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5.仕事を覚える
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「おっはよう。」
起きてきたシュウメイは昨夜真面目な話をしたのが嘘のような感じだった。
「おっ、おはよう。眠れた?」
「はい、それはもう。」
準備体操をしながら応えるシュウメイ。
「今日はがんばっちゃいますよー。」
やる気はあるらしい。彼が強いというのはわかった。だけどそれ以外は、仕事はできるのだろうか。お手並み拝見。
とりあえず接客をしてもらおうと思う。
「任せてください。」
「こちらの防具なんていいんじゃないですか?」
主に冒険者を相手とする商売だ。武器、防具については良し悪しはわかっているように見える。でも。
「シュウメイ。武器にはね向き不向きがあるんだよ。いい武器がその人に必ずしもあうとは限らない。その人がなにを求めているのかどんな役割なのかを考えないといけない。」
「なるほど勉強になります。」
それから何組かのお客さんが来て幾つかの防具、武器が売れた。初めてにしては十分なぐらい接客は上手だった。シュウメイは愛想が良く整った顔つきをしているので女性からの人気は高いようだった。
シュウメイと話している女性たちは目を輝かせているように見えた。
そうして何とか1日が終わった。
「お疲れ様。シュウメイ。」
「お疲れ様。ユア。」
「うん?」
?
「呼び捨て、ダメ?」
「いいよ。」
突然のことに少し驚いただけ。突然の呼び捨てはちょっとびっくりするよね。
「まさかあんなに接客が上手だなんてさすが王国に呼ばれるほどの騎士様。何でもできるんだね。」
「あはは。照れるなー。実はね。実家がも商売をしてて、接客は慣れているんです。」
なるほど。
「さぞかし可愛がられていたんだろうなー。」
「ん?」
「いやいや、何でもないよ。ひとりごと。」
「そう。ユア。今日の夕飯なに?」
お腹を抑えてシュウメイは子犬のような目でこちらを見る。
「今日は、そうだな~。なにか食べたいものある?」
「ユアの作るものだったら何でもいいよ~。」
「何だそれ。」
可愛いやつだなー。
この子供のような奴になにを作ってやろうか。
そうだ。
ケチャップライスに、ミニハンバーグ。
お子様ランチだっ。
「なにこれ。」
「お子様ランチ。」
「お子様?じゃないよ。」
「まぁ、いいじゃん。」
「そうだね。美味しそうだし。」
「「いただきますっ。」」
とても美味しそうに食べてくれる。
やはり子供のようだと思ってしまう。
だけどこの子が自分を助けてくれたあの時は雰囲気が全く違った。別人のように感じられた。
「どうしたの?じーっとこっち見て。なんかついてる?」
「あっ、いや、なんでもないよー。」
「ところでさ。明日休みだよね。出かけない?」
「出かける?どこに?」
「いい場所があるんだ。リアにも教えたい。」
「わかった。」
「よっしゃ、じゃあ。明日も早起き決定だ。」
「えーー。」
起きてきたシュウメイは昨夜真面目な話をしたのが嘘のような感じだった。
「おっ、おはよう。眠れた?」
「はい、それはもう。」
準備体操をしながら応えるシュウメイ。
「今日はがんばっちゃいますよー。」
やる気はあるらしい。彼が強いというのはわかった。だけどそれ以外は、仕事はできるのだろうか。お手並み拝見。
とりあえず接客をしてもらおうと思う。
「任せてください。」
「こちらの防具なんていいんじゃないですか?」
主に冒険者を相手とする商売だ。武器、防具については良し悪しはわかっているように見える。でも。
「シュウメイ。武器にはね向き不向きがあるんだよ。いい武器がその人に必ずしもあうとは限らない。その人がなにを求めているのかどんな役割なのかを考えないといけない。」
「なるほど勉強になります。」
それから何組かのお客さんが来て幾つかの防具、武器が売れた。初めてにしては十分なぐらい接客は上手だった。シュウメイは愛想が良く整った顔つきをしているので女性からの人気は高いようだった。
シュウメイと話している女性たちは目を輝かせているように見えた。
そうして何とか1日が終わった。
「お疲れ様。シュウメイ。」
「お疲れ様。ユア。」
「うん?」
?
「呼び捨て、ダメ?」
「いいよ。」
突然のことに少し驚いただけ。突然の呼び捨てはちょっとびっくりするよね。
「まさかあんなに接客が上手だなんてさすが王国に呼ばれるほどの騎士様。何でもできるんだね。」
「あはは。照れるなー。実はね。実家がも商売をしてて、接客は慣れているんです。」
なるほど。
「さぞかし可愛がられていたんだろうなー。」
「ん?」
「いやいや、何でもないよ。ひとりごと。」
「そう。ユア。今日の夕飯なに?」
お腹を抑えてシュウメイは子犬のような目でこちらを見る。
「今日は、そうだな~。なにか食べたいものある?」
「ユアの作るものだったら何でもいいよ~。」
「何だそれ。」
可愛いやつだなー。
この子供のような奴になにを作ってやろうか。
そうだ。
ケチャップライスに、ミニハンバーグ。
お子様ランチだっ。
「なにこれ。」
「お子様ランチ。」
「お子様?じゃないよ。」
「まぁ、いいじゃん。」
「そうだね。美味しそうだし。」
「「いただきますっ。」」
とても美味しそうに食べてくれる。
やはり子供のようだと思ってしまう。
だけどこの子が自分を助けてくれたあの時は雰囲気が全く違った。別人のように感じられた。
「どうしたの?じーっとこっち見て。なんかついてる?」
「あっ、いや、なんでもないよー。」
「ところでさ。明日休みだよね。出かけない?」
「出かける?どこに?」
「いい場所があるんだ。リアにも教えたい。」
「わかった。」
「よっしゃ、じゃあ。明日も早起き決定だ。」
「えーー。」
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