
「えぇ、属性とは瞳に写るものですので」
と答えた。それでも少し疑問を無くす事は出来ないが
マリアはなんとなくそれを理解した。
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