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第二章 一期一会
第五十八話 相談からのあぶく銭
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「おーい! 白虎!」
『……どうした? 今は忙しいんだが』
「おいおい、冷たいじゃないか!」
『……それで、何用だ?』
「無視か。まぁいいや。例の人間がどこにいるか分かったか? 【武帝獣】の子分のことな!」
『……あなたもか?』
「ナァーウ!」(ほらーー!)
あの日から毎日毎日遊びに行こうと騒ぐ我が子を、なんとか宥めているというのに……。まさかの増援か……。
「だって呼び出されて怒られたんだぞ? 今までで一番怖かった……。礼を言ってないって報告したら……ウェッ……!」
相当怖い目にあったらしいな……。上司を知っているだけに少しだけ同情できる。
『では【霊王】様のことも聞いたか?』
「あぁ。まさか従魔契約をしているとは思わなかった」
『幻獣のラビくんと偽っているのも知っているか?』
「隠しているのは聞いたけど、名前は今知ったな。……幸せそうだったか?」
『とても。おいしいおやつをたくさん食べていた。つい最近暴れていたワニのお肉だそうだ』
「……なおさら礼を言わなきゃな。森も綺麗にしてくれたって木々が言っていた。毒の汚染問題が一番手こずったからな。手土産は何がいいか分かるか?」
私もそれを考えていた。
「ナァーーウ!」(ぼく知ってる!)
『本当か?』
「ナウ!」(うん!)
『何が欲しいと?』
「ナァーウナウ!」(陽光樹の若木!)
何に使うんだ? あれほどの回復魔術が使えるのに。
「ナウー……」(あとー……)
『頑張れ!』
「……ナァーウナウ!」(……陰陽草の栽培法)
『何に使うか聞いたか?』
「ナゥーー!」(お酒ーー!)
『なんと! それは言っていいことなのか?』
「ナウ!」(ダメ!)
『何故言った!?』
「ナウ?」(聞いたから?)
それはそうだが……。
『とにかく謝りに行かなければ! 若木なら私が用意できる!』
「それなら俺は陰陽草の栽培法だな!」
精霊のヌシの手土産も決まったこともあり、急いで謝罪に向かうのだった。
◇◇◇
タマさんが大金をカードに入れて持ち帰って来た日は、夜中までドロン酒祭りとなった。
デブから聞いた話では、幻獣狩りはクソババアの独断で、奴隷商人の護衛たちは神子に使った神薬を王族に届ける商人の専属護衛らしい。
伯爵家の兵士扮する盗賊たちで拘束した後、仲間の女虎獣人を人質にして言うことを聞かせ、隷属の首輪をはめたらしい。
盾を持っていた方が彼氏で、俺の捜索兼捕縛を命令されていたようだ。
俺の身柄と彼女の身柄を交換するとも言われていたそうだが、頭の中がお花畑なのかな? 魔術が使用できる虎獣人の女だ。とっくに娼館で心を折られ、売却されている頃だろう。
奴隷商人は用がなくなった後に、スライムさんが飲み込んじゃった。
俺の暗殺とか捕縛が気に入らなかったようで、すぐに窒息させて死体を吐き出し、俺がスキルを切り取って吸収すると片付けてくれた。スキルは《契約》というユニークスキルで、かなり有用なスキルである。
どれほど有用かと言えば、全員が貴族お抱えと言うほど有用である。このスキル持ちは魔力契約の契約書作成と破棄ができるから、契約用紙を組合で購入する必要もないし、気に入らない契約を一方的に破棄できるというわけだ。
ただし、信用は死ぬ。貴族お抱えだからこそ許されることで、普通の商人はできない。
でもスキルを持っているのがバレれば絶対に貴族に囲われるという、貴族嫌いにとっては使いづらいスキルでもある。
抜け道はある。商人系の職業でなければいいわけで、俺は商人系とは思われない職業だから大丈夫なのだ。
それから、エルフは未だに牢屋の中にいる。
理由は死体を欲するペットたちと、労働力を欲する呑兵衛たちが取り合っているからだ。
主な理由は、スライムさんが男に変身してしまったからで、エルフを追加すれば女性になれると主張している。
ちなみに、あの可愛い片言は消えた。
幼い子どもやラビくんみたいな話し方になった。十分可愛いけど、あの片言の方が可愛いと思うのは内緒だ。
それから【トイストア】のスキルがレベルアップしたことで、《ストアハウス》の有効範囲が半径二メートルから四メートルに広がった。
神器であるカードからお金も払い戻せると聞き、世界一安全な金庫を獲得。手持ちの六十五万フリムほども全てカードに入れ、総額三千五百六十五万フリムくらいになっていた。
前世を含め今までで一番の預金残高だ。
よし! 爆買いをしよう!
