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好きだった
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何日ぶりの教室だろう。
扉を開けるのが怖くて帰ろうと思った。
振り返ったら僕がずっと好きだった君が立っていた。
「入らんの?」
入らないんじゃないよ。入れないんだよ。小さく、本当に聞こえるか聞こえないかそんな狭間の声で呟いた。
それから僕は君を避けるように教室とは逆の方向に歩いた。
はずなのに僕の身体は止まった。
君が僕のランドセルを掴んでいて「何で入らんの?何があかんの?」そんなことをすごいまっすぐな目で僕を見つめながら聞いてきた。
「何で?そんなことも君はわからんの?僕はもう、、嫌なんだよ。傷つきたくない。怖いんだよ、、、」
自分でも思った以上の声が出て視界にどんどん涙がたまって頭がくらくらしてきた。
君に何が分かる。ずっと見て見ぬふりで何もしてくれなかったのに。こんなに僕は苦しいのに。君にはなんでそんなことが言えるんだよ。言いたいことは嗚咽とともに全部消えて僕はただ泣いた。
もし怖かったら、教室に戻ることができなかったら逃げるために集団登校とは別で来たのに。
なんで君と会うんだろ。
頭がくらくらしてぼーっとしてきた。
しゃがみ込んで立つことができなくってもういいや。帰ろう。僕には無理だ。
そう思ったとき顔に君の袖が当たって涙を拭っていく。
「ごめん。」
君は一言そういうと僕に笑いかけた。
すごく申し訳なさそうな。今すぐにも泣き出しそうな。そんな笑顔で笑って「ごめん。でも泣かれたらどうしたらいいのかわからん。笑ってや、、、」
僕は自分と同じ年の君に救われたのかもしれない。
暴言を吐く誰かも、泣きそうな顔で笑う君もみんな同じなんだ。
僕は少し笑って「ありがとう。勇気になった。僕こそごめんね」
君の手を自分の頬から離して今度は自分の袖で涙を拭う。
心呼吸をして呼吸を落ち着かせ、教室のドアを開けた。
自分の席に座りランドセルから教科書を取り出し机に直す。
次教室に入ってきた誰かには笑顔で「おはよう」っていてみよう。
まず僕が変わろう。
そしたら何か変わるかな。
変わるよね。大丈夫。僕は普通だ。
扉を開けるのが怖くて帰ろうと思った。
振り返ったら僕がずっと好きだった君が立っていた。
「入らんの?」
入らないんじゃないよ。入れないんだよ。小さく、本当に聞こえるか聞こえないかそんな狭間の声で呟いた。
それから僕は君を避けるように教室とは逆の方向に歩いた。
はずなのに僕の身体は止まった。
君が僕のランドセルを掴んでいて「何で入らんの?何があかんの?」そんなことをすごいまっすぐな目で僕を見つめながら聞いてきた。
「何で?そんなことも君はわからんの?僕はもう、、嫌なんだよ。傷つきたくない。怖いんだよ、、、」
自分でも思った以上の声が出て視界にどんどん涙がたまって頭がくらくらしてきた。
君に何が分かる。ずっと見て見ぬふりで何もしてくれなかったのに。こんなに僕は苦しいのに。君にはなんでそんなことが言えるんだよ。言いたいことは嗚咽とともに全部消えて僕はただ泣いた。
もし怖かったら、教室に戻ることができなかったら逃げるために集団登校とは別で来たのに。
なんで君と会うんだろ。
頭がくらくらしてぼーっとしてきた。
しゃがみ込んで立つことができなくってもういいや。帰ろう。僕には無理だ。
そう思ったとき顔に君の袖が当たって涙を拭っていく。
「ごめん。」
君は一言そういうと僕に笑いかけた。
すごく申し訳なさそうな。今すぐにも泣き出しそうな。そんな笑顔で笑って「ごめん。でも泣かれたらどうしたらいいのかわからん。笑ってや、、、」
僕は自分と同じ年の君に救われたのかもしれない。
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僕は少し笑って「ありがとう。勇気になった。僕こそごめんね」
君の手を自分の頬から離して今度は自分の袖で涙を拭う。
心呼吸をして呼吸を落ち着かせ、教室のドアを開けた。
自分の席に座りランドセルから教科書を取り出し机に直す。
次教室に入ってきた誰かには笑顔で「おはよう」っていてみよう。
まず僕が変わろう。
そしたら何か変わるかな。
変わるよね。大丈夫。僕は普通だ。
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