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パーティ離脱
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「結界が解かれていたぞっ! ティト、大丈夫かっ!?」
「妖魔の気配がするっ! もしかして……」
二人は慌てて俺に近づくと、頭の先からつま先まで、しげしげと俺を観察した。
「おかえりなさい、ファビオ様、オルランド様! 大丈夫です。俺はなんともありませんよ!」
二人とも今朝見たときそのままの、王子様的なキラキラスタイルだ!
こうやって二人と会えるのも今日が最後かと思うと、俺の心はきゅっと締め付けられるようだった。
「ティト、俺たちから話があるんだ!」
「今日私達は、王と会ってきたんだ!」
ファビオもオルランドも、なぜか申し合わせたかのように、二人そろって大きな薔薇の花束と、プレゼントの箱を抱えていた。
違いといえば、ファビオが持っているのは赤い薔薇で、オルランドは白い薔薇。ファビオが持っているプレゼントのリボンは目の覚めるようなブルーで、オルランドのプレゼントのリボンは真紅ということくらい……。
その時俺は、はたと気づいた。
ーーそうか、これはお互いから、お互いへのプレゼントなんだ!
おそらく、二人の愛が世間に認められた記念か、もしくは華々しい二人の結婚が決まった記念の……。
ということは、もしかして、式の日取りやら新居やら、二人で飼う犬の名前なんかまで、なにからなにまで、すでにもう決まっている、ということなのだろうか……?
俺の心のなかに、黒いもやもやが広がっていく。
「じゃあ先に、お茶を入れますね!」
笑顔を取り繕い、備え付けのミニキッチンに向かおうとした俺を、二人が止めた。
「もう待てないんだ! ティト!」
「一刻も早く話がしたい!!」
「……わかりました」
二人の剣幕に押されて、俺は二人に向かい合う形で、ソファに座った。
美しい二人を目の前に、俺の心臓は飛び出さんばかりにバクバクいっていた。
ーー俺は今、二人から重大な発表をされようとしている!!
「聞いてくれ、ティト!」
「私達でよく話し合ったことなんだ!」
切羽詰まった表情の二人。
だが、俺にはそれより先に、どうしても言うべきことがあった。
俺はゴクリとつばを飲み込んだ。
「待ってくださいっ! 俺からも、お二人に、お話があるんですっ!
ぜひ先に、俺の話を聞いていただきたいんです!!」
「何?」
「一体なんだい?」
若干戸惑った表情をしながらも、ファビオとオルランドは俺が先に話すことを許可してくれた。
俺は心を決めると、大きく深呼吸してから、言った。
「今までさんざんご迷惑をおかけしてすみませんっ!
でも俺、やっとお二人の気持ちに気づいたんです。
だから俺……、もうこれ以上、このダンジョン探索はもう続けられません。
ーー俺は今日限りで、このパーティから離脱します!!」
「妖魔の気配がするっ! もしかして……」
二人は慌てて俺に近づくと、頭の先からつま先まで、しげしげと俺を観察した。
「おかえりなさい、ファビオ様、オルランド様! 大丈夫です。俺はなんともありませんよ!」
二人とも今朝見たときそのままの、王子様的なキラキラスタイルだ!
こうやって二人と会えるのも今日が最後かと思うと、俺の心はきゅっと締め付けられるようだった。
「ティト、俺たちから話があるんだ!」
「今日私達は、王と会ってきたんだ!」
ファビオもオルランドも、なぜか申し合わせたかのように、二人そろって大きな薔薇の花束と、プレゼントの箱を抱えていた。
違いといえば、ファビオが持っているのは赤い薔薇で、オルランドは白い薔薇。ファビオが持っているプレゼントのリボンは目の覚めるようなブルーで、オルランドのプレゼントのリボンは真紅ということくらい……。
その時俺は、はたと気づいた。
ーーそうか、これはお互いから、お互いへのプレゼントなんだ!
おそらく、二人の愛が世間に認められた記念か、もしくは華々しい二人の結婚が決まった記念の……。
ということは、もしかして、式の日取りやら新居やら、二人で飼う犬の名前なんかまで、なにからなにまで、すでにもう決まっている、ということなのだろうか……?
俺の心のなかに、黒いもやもやが広がっていく。
「じゃあ先に、お茶を入れますね!」
笑顔を取り繕い、備え付けのミニキッチンに向かおうとした俺を、二人が止めた。
「もう待てないんだ! ティト!」
「一刻も早く話がしたい!!」
「……わかりました」
二人の剣幕に押されて、俺は二人に向かい合う形で、ソファに座った。
美しい二人を目の前に、俺の心臓は飛び出さんばかりにバクバクいっていた。
ーー俺は今、二人から重大な発表をされようとしている!!
「聞いてくれ、ティト!」
「私達でよく話し合ったことなんだ!」
切羽詰まった表情の二人。
だが、俺にはそれより先に、どうしても言うべきことがあった。
俺はゴクリとつばを飲み込んだ。
「待ってくださいっ! 俺からも、お二人に、お話があるんですっ!
ぜひ先に、俺の話を聞いていただきたいんです!!」
「何?」
「一体なんだい?」
若干戸惑った表情をしながらも、ファビオとオルランドは俺が先に話すことを許可してくれた。
俺は心を決めると、大きく深呼吸してから、言った。
「今までさんざんご迷惑をおかけしてすみませんっ!
でも俺、やっとお二人の気持ちに気づいたんです。
だから俺……、もうこれ以上、このダンジョン探索はもう続けられません。
ーー俺は今日限りで、このパーティから離脱します!!」
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