これは爆買いをして強くなれという神の啓示だろう。いや……天使かな。
まぁどっちでもいいか。どうせやることは変わらないからね。
さて、早速カタログを開いて新商品を物色しよう。今回は将来的に売り出す予定の見本商品も購入する予定で、ラビくんたちには一足先にルールを覚えてもらうつもりだ。
さすがに、スキルで購入したものをそのまま売り出したくはない。利益が少ないし、追加の加工もできない。さらに、勇者達が見つけたら厄介なことになりそうだ。
だから、購入したものに手を加えた異世界版を作り、「異世界にも似たようなものがあるんだ」と思わせる作戦を考えた。あとは知らぬ存ぜぬを通せばいいだけだ。
そのためなら多少高額になっても構わない。全てはモフモフに囲まれてスローライフを送るため。
では早速、爆買いスタートなり!
――《カタログ》――
商品名 バトンリボン(星型バトン)
購入額 二,八〇〇 フリム
詳 細 新体操練習リボン 知育玩具
カート
商品名 ハンマーじゃんけんセット
購入額 三,六〇〇 フリム
詳 細 ヘルメット ハンマー二本
カート
商品名 ダーツボードセット
購入額 一,八〇〇 フリム
詳 細 木製ボード マグネット式ダーツ
カート
商品名 リバーシ
購入額 二,〇〇〇 フリム
詳 細 本格的リバーシ
カート
商品名 将棋セット
購入額 二五,〇〇〇 フリム
詳 細 脚付き将棋盤 駒 一本脚駒台
カート
商品名 ビリヤードセット
購入額 四三〇,〇〇〇 フリム
詳 細 組み立て式業務用台 他備品
カート
商品名 ウクレレ初心者八点セット
購入額 七,三〇〇 フリム
詳 細 ウクレレ 入門書 他備品
カート
商品名 絵の具セット
購入額 四,六〇〇 フリム
詳 細 十二色 鞄 他備品
カート
商品名 紙すきセット
購入額 三,〇〇〇 フリム
詳 細 キット 寒天印刷 他備品
カート
商品名 工具不要レザークラフトキット
購入額 三,八〇〇 フリム
詳 細 加工済み加工済皮革 他備品
カート
商品名 勾玉クラフトキット
購入額 五〇〇 フリム
詳 細 ピンク色 穴あき 他備品
カート
商品名 シルバークラフトキット
購入額 一〇,八〇〇 フリム
詳 細 銀粘土 他備品
カート
商品名 アクセサリークラフトキット
購入額 三,五〇〇 フリム
詳 細 青色スワロフスキー 他備品
カート
商品名 手作り石鹸キット
購入額 一一,〇〇〇 フリム
詳 細 アロマオイル 材料 他備品
カート
商品名 手まりキット
購入額 三,九〇〇 フリム
詳 細 色糸 他備品
カート
商品名 染めものキット
購入額 二,五〇〇 フリム
詳 細 染め粉(オリーブ) 他備品
カート
商品名 世界の染めもの図鑑
購入額 一二四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の魔術図鑑
購入額 一五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 詠唱掲載(有名魔術、属性限定)
カート
商品名 世界の乗り物図鑑
購入額 一二〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり
カート
商品名 世界の人力道具図鑑
購入額 一三〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の魔具図鑑
購入額 三五,五〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり(特許期間切れ)
カート
商品名 世界の迷宮図鑑
購入額 五五,四〇〇 フリム
詳 細 地図掲載 簡易解説
カート
商品名 世界の植物図鑑
購入額 一三五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の薬草図鑑
購入額 五五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の毒草図鑑
購入額 四四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の食用植物図鑑
購入額 五四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の鉱石図鑑
購入額 二二五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の金属図鑑
購入額 五五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の生物図鑑『獣&鳥類』
購入額 七六,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『人型』
購入額 五五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図(希少種)
カート
商品名 世界の生物図鑑『死霊』
購入額 六四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図(希少種)
カート
商品名 世界の生物図鑑『植物型』
購入額 七四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『虫型』
購入額 八四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『魔生物』
購入額 五三,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『両生&爬虫類』
