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【事例9】元の鞘に収まった男

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 P子と付き合っていたQ男は、R子に気移りしてしまいました。

 端から見て、Q男とR子はいずれ結婚するのではないかと思える程でした。
 しかし、ある時二人は喧嘩してしまい、別れてしまいました。

 Q男は再びP子の所に戻りました。

 Q男を失っていたP子はどうしていたか?
 Q男が戻ってくるのを期待していた反面、別の男も探していました。

 とはいえ、男なら誰でもいい、とは考えていませんでした。
 男の方からP子に言い寄って来ても、自分の好みでなければ、あるいはQ男にない素晴らしいものを持っていると思えなければ、断りました。

 自分に合うと思える男を見つけられないうちにQ男が戻ってきました。

 再び一緒になった二人は、もう別れませんでした。
 以前よりも絆が強くなり、二人は結婚し、子どもも生まれました。

 Q男にしてみれば、P子から一時的に離れたことで、逆にP子の良さがわかったのかもしれません。
 別の女・R子と付き合ったことで、女というものを学習したのかもしれません。

 P子もまた、付き合うまでには至らなかったとはいえ、男というものを学習する機会を得られたのかもしれません。

 P子とQ男が別れていた期間、二人にとっては無駄な時間ではなかったのです。

 むしろ、これからの二人の生活にとって、有益だったのです。
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