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第23話
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「はあっ、ふっ……」
汗ばんだ身体。
人間離れした無機質な印象の彼を、唯一、身近に感じる瞬間。
「もっと……」
僕が背中に手を回すと、オスカーは耳元で低く笑う。
「どうしました? 今日はびっくりするほど積極的ですね……」
「はやく……、もう待てない」
背中に爪を立ててやる。
「まだ、充分ほぐれていないでしょう……」
オスカーの言葉を、自分の唇でふさぐ。
「オスカーっ……、んんっ」
オスカーはねっとりとした口づけで応えてくれる。
オスカーとのセックスは、次第に僕の日常に溶け込んでいった。
多忙を極める父親は、ほとんど屋敷に寄りつかない。ほかに屋敷にいるのは、顔と名前も一致しない使用人たち。
そんな中で、オスカーは僕の唯一の理解者だった。
王立学院から戻ると、夕食の後、風呂に入る。その後は、部屋でオスカーに勉強を見てもらう。
僕が疲れた様子を見せなければ、その後、オスカーは僕をベッドに誘う。習慣になると、オスカーと肌を合わせることに対して、少しずつ抵抗はなくなっていった。
ハンターとは何度もセックスしていたが、感情の部分で感じていた部分が大きかった。
だが、オスカーとは違う。
オスカーとは、感情のやりとりはなにもない。
だが、オスカーはその繊細な指使いで、あっという間に僕のすべてを解放する。
セックスという行為自体に、純粋な悦楽があることを、オスカーは僕に教えてくれた。
――そして、
オスカーに抱かれているときは、本当に何もかも忘れることができた。
「んんっ、くうっ……」
ゆっくりと腰を進めるオスカーを、僕の中に受け入れる。普段は冷静なオスカーも、このときだけは熱を帯びた表情になる。
「締め付けすぎですっ」
僕の身体をゆるめようと、オスカーの手が、僕自身を優しく愛撫する。
僕はその手をつかんで止めた。
「オスカーっ、今日は激しくしてっ」
僕はオスカーにしがみつく。
「ルイ様……?」
「今日は、優しくしないで。酷くしてもいいからっ……」
オスカーの動きが止まる。
「……いいんですか? 容赦はしませんよ」
オスカーがその美しい目を細める。
「いいからっ、早く……」
「あとになって、やめて欲しいと泣いて頼んでも、やめませんよ」
そう言うと、オスカーは強引に僕の中に押し入ってきた。
「あっ、あああっ」
身体が引き裂かれるような感覚。
――目を固くつぶると、思い浮かぶのは、剣を手にしたディランの姿。
あのがっしりとした腕に、抱きしめられたら……。
「動きますよ……、今日は楽しませてもらいますね」
「あっ、あああっ」
いつになく激しく、オスカーが腰を動かす。
身体がぶつかり合う音が、聞こえてくる。
無理矢理犯されているような感覚に、僕はさらに感じてしまう。
「もっと、もっと……」
もっと、奥まで感じたかった。僕を犯す、凶暴な雄を。
「ねえ……、後ろから、してよ」
オスカーの首筋に噛みつき、僕は言った。
「お望みとあらば」
オスカーは笑うと、つながったまま、僕を後ろ向きに反転させる。
「あっ、くうっ……」
オスカーが僕の上に覆い被さってくる。引き寄せられると、結合がさらに深くなる。
「感じる……、気持ちいいっ」
「ルイ様……、あなたには男を惑わせる魔性がある……」
そう言うと、オスカーは僕の背中を舐めあげた。
「あっ、ああああんっ」
僕はシーツをつかんで快感に耐える。
「……私の顔をわざと見ないで、一体、誰のことを想像して抱かれるんですか?」
突然の冷たい声に、頭に冷水を浴びせられたような気持ちになった。
「……オスカー?」
「ワード君ですか? それとも……、誰かほかに、抱かれたい男ができましたか?」
「……っ、ああっ」
答えない僕に、オスカーは後ろから激しく突き上げる。
「あっ、嫌っ、ああっ、オスカーっ」
「わざとらしく私の名前を呼んでも無駄ですよ。……まさか、自分の中にこんな感情があるなんて、思いもしませんでした。
ルイ様……、あなたとこうやってベッドを共にするたび、こうして私は新しい自分を発見することができる。あなたは本当に、――許しがたい悪魔だ」
「ああっ、あああー!!」
