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こぼれ話

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けっこう前のストーリーですが、『赤の盗賊団』の章で、盗賊団に襲われて逃げ延びた商人たちが登場しました。

ヴァン・テウタテス、ヴァン・エスス、ヴァン・タラニスの3人です。

『ヴァン国』出身の商人という設定でしたが、テウタテス (Teutates) は、ケルト人に信奉されていた神に用いられた名前なんです。
ルカヌスの『内乱』やラクタンティウスの『神的教理』で名前が言及されており、またカエサルが『ガリア戦記』内で言及したガリアの神の中の一柱だとされています。

また、エススはパリのノートルダム大聖堂の地下から出土した唯一のエススであると確定している物が有名ですが、商売・豊穣・戦いの神で、善神であるが人間の血を好む残忍な神として恐れられていました。
職人(木こり)の姿で描かれ、力や豊穣のシンボルである雄牛の周りに3匹の鶴が回っている紋章が残っています。

「井村君江 著 ケルトの神話 女神と英雄と妖精と ちくま文庫」によれば、他の古代ケルトの神であるエスス・タラニスとは三位一体の神として、太陽と光、あらゆる技術の神である「ルー」に集約されていると書かれています。

さらに、タラニス神も、ケルト神話において、テウターテス、エススと並び称される戦いと死をつかさどる女神です。
名前は「怒鳴るもの」あるいは日没の方角である西を意味すると考えられていて、雷と太陽を象徴する車輪や稲妻を表す螺旋ととも描かれる。
タラニスに捧げられた生贄は木の檻に大勢詰め込まれていっぺんに焼き殺されたが、これはテウターテスに捧げられた生贄が水によって、エススに捧げられた生贄が刃によって殺されたのと同じように、タラニスの太陽神・雷神としての性格を象徴するものである。

三柱の神ともども、生贄を好み、血を好む残忍な神だったようです。

実はこの神々のイメージから『黙示録~』内での彼らは吸血鬼だったというオチにつながるというわけなんです。

ご存じの方は登場時に、なんとなく悪役だなってわかってしまったかなぁ。

仕立て屋テラーについては、『アリババと40人の盗賊』で、盗賊たちの手でバラバラにされたカシムの死体を発見したアリババが、カシムの死体を袋に入れ、ロバの背中に乗せて密かに持ち帰り、カシムの家に仕えていた若くて聡明な女奴隷のモルジアナと相談の末、遠くの町から仕立屋の老人を呼んで、死体を元通りの形に縫い合わせてもらったという話から、死体を縫い合わせる者……つまりネクロマンサー!ってわけですw

いろいろな神話や物語をオマージュしていますので、登場人物の名前から展開が推測されてしまうかもしれませんね(*´ω`*)ノシ

ではまた来週! おやすみなさい!

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