購入額 七五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『水生型』
購入額 六五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『海洋型』
購入額 九七,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『幻獣&精霊』
購入額 一二九,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり
カート
商品名 世界の生物図鑑『身体構造』
購入額 九二〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 人 竜 霊獣含む
カート
商品名 世界の生物図鑑『疾病&毒物』
購入額 九八〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 人 竜 霊獣含む
カート
商品名 世界の薬品図鑑
購入額 四五五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 簡易レシピ 前世
カート
商品名 世界の保存食図鑑 (+酒類)
購入額 三二二,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 簡易レシピ 前世
カート
商品名 世界の加工食品図鑑(+調味料)
購入額 三四〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 簡易レシピ 前世
カート
商品名 世界の刺繍図鑑
購入額 三二四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 図案 前世
カート
商品名 世界の服飾図鑑
購入額 四三六,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 型紙 前世
カート
商品名 世界の防具図鑑(+付与)
購入額 三五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の武器図鑑(+付与)
購入額 四五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の細工図鑑(+付与)
購入額 九五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の楽譜『ウクレレ編』
購入額 三七〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世 種族伝統曲
カート
商品名 種族と歴史
購入額 八〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 竜種 霊獣含む
カート
商品名 世界地図
購入額 二,〇〇〇,〇〇〇 フリム
詳 細 解説あり 大陸 国 魔境 地形
カート
商品名 西洋模造剣
購入額 五三,〇〇〇 フリム
詳 細 バスタードソード
カート
商品名 特上模造刀
購入額 二八,〇〇〇 フリム
詳 細 孫六兼元
カート
商品名 コスプレ衣装『医者』
購入額 三〇〇,〇〇〇 フリム
詳 細 白衣 モノクル 聴診器
カート
合計額 一一,三二四,〇〇〇 フリム
カード 五六六,二〇〇 ポイント
合計P 五六九,一二〇 ポイント
お……恐ろしい……。どうしよう……。あまりの金額に手が震える……。
おもちゃが十六点、本が三十五点、コスプレが三点の合計五十四点の購入だ。
ちなみに、この中でのメインはビリヤードセットを除く、おもちゃ十五点と模造刀剣二本だけ。金額も一六七,一〇〇フリムと、リーズナブルとなっていた。
しかし、医者のコスプレはタマさんオススメの商品だったし、ビリヤードセットは組み立て式というところが複製に向いていたせいで、気づいたらカートに放り込んでいた。
本は、レベルが上がって新たに追加されたのが、『漫画で学べるシリーズ』や図鑑などの入門書だったのだ。
最初は少しガッカリしたのだが、内容紹介ページを見てテンションが爆上がりした。印刷技術が未熟な異世界において、フルカラーの本があるだろうか?
いや、ない。
漫画解説も分かりやすいように必要に応じてカラー印刷だし、何よりも『前世』の文字がついている図鑑は、前世の内容も含む全世界を意味する内容になっている。
よって、図鑑の最高品質である『世界の図鑑シリーズ』を片っ端からカートに入れた。
それから一番の大物である『世界地図』だ。
タマさんに聞いたところ、地図は軍事物資だから売ってない。組合に簡易地図が保管されているけど、幹部以外は閲覧禁止らしい。
ゆえに、どれだけ高くても購入するしかなかった。そして買って良かったと思っている。フルカラーだしね。
この世界の地図は前世の世界地図にソックリで、いくつかの島国がくっついているけどほとんど同じである。
今いるフィラキ大陸はオーストラリア周辺が一つにまとまって、南極に近づいたみたいな位置にある。さらに、地殻変動でいくつかに割れている。その西端の島が辺境伯領というわけだ。
俺が捜している【霊王】様の元々の居場所はユーラシア大陸に似ている大陸だったらしく、手がかりを求めるために一度は行かなければならないだろうなと思う。
とりあえず、これだけは言わせてもらおう。
「鏡餅よ、ありがとう!」
『……どうした? 今は忙しいんだが』
「おいおい、冷たいじゃないか!」
『……それで、何用だ?』
「無視か。まぁいいや。例の人間がどこにいるか分かったか? 【武帝獣】の子分のことな!」
『……あなたもか?』
「ナァーウ!」(ほらーー!)