なおも激しく僕を蹂躙するオスカーに、僕はあられもない声をあげ続けていた。
「はあっ、ふっ……」
汗ばんだ身体。
人間離れした無機質な印象の彼を、唯一、身近に感じる瞬間。
「もっと……」
僕が背中に手を回すと、オスカーは耳元で低く笑う。
「どうしました? 今日はびっくりするほど積極的ですね……」
「はやく……、もう待てない」
背中に爪を立ててやる。
「まだ、充分ほぐれていないでしょう……」
オスカーの言葉を、自分の唇でふさぐ。
「オスカーっ……、んんっ」
オスカーはねっとりとした口づけで応えてくれる。
オスカーとのセックスは、次第に僕の日常に溶け込んでいった。
多忙を極める父親は、ほとんど屋敷に寄りつかない。ほかに屋敷にいるのは、顔と名前も一致しない使用人たち。
そんな中で、オスカーは僕の唯一の理解者だった。
王立学院から戻ると、夕食の後、風呂に入る。その後は、部屋でオスカーに勉強を見てもらう。
僕が疲れた様子を見せなければ、その後、オスカーは僕をベッドに誘う。習慣になると、オスカーと肌を合わせることに対して、少しずつ抵抗はなくなっていった。
ハンターとは何度もセックスしていたが、感情の部分で感じていた部分が大きかった。
だが、オスカーとは違う。
オスカーとは、感情のやりとりはなにもない。
だが、オスカーはその繊細な指使いで、あっという間に僕のすべてを解放する。
セックスという行為自体に、純粋な悦楽があることを、オスカーは僕に教えてくれた。
――そして、
オスカーに抱かれているときは、本当に何もかも忘れることができた。
「んんっ、くうっ……」
ゆっくりと腰を進めるオスカーを、僕の中に受け入れる。普段は冷静なオスカーも、このときだけは熱を帯びた表情になる。
「締め付けすぎですっ」
僕の身体をゆるめようと、オスカーの手が、僕自身を優しく愛撫する。
僕はその手をつかんで止めた。
「オスカーっ、今日は激しくしてっ」
僕はオスカーにしがみつく。
「ルイ様……?」
「今日は、優しくしないで。酷くしてもいいからっ……」
オスカーの動きが止まる。
「……いいんですか? 容赦はしませんよ」
オスカーがその美しい目を細める。
「いいからっ、早く……」
「あとになって、やめて欲しいと泣いて頼んでも、やめませんよ」
そう言うと、オスカーは強引に僕の中に押し入ってきた。
「あっ、あああっ」
身体が引き裂かれるような感覚。
――目を固くつぶると、思い浮かぶのは、剣を手にしたディランの姿。
あのがっしりとした腕に、抱きしめられたら……。
「動きますよ……、今日は楽しませてもらいますね」
「あっ、あああっ」
いつになく激しく、オスカーが腰を動かす。
身体がぶつかり合う音が、聞こえてくる。
無理矢理犯されているような感覚に、僕はさらに感じてしまう。
「もっと、もっと……」
もっと、奥まで感じたかった。僕を犯す、凶暴な雄を。
「ねえ……、後ろから、してよ」
オスカーの首筋に噛みつき、僕は言った。
「お望みとあらば」
オスカーは笑うと、つながったまま、僕を後ろ向きに反転させる。
「あっ、くうっ……」
オスカーが僕の上に覆い被さってくる。引き寄せられると、結合がさらに深くなる。
「感じる……、気持ちいいっ」
「ルイ様……、あなたには男を惑わせる魔性がある……」
そう言うと、オスカーは僕の背中を舐めあげた。
「あっ、ああああんっ」
僕はシーツをつかんで快感に耐える。
「……私の顔をわざと見ないで、一体、誰のことを想像して抱かれるんですか?」
突然の冷たい声に、頭に冷水を浴びせられたような気持ちになった。
「……オスカー?」
「ワード君ですか? それとも……、誰かほかに、抱かれたい男ができましたか?」
「……っ、ああっ」
答えない僕に、オスカーは後ろから激しく突き上げる。
「あっ、嫌っ、ああっ、オスカーっ」
「わざとらしく私の名前を呼んでも無駄ですよ。……まさか、自分の中にこんな感情があるなんて、思いもしませんでした。
ルイ様……、あなたとこうやってベッドを共にするたび、こうして私は新しい自分を発見することができる。あなたは本当に、――許しがたい悪魔だ」
「ああっ、あああー!!」
なおも激しく僕を蹂躙するオスカーに、僕はあられもない声をあげ続けていた。
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