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第48話
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「わあーっ、いい風っ!
アスランもこっちに来いよ!」
俺は甲板の最前方に立ち、潮風を思い切り胸に吸い込んだ。
「ククリ、危ないよ。そんなところで身を乗り出したら!」
過保護なアスランは、俺に近づくと、俺を背中から抱きしめた。
「アスラン、くすぐったい……!」
「ふふ、ククリ、照れてるの?」
「……」
「……」
そんな俺達を生暖かい目で見守るのは、船の乗組員たち……。
なんと俺達は今、洋上にいた!
なぜなら、俺達の初夜を阻もうとする輩(主にエルミラお母様とジェノ兄様)の追撃をかわすためだ。
結婚式とその披露パーティを終えた俺達は、そのまま馬車で港へ向かい、アスランが秘密裏に手配していた船に乗り込んだというわけ!
諦めの悪いあの二人は、なんとかして俺の純潔を守ろうと、四方八方の新婚さん向けリゾート地に手を回していたらしい……。こっそりネリーがそのことを教えてくれなかったら、俺達の大事な夜は、般若と化したお母様に乗り込まれて、なにもかもぶち壊しになってしまうところだった。
しかし、そこはアスラン!
陸がだめなら、海へ! ということで、プライベート向けの豪華な客船をちゃちゃっと手配してくれた。
仕事もできる男、アスラン……! 好き!!!!
このたび新しい領地を得て、騎士団を発足させるアスラン。
「でも、なんで俺が団長なの? アスランが、なればいいのに」
海風を受けながら俺が言うと、アスランは後ろから俺の首筋の匂いを嗅ぐみたいに、顔をこすりつけてきた。
「俺、ずっとククリに憧れてたんだ……。初めて会ったときから、今も、ずっとククリは俺のボスだよ!
だから、新しい騎士団を作っていいって言われた時、真っ先にククリの顔が浮かんで……。
それに」
「ヒャっ!」
チュッと首筋にキスされて、思わず俺は声を上げる。
「ククリが騎士団長になってくれれば、仕事中も俺とずっといっしょにいられるだろう?」
ーーただの団員でも、一緒にいられるけどね!
「あのさ、俺、さっそく騎士団長として、提案があるっ!」
俺はくるっと向きを変え、すっぽりとアスランの腕の中に収まった。
「なに? どうぞ、何でも言ってください。団長」
アスランがぎゅっと俺を抱きしめ、俺の背を撫でる。
「二人だけで騎士団っていうのも何だからさ、仲間を増やそうよ!」
「え……」
アスランの身体がこわばる。
「たしか、団員は騎士団長である俺が選べるんだったよね?」
ーーそう、こういうことだけは記憶力がいい俺!
「本当はすごーく聞きたくないけどさ、ククリ、それって誰をスカウトする気なの?」
アスランの問いに俺は顔をあげ、ニヤッと笑った。
「もちろん、アナスタシアと、ルカだよ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
で、それから、どうなったかって……?
俺はその後、船の上で、アスランにめちゃくちゃロマンチック、かつ優しくリードされて、心も身体もトロトロにされて……。無事アスランと一つになることができた。
それからそれから、俺の念願かなって(?)、アナスタシアとルカは、新しく発足した騎士団「ベリーエフ騎士団」の仲間入りを果たした。
ルカの加入には、アスランは最後まで渋ったけど、そこはなんとか俺が強引に説き伏せた。
そして……、
もしかしなくてもアスランや俺より強いアナスタシア、そして回復魔法をはじめとした魔法のスペシャリストのルカを加え、ベリーエフ騎士団は今や史上最強!! 魔獣討伐実績ナンバーワン! 向かうところ敵なしと、もはや国民のヒーロー扱いで王都のキッズたちにも大人気!!
