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第2日目
第15話 到着2日目・昼その6
しおりを挟む私たち、私とコンジ先生の二人は、まずはパパデスさんの部屋に向かった。
ちょうど、シュジイ医師がパパデスさんの部屋から出てきたところに出くわした。
「ああ! ドクター……。ちょっとお話がありまして……。今一度、パパデスさんの部屋へどうぞ。」
「え? どういうことかね?」
「まあまあ。先生。立ち話も何なので、どうぞ部屋の中へ。」
私も自分の部屋でもないのにちゃっかりパパデスさんの部屋にシュジイ先生の身体を押し込む。
「ああ。キノノウ先生。なにかわかりましたか?」
私たちが部屋に入ると、パパデスさんが声をかけてきた。
「はい。その前に、パパデスさんにお聞きしたいことがありまして……。」
「ふむ。何の話かな? どうぞ。答えられる範囲であればお答えしますよ。」
「ありがとうございます。昨夜なんですが、夕飯が終わった後、どうなさっていましたか?」
「夕飯の後……ですか? それがなにか? 事件は深夜の出来事だろう? ……まあいい。」
パパデスさんは一瞬、戸惑った様子を見せたが、素直に答えてくれた。
「そうだな。夕飯の後はすぐに自室へ引きこもらせてもらった。なにせ健康に優れないものでね。」
「その時はお一人で?」
「いや。シープのやつと我がシンデレイラ家所有の株や債券の今後の展開や取り扱い、さらにはビジューさんとの取引についてのことなどいろいろとな。打ち合わせをしておったわい。」
ええ。さきほどのシープさんのお話とも合致しますね……。
続けてコンジ先生がシュジイ医師に話を振った。
「ドクター。あなたはいかがですか? 夕食の後ですが……。」
「ええ。ワタクシはジニアス様、アイティ様と遊戯室でビリヤードをしておりました。……ああ! 途中でジェニー警視がいらっしゃったので、そこからはワタクシとジェニー警視はチェスを指しましたね。その後、パパデス様の検診のお時間になりましたので、御暇させて頂き、パパデス様の部屋に行きました。部屋にはパパデス様とシープ様がいらっしゃいましたよ。」
「そのお時間は?」
「ええ。22時です。いつも検診のお時間がその時間なもので。」
「診察は何時に終えられたのです?」
「はい。パパデス様の自室でシャワーを浴びられるのをお手伝いさせて頂き、診察を終えてパパデス様の部屋を出たのは……えーと……。」
「22時半ごろだな。ドクターが出てから、私が自室でシャワーを浴びようとした時に、23時の時計の音がしておったわ。ああ。もちろんドクターが出てすぐ部屋の鍵はかけたぞ。」
パパデスさんがそう証言した。
へえ。ああ、たしかに部屋の隅に、シャワー室……ありました。パパデスさんは自室にシャワー室がついてるんですね。
まあ、そりゃそうか。金持ちだし、ご病気ですもんね。いちいち1階のシャワールームまで行くのは大変そう。
「ああ。パパデス様。ありがとうございます。そうでしたね。その後はワタクシはシャワーを浴びさせて頂き……、ああ、その際イーロウさんと会いましたね。彼はワタクシの後にシャワーを浴びられたのです。その後……、自室で休ませて頂きました。」
「自室に戻ったのは何時頃でしたか?」
「部屋の時計を見ましたので23時10分でございました。」
「なるほどね。ありがとう。」
私たちはその後、キッチンへ向かいました。
メッシュさんの確認を取るためです。
メッシュさんは忙しそうに後片付けと、昼食の準備をしていましたが、協力して頂けました。
「あっしは、夕食の後はカンのやつと一緒にキッチンで片付けと、今日の朝食の仕込みなどをしてましたね。ああ。途中、2回ほどワインとつまみを遊戯室のお客様に持っていきましたがね。時間は……21時と22時ですぜ。んで、その後はカンは警備室で、あっしはキッチンで過ごして、それぞれシャワーを浴びてから自分の部屋で寝ましたよ。」
ふむふむ。カンさんのお話とも合いますね。
「シープさんはキッチンへ、来ましたか?」
コンジ先生が質問する。
「ああ。いつもあの人は決まって晩酌に来ますぜ。そうですねぇ。23時過ぎだったんじゃあないかな。しばらく話をして、あっしはシャワーへ行かせてもらいましたけどね。」
****
※アリバイ表
こうして私たちはジェニー警視、シープさんらと手分けしてみなさんの昨夜の夜の行動を確認したのでした。
それが以下のとおりです。
では、シンデレイラ家の方々。
パパデスさん。
20時30分~22時 自室。 シープさんと一緒。
22時~22時30分 自室。 シュジイ先生と一緒。
以降、証言なし。
ママハッハさん。
20時30分~22時 自室。
22時~22時30分 シャワー。 ※シープさんが呼びに行っている。
シャワー後、シープさんに声がけし、自室へ戻る。
以降、証言なし。
アネノさんとジジョーノさん。
20時30分~22時30分 アネノさんの部屋。 アネノさんジジョーノさんの二人一緒。
22時30分 アネノさんがシャワー。 その間、シープさんとジジョーノさんが一緒。
23時00分 ジジョーノさんがシャワー。 アネノさんは自室へ戻る。
23時30分 ジジョーノさんも自室へ戻る。
以降、証言なし。
最後にスエノさん。
20時30分~23時 書斎でずっと本を読んでいたという。証言なし。
23時30分ごろシャワーを浴びて自室へ。
以降、証言なし。
そして執事のシープさん。
20時30分~22時 パパデスさんの部屋。 パパデスさんと一緒。
