チートなメイドと異世界ライフ

食事はリアスの物で

この世界に転生してから一週間、
この世界の生活にも少し順応し始めた。
そんなある日のことだった。
マリアはようやく医者に
家での生活を許可されたのだ。
今まではとてもじゃないが、
あまり美味しくない食事ばかりを
食べていた。だが、それも今日で
おしまいだ。なぜならマリアが転生したのは
ある一国の城だ。ご飯がまずいわけがない。
それがたまらなく嬉しかった。

マリアは城に帰った時には、
すでにご飯の準備がされていた。
そこに来たのはアイリスだ。
アイリスはマリアを抱き上げて
｢おかえり｣
と言ってくれた。
それにマリアも笑顔で答えた。
それにアイリスはとても喜んでいた。
｢じゃぁ、早速ご飯にしましょうか｣
アイリスはそう言いながら
マリアにおっぱいをあげようとした。
さすがのマリアもそれには少し躊躇した。
『...いや、さすがのまずいだろ、
いやでも、待てよ、俺今はまだ赤ちゃん
何だよな？だったらいいんじゃないか？』
マリアはそういう考えに至った。
いくら今は女の子だといえど、
マリアはもともとは男だ。
そういう性欲ぐらいはあっても
おかしくない。そして、マリアが躊躇なく
いこうとしたその時、マリアはアイリスの
手から離されたのだ。
『...え？』
マリアはそれに驚きを隠せなかった。
｢アイリス様、マリア様のご食事は
別室に用意しております｣
そう言ってマリアを抱えたのは
リアスだった。
『...リアスくん、何してるの？』
マリアはリアスにそう質問した。
すると次の瞬間
『このド変態が、お前はこっちで
ご飯を食べるのですよ』
そうリアスはマリアに答えた。
マリアはあまりの悲しさに今にも泣きそう
だった。それで何とかなると思ったふしも
あったが、リアスは冷酷無慈悲なメイドだ。
躊躇せずにマリアを別室に連れていった。
アイリスはそれを追いかけようとは
しなかった。なぜならそれだけリアスには
信頼があるのだ。
マリアはあまりにも悔しくなり、
泣き始めた。だがその声はその広い城の中
では誰かに聞こえる事もなく、誰にも聞こえなかった。
だが、屈辱ながらもリアスが作ったご飯は
胃にとても優しく、　
それでいて美味しかった。
『...上手い』
そう不意に思ってしまった。
ふと気がついて、リアスの方を見てみると、
少し頬を赤くしていた。
｢ありがとうございます｣
リアスはそう言って、マリアに向かって
お辞儀をした。