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7.古代遺跡

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見たこともない景色。

これは建造物、なんだよな。

「どうですか。これっ。」

「すごい。」

「でしょっ。」

「でしょっ、てまるで君が作ったみたいだな。」

「見つけました。」

「そう。」

「思ったより反応が薄いなー。まぁいいか。今日はここを探索しようと思ってる。」

「探索すんの。大丈夫かなぁ。」

「大丈夫。大丈夫じゃなかったらすぐにここから出る。それでいいでしょ。」

「まぁ。いいか。」

大きな石で作られているその遺跡には入り口があり、地下に繋がっているようだった。

入ってみるか。

相変わらずマメ太もくっついてくる。

「そいつ、連れていくの?」

「着いてくるからね。」

「まぁ、いいか。」

探索が始まった。

薄暗い。

「足元に気をつけて。暗いから。」

その瞬間、バッ、と音と共に壁に付いていた松明に火がついて道を照らした。

「これって。」

何かしらの魔術?

人が通ったら明るくなる。現代技術では当たり前にあることだけれどこれはすごいな。研究しよう。

なんて考えているうちにシュウメイはどんどん奥に進んでいた。

「行くよ、マメ太。‥」

マメ太は胸を張ってズンズン進んでいた。

「何だか不気味だね。」

しばらくすると徐々に空気がひんやりとしてきた。

カタカタ。

不気味な物音。だが、見てみてもなにもいない。

「そういえば、シュウメイ。」


口を開いたその時徐々に視界にモヤがかかる感じがした。

あれっ。

シュウメイが、ぼんやり‥と。

その時、腕を掴まれた。

「ユアっ。」

シュウメイが手を引いて走っているのがわかる。だけど視界はぼんやりしたまま。

しばらく走った。

「ここならいける。

そう言うとシュウメイは手を離した。徐々に視界がはっきりとしてくる。

屍に囲まれていた。

「ユア。ちょっとだけ待ってて。」

何十体もの屍をみるみるうちに減らしていくシュウメイ。流石の剣捌きだった。戦闘をしっかりみるのは初めてだ。

そして後ろの方から大きな個体が現れる。

シュウメイはその屍の首も飛ば、せなかった。

ガキンっという音と共に、シュウメイの剣が折れた。

「やっば。」

屍の振るう錆びた剣を躱す。

バックステップでこちらに戻ってくる。

「一旦退散かな。」

「っ。ちょっと待って。シュウメイが倒した屍の落とした剣を拾う。」

「エンチャント。」

錆びた剣でも強度を上げればまだ使えるはず。
集中。

「オッケー。」

「シュウメイッ」

エンチャントを付与した剣をシュウメイに投げる。

「おっ。これならいける。」

シュウメイはその後、一瞬にして残りの屍を倒して見せた。




「さすがだねー。」

「ユアこそ、あんな一瞬でエンチャントってできるもんなの?」

「簡単なものならね。」

「うん。やっぱりあなたに決めてよかった。」

「えっ。なにが。」

「一緒に魔王を倒す仲間。」

「倒すとは言ってないけど。」

「いーや。無理矢理でも連れてく。」

それから休むことなく奥に進んだ。

まだまだ先は長い。





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