※22時に主治医シュジイ先生が部屋を訪ねてきた際、顔を合わせている。また部屋を出た際は、ジョシュアと会っている。
22時~22時30分 ママハッハさんの部屋に行ってから、自室へ移動。
※22時30分前に戻ってきて浴場前で待機していたという。シャワーから出てきたママハッハさんが声がけし、アネノさんの部屋に行った。
22時30分~23時 アネノさんの部屋。 アネノさんはシャワーを浴びに移動。ジジョーノさんと一緒。
23時~23時30分 キッチン。 メッシュさんと一緒。
23時30分以降 自室。
以降、証言なし。
管理人カンさんとメッシュさん。
20時30分~22時 キッチンおよびダイニングルーム。 二人はほぼ一緒。
21時、22時の2回、メッシュさんは遊戯室へ移動。※ジェニー警視、シュジイさん、ジニアスさんの証言あり。
22時~23時 カンさんは警備室。 証言なし。
22時~23時 メッシュさんはキッチン。 証言なし。
23時~23時30分 カンさんは見回り。
※見回りの際、アイティさん、シュジイ先生、ジョシュア、スエノさんと会っている。
23時~23時30分 キッチン。 メッシュさんはシープさんと一緒。
※カンさんがシープさんとメッシュさんがキッチンにいるところを見かけている。
23時30分~24時 メッシュさんがシャワー。カンさんは自室。交代の際メッシュさんはカンさんに声がけした。
24時~24時30分 カンさんがシャワー。その際スエノさんと会っている。
以降、証言なし。
シュジイ先生。
20時30分~22時 遊戯室。 アイティさん、ジニアスさん、ジェニー警視と一緒。
22時~22時30分 パパデスさんの部屋。 パパデスさんと一緒。
※22時にシープさんと会っている。
22時30分~23時 シャワー。 終わった後メッシュさん声がけしている。
23時 自室へ戻る。
以降、証言なし。
そして、泊り客……私たちも含めて。
まずは被害者のアイティさん。
20時30分~22時 遊戯室。 シュジイさん、ジニアスさんと一緒。
21時30分~22時30分 遊戯室。 ジェニー警視と一緒。
※またこの間、21時、22時の2回メッシュさんが遊戯室で彼を目撃している。
22時30分~23時 この間に自室へ移動。
23時~23時30分 部屋を訪れたカンさんに扉越しに返事をしている。※これが生きている彼を確認した最後だった。
23時30分以降、彼の姿を見たものはいなかった。
アレクサンダー神父は確認した通り。
20時30分以降ずっと『左翼の塔』で祈祷をしていた。※シープさんの証言あり。
朝の解錠まで塔にいたことは間違いなし。
エラリーン夫人とイーロウさん。
20時30分~21時 エラリーン夫人はシャワー。イーロウさんはエラリーン夫人の部屋で待っていたという。
21時~23時 エラリーン夫人の部屋。 二人ずっと一緒だったという。……何してたんだか。
23時~23時30分 イーロウさんはシャワーを浴び、その後自室へ。エラリーン夫人はそのまま自室で就寝。
以降、証言なし。
ビジューさん。
21時30分~22時の間にシャワーを浴びた以外、ずっと自室。 証言なし。
以降、証言なし。
ジニアスさん。
20時30分~22時 遊戯室。 アイティさん、ジェニー警視、シュジイさんと一緒。
22時~22時30分 シャワーを浴び、その後自室へ。
以降、証言なし。
ジェニー警視。
20時30分~21時 自室。
21時~21時30分 シャワー。 ※エラリーン夫人は見ていない。シャワーを出た際、ジョシュアと会っている。
21時30分~22時30分 遊戯室。 ※22時まではアイティさん、ジニアスさん、シュジイ先生と一緒。以降はアイティさんと二人。
22時30分 自室へ。
以降、証言なし。
そして私たちですが。
コンジ先生は20時30分から、シャワーを……。
「おい! 20時34分からだと何度言ったらわかるんだ?」
「あー! はいはい。」
20時34分~21時……。
「21時03分だったよ。」
その21時03分 コンジ先生の部屋。
えっと私が21時30分にシャワーに……。
「21時25分な!」
「もう! 細かい時間はいいんですよ!」
「何を言うんだね? 君は! 正確な時間じゃあないとダメに決まってるだろう?」
「わーかーりーまーしーたーぁ!!」
21時25分~22時 シャワー。 行った際にジェニー警視と、終わった後、パパデスさんの部屋の前でシープさんと会っています。
22時~23時 自室。 業務日誌を書いていました。
23時 コンジ先生にお声がけして、就寝。
以降、証言なし。
「ふむ。よくまとめてくれたね? まあ、それが仕事なんだからできなかったら困るんだけどね。」
「一言多いですぅ! コンジ先生の四次元映像記憶にインプットできましたか?」
「ああ。しっかり記憶したよ。人狼たりえる人物もこれで浮かび上がったな。」
ええ……!? もうわかったんでしょうか? コンジ先生の明晰なる頭脳の前に、人狼はその尻尾を掴ませたのでしょうか……。狼だけに……。
「あと、確認しておくべきは、ここだな。」
「え? どこですか?」
「うむ。2階3階を除くとだな、トイレと物置の窓ははめ殺し、クローゼットに窓はなし。そして男女浴場の窓は開けられていなかった。」
「ああ、そうすると!?」
「そうだな。1階は玄関ホールの『コの字型』の内側にある玄関側の反対側にある窓が4つ、メッシュさん、カンさんの部屋の窓、それにあとは扉だが。」
「裏口のようなものありましたっけ?」
~続く~
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