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10.地下からの脱出
しおりを挟む「ここから出る方法は知らない。」
マメ太はそう言った。
「いや、おしえてよ。」
「分からないんだって。」
「なんでだよ。」
マメ太は、今の状態から本来の姿を取り戻す為に奥に進んだらしい。自分に必要な魔力の源泉があると直感が言っていたそうだ。
「要はマメ太は僕たちを利用したというわけだね。」
「まぁ、うん。」
「いざというときは非常食っと。」
シュウメイはメモメモっ、と手に何かを書くような仕草を見せた。
「いやいやっ、大丈夫。絶対出られる。いやー。実を言うとなんか見覚えがあるんだよなー。」
マメ太が焦る。
「嘘付け非常食。」
「マメ太だよっ。」
「魔王だよっ。覚えとけよっ。ほんとに。」
カシャ。
足元から不気味な音が聞こえる。
は?
シュウメイ?
「やばい。なんかトラップ引いたかも。」
ゴゴゴゴ。
奥の方から何かが迫ってくる音が聞こえる。
なんだ?
巨大な鉄球が迫ってくる。
「はぁ?」
「逃げるぞー。」
マメ太が真っ先に走り出す。
それに続いて全力で走る。
道を覆う大きさの鉄球。そして一本道のため隠れる場所すらない。鉄球に押しつぶされて死ぬのか。
その時。
「ユア。強化のエンチャントって人体にもできる?」
走りながら叫ぶシュウメイ。
「できるよ。」
「あの鉄球を壊す。」
最大限の強化よろしく。
シュウメイは立ち止まって振り返る。
自分もシュウメイの後ろにつく。
肩に触れる。
目を閉じる。
「おー。さすがっ。なんか力が何倍にもなってる感じ。よっしゃ。」
自分が離れるとすぐにシュウメイは踏み込み。
鉄球に突撃する。
一閃。
僕の目の前で、鉄球は真っ二つになった。
「ふー。」
嫌な汗をかいた。
「ほー。やるねー。」
ちょこちょこと歩いてこちらによってくるマメ太。
「お前、ほんとに魔王か?」
シュウメイがマメ太に顔を近づける。
「知らないからな。魔王に対してそんな態度とって、本来の姿に戻ったら覚えとけよっ。」
「はいはい」
頭をポンポンとする。
「あれ?シュウメイ。大丈夫になった?」
はっ。
シュウメイは慌てて離れる。
「しゃべるから油断した。近づくなよ。」
「近づいたのはオマエダロ。」
マメ太がつぶやいた。
「ふー。ちょっと休憩。」
シュウメイが座り込む。
「そうだね。」
「おまえ。もう疲れたのか?」
マメ太がシュウメイを煽る。
「化け物とは違うの。」
「なんだとぉっ。」
もはや二人の、一人と一匹の喧嘩が微笑ましく思えてきた。
ってあれ。
体がふらついた。
ちょっと疲れちゃった、かも。
ドサッ。
マメ太はそう言った。
「いや、おしえてよ。」
「分からないんだって。」
「なんでだよ。」
マメ太は、今の状態から本来の姿を取り戻す為に奥に進んだらしい。自分に必要な魔力の源泉があると直感が言っていたそうだ。
「要はマメ太は僕たちを利用したというわけだね。」
「まぁ、うん。」
「いざというときは非常食っと。」
シュウメイはメモメモっ、と手に何かを書くような仕草を見せた。
「いやいやっ、大丈夫。絶対出られる。いやー。実を言うとなんか見覚えがあるんだよなー。」
マメ太が焦る。
「嘘付け非常食。」
「マメ太だよっ。」
「魔王だよっ。覚えとけよっ。ほんとに。」
カシャ。
足元から不気味な音が聞こえる。
は?
シュウメイ?
「やばい。なんかトラップ引いたかも。」
ゴゴゴゴ。
奥の方から何かが迫ってくる音が聞こえる。
なんだ?
巨大な鉄球が迫ってくる。
「はぁ?」
「逃げるぞー。」
マメ太が真っ先に走り出す。
それに続いて全力で走る。
道を覆う大きさの鉄球。そして一本道のため隠れる場所すらない。鉄球に押しつぶされて死ぬのか。
その時。
「ユア。強化のエンチャントって人体にもできる?」
走りながら叫ぶシュウメイ。
「できるよ。」
「あの鉄球を壊す。」
最大限の強化よろしく。
シュウメイは立ち止まって振り返る。
自分もシュウメイの後ろにつく。
肩に触れる。
目を閉じる。
「おー。さすがっ。なんか力が何倍にもなってる感じ。よっしゃ。」
自分が離れるとすぐにシュウメイは踏み込み。
鉄球に突撃する。
一閃。
僕の目の前で、鉄球は真っ二つになった。
「ふー。」
嫌な汗をかいた。
「ほー。やるねー。」
ちょこちょこと歩いてこちらによってくるマメ太。
「お前、ほんとに魔王か?」
シュウメイがマメ太に顔を近づける。
「知らないからな。魔王に対してそんな態度とって、本来の姿に戻ったら覚えとけよっ。」
「はいはい」
頭をポンポンとする。
「あれ?シュウメイ。大丈夫になった?」
はっ。
シュウメイは慌てて離れる。
「しゃべるから油断した。近づくなよ。」
「近づいたのはオマエダロ。」
マメ太がつぶやいた。
「ふー。ちょっと休憩。」
シュウメイが座り込む。
「そうだね。」
「おまえ。もう疲れたのか?」
マメ太がシュウメイを煽る。
「化け物とは違うの。」
「なんだとぉっ。」
もはや二人の、一人と一匹の喧嘩が微笑ましく思えてきた。
ってあれ。
体がふらついた。
ちょっと疲れちゃった、かも。
ドサッ。
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