あの日から毎日毎日遊びに行こうと騒ぐ我が子を、なんとか宥めているというのに……。まさかの増援か……。
「だって呼び出されて怒られたんだぞ? 今までで一番怖かった……。礼を言ってないって報告したら……ウェッ……!」
相当怖い目にあったらしいな……。上司を知っているだけに少しだけ同情できる。
『では【霊王】様のことも聞いたか?』
「あぁ。まさか従魔契約をしているとは思わなかった」
『幻獣のラビくんと偽っているのも知っているか?』
「隠しているのは聞いたけど、名前は今知ったな。……幸せそうだったか?」
『とても。おいしいおやつをたくさん食べていた。つい最近暴れていたワニのお肉だそうだ』
「……なおさら礼を言わなきゃな。森も綺麗にしてくれたって木々が言っていた。毒の汚染問題が一番手こずったからな。手土産は何がいいか分かるか?」
私もそれを考えていた。
「ナァーーウ!」(ぼく知ってる!)
『本当か?』
「ナウ!」(うん!)
『何が欲しいと?』
「ナァーウナウ!」(陽光樹の若木!)
何に使うんだ? あれほどの回復魔術が使えるのに。
「ナウー……」(あとー……)
『頑張れ!』
「……ナァーウナウ!」(……陰陽草の栽培法)
『何に使うか聞いたか?』
「ナゥーー!」(お酒ーー!)
『なんと! それは言っていいことなのか?』
「ナウ!」(ダメ!)
『何故言った!?』
「ナウ?」(聞いたから?)
それはそうだが……。
『とにかく謝りに行かなければ! 若木なら私が用意できる!』
「それなら俺は陰陽草の栽培法だな!」
精霊のヌシの手土産も決まったこともあり、急いで謝罪に向かうのだった。
◇◇◇
タマさんが大金をカードに入れて持ち帰って来た日は、夜中までドロン酒祭りとなった。
デブから聞いた話では、幻獣狩りはクソババアの独断で、奴隷商人の護衛たちは神子に使った神薬を王族に届ける商人の専属護衛らしい。
伯爵家の兵士扮する盗賊たちで拘束した後、仲間の女虎獣人を人質にして言うことを聞かせ、隷属の首輪をはめたらしい。
盾を持っていた方が彼氏で、俺の捜索兼捕縛を命令されていたようだ。
俺の身柄と彼女の身柄を交換するとも言われていたそうだが、頭の中がお花畑なのかな? 魔術が使用できる虎獣人の女だ。とっくに娼館で心を折られ、売却されている頃だろう。
奴隷商人は用がなくなった後に、スライムさんが飲み込んじゃった。
俺の暗殺とか捕縛が気に入らなかったようで、すぐに窒息させて死体を吐き出し、俺がスキルを切り取って吸収すると片付けてくれた。スキルは《契約》というユニークスキルで、かなり有用なスキルである。
どれほど有用かと言えば、全員が貴族お抱えと言うほど有用である。このスキル持ちは魔力契約の契約書作成と破棄ができるから、契約用紙を組合で購入する必要もないし、気に入らない契約を一方的に破棄できるというわけだ。
ただし、信用は死ぬ。貴族お抱えだからこそ許されることで、普通の商人はできない。
でもスキルを持っているのがバレれば絶対に貴族に囲われるという、貴族嫌いにとっては使いづらいスキルでもある。
抜け道はある。商人系の職業でなければいいわけで、俺は商人系とは思われない職業だから大丈夫なのだ。
それから、エルフは未だに牢屋の中にいる。
理由は死体を欲するペットたちと、労働力を欲する呑兵衛たちが取り合っているからだ。
主な理由は、スライムさんが男に変身してしまったからで、エルフを追加すれば女性になれると主張している。
ちなみに、あの可愛い片言は消えた。
幼い子どもやラビくんみたいな話し方になった。十分可愛いけど、あの片言の方が可愛いと思うのは内緒だ。
それから【トイストア】のスキルがレベルアップしたことで、《ストアハウス》の有効範囲が半径二メートルから四メートルに広がった。
神器であるカードからお金も払い戻せると聞き、世界一安全な金庫を獲得。手持ちの六十五万フリムほども全てカードに入れ、総額三千五百六十五万フリムくらいになっていた。
前世を含め今までで一番の預金残高だ。
よし! 爆買いをしよう!
