上 下
4 / 37

マリアの成長期

しおりを挟む
異世界に転生してから半年
マリアの生活もようやく板についてきた。
そしてこの日、マリアにとっては
とても大きな出来事があった。
それは、とても滑舌は悪いがようやく
話せるようになったのである。
「...みゃみゃゆえ」
マリアはママ上と言ったつもりでいた。
だがアイリスはマリアの第一声に
とても喜んでいた。
「やったわ!マリアがしゃべったわ」
その喜びようはまるで今まて出来なかった事が出来るようになったまだ幼い子供の
ようだった。
それを聞き付けたデュアルは
王としての仕事をそっちのけにして
マリアに会いに来た。
「マリアがしゃべったとは本当かー!」
デュアルはそう言いながら部屋の
扉を開けた。
まだ私服ではなく、王のような服装であった
デュアルを見てマリアは
『こいつ、さては仕事をサボって
来やがったな』
そう思った。もとサラリーマンで社畜である
マリアはそれが許せずにいた。
そしてマリアはまだおぼつかない足で
デュアルに近づきデュアルの服の袖を
掴んで
「ぴゃぴゃゆえ、おしゅごとさぼっちゃ、め!です」
と言った。マリア自身は
『ぱぱうえ、お仕事さぼったら、
め!です』
と言おうとしていた。さずがに演技が
あざとかったと思ったマリアは少し
嫌な気分になった。
そう思いながらもマリアはデュアルの方を
向いた。デュアルは天井を見て泣いていた。
それはまさに天から何かが舞い降りてきて
デュアルを連れて生きそうな勢いだった。
『リアスさん、お仕事出来ましたよ』
マリアは冗談半分で天使である
アイリスの名をだして、そう思った。
するとその時、この部屋の扉が
急に開いた。そこにいたのはリアス
だった。
「誰か死んだのですか!?」
は扉を開けてすぐにリアスは
そう不謹慎な言葉を言った。
「...いえ、誰も死んでませんけど?」
アイリスは訳も分からずそう答えた。
それを聞いたリアスはマリアの方を睨み付け
『次このような事があったら、あなたが
私のお世話になりますからね?』
そう不謹慎な言葉をマリアの脳内に
残し、その場でお辞儀をして
部屋を後にした。
それ以来、マリアはリアスをなめた態度で
見ることはなくなった。

それから一年、その頃にようやくマリアは
歩けるようになったようだ。
だが、それにともない、好奇心旺盛の
マリアを抑えるのには手間がかかった
ようだった。
「マリアお嬢様、お待ちください!」
そう言いながらリアスは、マリアを
追いかけた。そこは本来なら静寂である
図書館である。
「やだねぇ、あはははは!」
そう言ったマリアはこの時はまだ、
こんな日常が続くと思い込んでいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】混沌の闇は子育てに奮闘する!~普通の子どもはそんなに強くはならないと思う~

かのん
ファンタジー
 混沌の闇から世界を救うのは一人の勇者。しかし混沌の闇は呪いのように誓う。 「いずれ我は甦る!その時はこの世界を混沌の闇で呑み込んでやる!」  そう、粋がっていた時もありました。  これは混沌の闇が、人の子を拾い、世界を滅ぼしそうにたまになりながらも、愛を知り、子を育む物語。  第12回ファンタジー小説大賞にエントリーしようと思います!  応援よろしくお願いいたします!

チート能力を持って、異世界転生しました!

泥水すする
ファンタジー
 俺の名前はスバル!今年17歳になる高校生だ!  ある日、幼馴染のタケヒコとヒナコと一緒に下校していると、銀行強盗の乗った車に轢かれ、死んじまった!!  そして、何故か俺の前に女神は現れた!  どうやらこれが異世界転生ってやつらしい!  よし、頑張るぞ俺!!