だが……、
最強騎士団の騎士団長として、仕事の面では絶好調の俺だったが……、
実は今、俺はアナスタシアとルカの二人を騎士団に迎えるために、アスランと交わした個人的な契約のため……、私生活において、解決しがたいある悩みを抱えていた……。
それは……、
アスランもこっちに来いよ!」
俺は甲板の最前方に立ち、潮風を思い切り胸に吸い込んだ。
「ククリ、危ないよ。そんなところで身を乗り出したら!」
過保護なアスランは、俺に近づくと、俺を背中から抱きしめた。
「アスラン、くすぐったい……!」
「ふふ、ククリ、照れてるの?」
「……」
「……」
そんな俺達を生暖かい目で見守るのは、船の乗組員たち……。
なんと俺達は今、洋上にいた!
なぜなら、俺達の初夜を阻もうとする輩(主にエルミラお母様とジェノ兄様)の追撃をかわすためだ。
結婚式とその披露パーティを終えた俺達は、そのまま馬車で港へ向かい、アスランが秘密裏に手配していた船に乗り込んだというわけ!
諦めの悪いあの二人は、なんとかして俺の純潔を守ろうと、四方八方の新婚さん向けリゾート地に手を回していたらしい……。こっそりネリーがそのことを教えてくれなかったら、俺達の大事な夜は、般若と化したお母様に乗り込まれて、なにもかもぶち壊しになってしまうところだった。
しかし、そこはアスラン!
陸がだめなら、海へ! ということで、プライベート向けの豪華な客船をちゃちゃっと手配してくれた。
仕事もできる男、アスラン……! 好き!!!!
このたび新しい領地を得て、騎士団を発足させるアスラン。
「でも、なんで俺が団長なの? アスランが、なればいいのに」
海風を受けながら俺が言うと、アスランは後ろから俺の首筋の匂いを嗅ぐみたいに、顔をこすりつけてきた。
「俺、ずっとククリに憧れてたんだ……。初めて会ったときから、今も、ずっとククリは俺のボスだよ!
だから、新しい騎士団を作っていいって言われた時、真っ先にククリの顔が浮かんで……。
それに」
「ヒャっ!」
チュッと首筋にキスされて、思わず俺は声を上げる。
「ククリが騎士団長になってくれれば、仕事中も俺とずっといっしょにいられるだろう?」
ーーただの団員でも、一緒にいられるけどね!
「あのさ、俺、さっそく騎士団長として、提案があるっ!」
俺はくるっと向きを変え、すっぽりとアスランの腕の中に収まった。
「なに? どうぞ、何でも言ってください。団長」
アスランがぎゅっと俺を抱きしめ、俺の背を撫でる。
「二人だけで騎士団っていうのも何だからさ、仲間を増やそうよ!」
「え……」
アスランの身体がこわばる。
「たしか、団員は騎士団長である俺が選べるんだったよね?」
ーーそう、こういうことだけは記憶力がいい俺!
「本当はすごーく聞きたくないけどさ、ククリ、それって誰をスカウトする気なの?」
アスランの問いに俺は顔をあげ、ニヤッと笑った。
「もちろん、アナスタシアと、ルカだよ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
で、それから、どうなったかって……?
俺はその後、船の上で、アスランにめちゃくちゃロマンチック、かつ優しくリードされて、心も身体もトロトロにされて……。無事アスランと一つになることができた。
それからそれから、俺の念願かなって(?)、アナスタシアとルカは、新しく発足した騎士団「ベリーエフ騎士団」の仲間入りを果たした。
ルカの加入には、アスランは最後まで渋ったけど、そこはなんとか俺が強引に説き伏せた。
そして……、
もしかしなくてもアスランや俺より強いアナスタシア、そして回復魔法をはじめとした魔法のスペシャリストのルカを加え、ベリーエフ騎士団は今や史上最強!! 魔獣討伐実績ナンバーワン! 向かうところ敵なしと、もはや国民のヒーロー扱いで王都のキッズたちにも大人気!!
だが……、
最強騎士団の騎士団長として、仕事の面では絶好調の俺だったが……、
実は今、俺はアナスタシアとルカの二人を騎士団に迎えるために、アスランと交わした個人的な契約のため……、私生活において、解決しがたいある悩みを抱えていた……。
それは……、
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