これは爆買いをして強くなれという神の啓示だろう。いや……天使かな。
まぁどっちでもいいか。どうせやることは変わらないからね。
さて、早速カタログを開いて新商品を物色しよう。今回は将来的に売り出す予定の見本商品も購入する予定で、ラビくんたちには一足先にルールを覚えてもらうつもりだ。
さすがに、スキルで購入したものをそのまま売り出したくはない。利益が少ないし、追加の加工もできない。さらに、勇者達が見つけたら厄介なことになりそうだ。
だから、購入したものに手を加えた異世界版を作り、「異世界にも似たようなものがあるんだ」と思わせる作戦を考えた。あとは知らぬ存ぜぬを通せばいいだけだ。
そのためなら多少高額になっても構わない。全てはモフモフに囲まれてスローライフを送るため。
では早速、爆買いスタートなり!
――《カタログ》――
商品名 バトンリボン(星型バトン)
購入額 二,八〇〇 フリム
詳 細 新体操練習リボン 知育玩具
カート
商品名 ハンマーじゃんけんセット
購入額 三,六〇〇 フリム
詳 細 ヘルメット ハンマー二本
カート
商品名 ダーツボードセット
購入額 一,八〇〇 フリム
詳 細 木製ボード マグネット式ダーツ
カート
商品名 リバーシ
購入額 二,〇〇〇 フリム
詳 細 本格的リバーシ
カート
商品名 将棋セット
購入額 二五,〇〇〇 フリム
詳 細 脚付き将棋盤 駒 一本脚駒台
カート
商品名 ビリヤードセット
購入額 四三〇,〇〇〇 フリム
詳 細 組み立て式業務用台 他備品
カート
商品名 ウクレレ初心者八点セット
購入額 七,三〇〇 フリム
詳 細 ウクレレ 入門書 他備品
カート
商品名 絵の具セット
購入額 四,六〇〇 フリム
詳 細 十二色 鞄 他備品
カート
商品名 紙すきセット
購入額 三,〇〇〇 フリム
詳 細 キット 寒天印刷 他備品
カート
商品名 工具不要レザークラフトキット
購入額 三,八〇〇 フリム
詳 細 加工済み加工済皮革 他備品
カート
商品名 勾玉クラフトキット
購入額 五〇〇 フリム
詳 細 ピンク色 穴あき 他備品
カート
商品名 シルバークラフトキット
購入額 一〇,八〇〇 フリム
詳 細 銀粘土 他備品
カート
商品名 アクセサリークラフトキット
購入額 三,五〇〇 フリム
詳 細 青色スワロフスキー 他備品
カート
商品名 手作り石鹸キット
購入額 一一,〇〇〇 フリム
詳 細 アロマオイル 材料 他備品
カート
商品名 手まりキット
購入額 三,九〇〇 フリム
詳 細 色糸 他備品
カート
商品名 染めものキット
購入額 二,五〇〇 フリム
詳 細 染め粉(オリーブ) 他備品
カート
商品名 世界の染めもの図鑑
購入額 一二四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の魔術図鑑
購入額 一五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 詠唱掲載(有名魔術、属性限定)
カート
商品名 世界の乗り物図鑑
購入額 一二〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり
カート
商品名 世界の人力道具図鑑
購入額 一三〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の魔具図鑑
購入額 三五,五〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり(特許期間切れ)
カート
商品名 世界の迷宮図鑑
購入額 五五,四〇〇 フリム
詳 細 地図掲載 簡易解説
カート
商品名 世界の植物図鑑
購入額 一三五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の薬草図鑑
購入額 五五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の毒草図鑑
購入額 四四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の食用植物図鑑
購入額 五四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の鉱石図鑑
購入額 二二五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の金属図鑑
購入額 五五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の生物図鑑『獣&鳥類』
購入額 七六,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『人型』
購入額 五五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図(希少種)
カート
商品名 世界の生物図鑑『死霊』
購入額 六四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図(希少種)
カート
商品名 世界の生物図鑑『植物型』
購入額 七四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『虫型』
購入額 八四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『魔生物』
購入額 五三,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『両生&爬虫類』
購入額 七五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『水生型』
購入額 六五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『海洋型』
購入額 九七,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 分布図
カート
商品名 世界の生物図鑑『幻獣&精霊』
購入額 一二九,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり
カート
商品名 世界の生物図鑑『身体構造』
購入額 九二〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 人 竜 霊獣含む
カート
商品名 世界の生物図鑑『疾病&毒物』
購入額 九八〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 人 竜 霊獣含む
カート
商品名 世界の薬品図鑑
購入額 四五五,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 簡易レシピ 前世
カート
商品名 世界の保存食図鑑 (+酒類)
購入額 三二二,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 簡易レシピ 前世
