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第14話 執事とメイド

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 自分の好みに合わせて選べることと、効能があること、安価であったことから、ドライハーブティーは大好評で、連日大盛況の運びとなった。
 併せてハーブクッキーも飛ぶように売れて、借金返済の目途が立ちそう。

 ようやく我が家にも執事とメイドを雇う余裕が出来たので、今後は更なる領地の発展に集中出来る。
 父も母もいつ以来だろうと手を取り合って喜んでいた。
 これでもう母の独創的な料理から解放されるのだから、父と弟と私は内心小躍りしまくりだ。
 母は残念がっていたけど。

 今日から執事さんとメイドさんが働くので、昨日のうちに部屋を綺麗に掃除しておいた。
 暫く掃除していなかったから埃がすごかったけど。
 魔法でチャチャッと済ませたので、あっという間にピカピカに。




 玄関ホールで私達家族と四人が挨拶を交わす。

「初めまして、私はワイズ子爵家次男、ウィリアム.ワイズと申します。ハーベスト伯爵様にお声をかけて頂いたこと大変感謝しております。ハーベスト家に忠誠を誓いお仕えしていく所存です。何卒よろしくお願いいたします」

 父より少し年下の彼は緊張した面持ちながら、しっかりとした口調で挨拶をする。
 真面目で誠実な印象だ。

「こちらこそよろしく頼む、ウィリアム。ウィリアム、私の妻のディアナだ」

 父は隣の母を紹介した。

「ウィリアムさん、初めましてディアナよ。マリウスの補佐を頼みますね」

 相変わらずおっとりした口調で話す母。

「それから、娘のミリアーナと息子のマーカスだ。」

 父は私と弟の後ろに立ち肩に手を置いて紹介する。

「初めまして、ハーベスト家長女、ミリアーナ.ハーベストです」

 名前を告げて会釈をする。

「マーカス.ハーベストです」

 私の真似をして挨拶をするマーカスくん。
 可愛い!良く出来ました!

「ミリアーナお嬢様、マーカスお坊ちゃま、ご挨拶ありがとうございます」

 ウィリアムさんは私達にピシッと背筋を伸ばし、深々と頭を下げた。

「彼女達は左から、ソフィア、メリダ、アリスだ。家のことは彼女達に任せる」

 父はそう言うと、彼女達に挨拶をするよう促した。

「ソフィアと申します。よろしくお願い申し上げます」

 彼女はソフィア、四十代位だろうか、一番の年長者だ。
 はきはきとした口調はしっかりした印象を受けた。

「メリダと申します。母と妹共々お仕えさせて頂きます。今後ともよろしくお願いいたします」

 なんと!三人は親子でした。
 しかもメリダさん、ソフィアさん同様にしっかりした口調で生真面目そう。

「アリスです!一生懸命頑張ります!」

 うん、元気だね。
 緊張しているのか、笑顔が引き攣っているけど。
 可愛い。




 一通り顔合わせと挨拶が終わり、父と母は皆をそれぞれの部屋に案内して荷物を整理したら仕事をするように、と告げた。

 皆いい人そうで良かった。
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