緑の魔女ルチルの開拓記~理想の村、作っちゃいます! 王都に戻る気はありません~

うみ
ファンタジー
 緑の魔女と謳われた伯爵令嬢ルチルは順風満帆な暮らしを送っていた。  ところが、ある日突然魔力が消失してしまい国外退去の命を受けることに。  彼女が魔力を失った原因は公子と婚約したい妹による陰謀であったが、彼女が知る由もなかった。  令嬢としての地位を失い、公子との婚約も破棄となってしまったが、彼女は落ち込むどころから生き生きとして僻地へと旅立った。  僻地に住む村人は生気を失った虚ろな目をしており、畑も荒れ放題になっていた。  そこで彼女はもふもふした大賢者と出会い、魔力を取り戻す。  緑の魔女としての力を振るえるようになった彼女はメイドのエミリーや一部の村人と協力し、村を次々に開拓していく。  一方、彼女に国外退去を命じた王国では、第二王子がルチルの魔力消失の原因調査を進めていた。  彼はルチルの妹が犯人だと半ば確信を持つものの、証拠がつかめずにいる。  彼女の妹はかつてルチルと婚約していた公子との婚約を進めていた。    順調に発展していくかに思えた僻地の村であったが――。 ※内容的には男性向け、女性向け半々くらいです。

推しの死亡フラグを折りたい!

綾里 ハスミ
ファンタジー
美桜は気づくと、大好きなゲーム『ケムプフェンエーレ』の世界に転生していた。こうなったら、大好きな推しであるシメオン第二王王子の死亡フラグを折るしかない!! 【学習技能】と言うチートスキルを所持して、果たして美桜は無事に、シメオン王子の死亡フラグを折れるのか!? ■こちらの作品は、恋愛要素2割:戦闘要素8割の作品です。戦争と恋愛が同時進行して行くお話が好きな方にオススメします(・∀・)

TS少女の猫耳ライフ ~チート装備を得て最強になったのはいいけどよ……なんで女の体になってんだ!? しかもその装備も何か変だしよお!~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
 俺の名前はカエデ。  そんなこんなで、異世界に行くことになった。  それ自体はギリギリ受け入れられなくもないのだが―― 『申し訳ありません。こちらの手違いで、転移時に少女の体に変質してしまったようです。テヘッ』 「おいこらっ!!」  つい、突っ込んでしまった。  女神のミスで、俺の性別が男から女に変わってしまっていた。  いわゆる、TSというやつだ。 『せめてものお詫びとして、最強のチート装備を送ります』 「おおっ! こういうのを求めていたんだよ!」  過ぎてしまったことは仕方ない。  さっそく、最強のチート装備とやらを確認しよう。 「……って、何だこれ?」  猫の着ぐるみじみた装備だ。  猫耳付きのフードに、モコモコしたボディ。  さらに、肉球付きの手袋と足袋まである。 『では、ご健闘をお祈りしていますね』  女神からの連絡はそこで途絶えた。  くそ~! 「こうなりゃヤケだ! 少女の体に猫耳装備をまとい、この世界で無双しまくってやるぜ!!!」  せいぜい楽しませてもらうことにしよう。

腹ペコ召喚獣VSドラゴン肉「あれ~召喚士くん、キミのペットさあ、オレの焼いた肉をガツガツ食ってますよ~」「ざこ胃袋❤」

椎名 富比路
ファンタジー
一二歳以下のちびっ子たちを対象にした「S級召喚士認定試験」も、最終試練。 その題目は「待て!」 目の前の肉を、三分間ガマンするだけ! 審査員で、一流料理人の主人公は、相棒であるドラゴンニュート少女のシッポ肉で迎え撃つ! その味は特A級すら超える特S等級! 果たして、召喚獣は誘惑に耐えられるか? 召喚士は相棒を押さえ込めるのか? ……ダメでした。 アルファポリス 次世代ファンタジーカップ 「進化系ざまぁ」 投稿予定作品。

そうです私がモフリストです

ポンとパンとプン
ファンタジー
よくある異世界ものです クマに殺された男が剣と魔法の世界に生まれ変わり頑張って生きていきます 主人公(マイケル)は普通の強さで異世界お約束の鑑定や空間収納などのチート能力はありません ハーレム要素無し マイケルは見た目がもふもふしたモンスターだけをを仲間に出来るテイマー系のクラスで テイムした仲間たちと世界中を冒険します

呪われた悪役令嬢は1000年幽閉された後、過去へ戻され最強を目指す!!~世界を救うなんてついでですわ~

無月公主
ファンタジー
王や聖女嵌められて悪役令嬢となってしまったエルメリーチェ。 不老不死の呪いをかけられ白い塔に1000年幽閉され、外へ出て見ると世界は崩壊していた。 世界最強と謳われた曾祖父の力により過去へ戻され、隠された真実を次々と知る事になる。 世界はどう変動して行くのか!?とんでもない相手を好きになってしまったが実るのか!?世界最強の曾祖父を超えられるのか!?エルメリーチェの人生は始まったばかりだ。

処理中です...