カート
商品名 世界の加工食品図鑑(+調味料)
購入額 三四〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 簡易レシピ 前世
カート
商品名 世界の刺繍図鑑
購入額 三二四,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 図案 前世
カート
商品名 世界の服飾図鑑
購入額 四三六,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 型紙 前世
カート
商品名 世界の防具図鑑(+付与)
購入額 三五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の武器図鑑(+付与)
購入額 四五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の細工図鑑(+付与)
購入額 九五〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世
カート
商品名 世界の楽譜『ウクレレ編』
購入額 三七〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 前世 種族伝統曲
カート
商品名 種族と歴史
購入額 八〇,〇〇〇 フリム
詳 細 漫画解説あり 竜種 霊獣含む
カート
商品名 世界地図
購入額 二,〇〇〇,〇〇〇 フリム
詳 細 解説あり 大陸 国 魔境 地形
カート
商品名 西洋模造剣
購入額 五三,〇〇〇 フリム
詳 細 バスタードソード
カート
商品名 特上模造刀
購入額 二八,〇〇〇 フリム
詳 細 孫六兼元
カート
商品名 コスプレ衣装『医者』
購入額 三〇〇,〇〇〇 フリム
詳 細 白衣 モノクル 聴診器
カート
合計額 一一,三二四,〇〇〇 フリム
カード 五六六,二〇〇 ポイント
合計P 五六九,一二〇 ポイント
お……恐ろしい……。どうしよう……。あまりの金額に手が震える……。
おもちゃが十六点、本が三十五点、コスプレが三点の合計五十四点の購入だ。
ちなみに、この中でのメインはビリヤードセットを除く、おもちゃ十五点と模造刀剣二本だけ。金額も一六七,一〇〇フリムと、リーズナブルとなっていた。
しかし、医者のコスプレはタマさんオススメの商品だったし、ビリヤードセットは組み立て式というところが複製に向いていたせいで、気づいたらカートに放り込んでいた。
本は、レベルが上がって新たに追加されたのが、『漫画で学べるシリーズ』や図鑑などの入門書だったのだ。
最初は少しガッカリしたのだが、内容紹介ページを見てテンションが爆上がりした。印刷技術が未熟な異世界において、フルカラーの本があるだろうか?
いや、ない。
漫画解説も分かりやすいように必要に応じてカラー印刷だし、何よりも『前世』の文字がついている図鑑は、前世の内容も含む全世界を意味する内容になっている。
よって、図鑑の最高品質である『世界の図鑑シリーズ』を片っ端からカートに入れた。
それから一番の大物である『世界地図』だ。
タマさんに聞いたところ、地図は軍事物資だから売ってない。組合に簡易地図が保管されているけど、幹部以外は閲覧禁止らしい。
ゆえに、どれだけ高くても購入するしかなかった。そして買って良かったと思っている。フルカラーだしね。
この世界の地図は前世の世界地図にソックリで、いくつかの島国がくっついているけどほとんど同じである。
今いるフィラキ大陸はオーストラリア周辺が一つにまとまって、南極に近づいたみたいな位置にある。さらに、地殻変動でいくつかに割れている。その西端の島が辺境伯領というわけだ。
俺が捜している【霊王】様の元々の居場所はユーラシア大陸に似ている大陸だったらしく、手がかりを求めるために一度は行かなければならないだろうなと思う。
とりあえず、これだけは言わせてもらおう。
「鏡餅よ、ありがとう!」
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同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
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仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
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高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
召喚勇者、人間やめて魂になりました
暇人太一
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甘酸っぱい青春に憧れ高校の入学式に向かう途中の月本朝陽は、突如足元に浮かび上がる魔法陣に吸い込まれてしまった。目が覚めた朝陽に待っていた現実は、肉体との決別だった。しかし同時に魂の状態で独立することに……。
四人の勇者のうちの一人として召喚された朝陽の、魂としての新たな生活の幕が上がる。
この作品は「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
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旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
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アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
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これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
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転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
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剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
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※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
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