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もしもの話『白い部屋』(アトラス×ハルトヴィーツ)
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※読んでいただいてありがとうございます!お気に入り、しおり、大変嬉しく励みになります!
本編が割とマジな展開ですが、いきなりKYに番外編挟んですみません。全然全く本編と関係ないIfな世界のお話です。単にいちゃいちゃさせたかっただけなのですっとばしてもらっても大丈夫です。ちなみにアトラス×ハルトヴィーツです。それでは、背後にお気をつけてどうぞ!
☆☆☆☆☆☆☆
「なあ、アトラス。ここどこだ?」
「どこ、でしょうか…」
二人はぽかんとしながら自分たちの周りを視線だけ動かして確認する。
確か、さっきまで『金の卵』で夕食を食べてそのまま借りた部屋でくつろいでいたはずだ。
それが何故か今、見慣れた部屋ではなく無機質にも思われる一面真っ白な壁、床、天井に囲まれた部屋と思われるところに居た。
アトラスはあたりを警戒しながらハルトヴィーツを抱きかかえると「転移」と言った。
しかし、いつものように光に包まれることはなく、言葉だけが虚しく響いた。
「転移が使えませんね。魔法や魔術が無効な空間でしょうか」
ハルトヴィーツを「離れないでくださいね」と、言いながら下ろすとより一層警戒しながら辺りを見渡す。
窓もドアもない。人の気配もない。
しかし、宿でいた二人はトラップに引っかかったとも思えない。誰かが意図的にこの空間に釣れてきたとしか考えられない。
寒くもないし、暑くもないが、とにかく怪しい。
そして、その部屋と思われるこの空間にはやはり人の気配はない。
真ん中にポツンと白い箱があるだけだ。
明らかに怪しいが、転移もできず、ドアも窓もないこの部屋で唯一の現状打開できそうなそれを開けないことにははじまらないのだろう。
アトラスは意を決して箱にそろりそろりと近づくと、箱の蓋を開けた。
そこには、一枚の紙切れと服が入っていた。
緊張した面持ちで、アトラスが紙切れを手に取ると文字が書いてある。
ハルトヴィーツもひょこっと覗きこんだが、そこに書いてある言葉に二人は固まった。
『メイド服プレイができたら元の世界に返します。なお、この司令書が消えたらベッドが出てきます』
と、書かれていて、読んだとみなしたのか司令書らしい紙切れは光となって消えて、代わりに現れたでかいベッドの上に二人は乗る形になっていた。
「待て待て待て!状況が追いつかん。メイドプレイってなんだ?と、いうか何故ベッドの上にいるんだ?どこから現れた?」
「メイドプレイ…もしや、この服を着て性行為を行えということでしょうか?」
「せ、性行為!?は!?何故だ!?」
「え?いや、その意図はわかりませんが、状況から見てそうなのではないかと…この服が所謂メイド服なのでは?やたらとスカートの丈が短い気もしますが…」
アトラスが箱に入っていた服を眺めるように持ち上げると、ハルトヴィーツに渡した。
「…何故オレに渡す?」
「それはサイズ的にもハルのサイズですし…おお、長い靴下と…あ、カチューシャが二種類もありますね。この獣耳のついているカチューシャはしっぽとセットなんですね」
「お前、楽しんでないか?」
嬉々とした表情に見えなくもないアトラスにげんなりしながらハルトヴィーツが言うと、そんなことないですよと返事しながら、カチューシャどっちがいいですか?と、聞いてきた。
アトラスが持っていたのは、メイドたちがユニフォームでつけている白くてフリルのようなものがついたカチューシャで、一つは何故か獣の耳を模したものがついていた。
猫耳らしいそれは、ご丁寧にしっぽまで用意されていた。ちなみにしっぽの先に棒のようなものがついており、それをどこに入れて装着するのか一瞬考えたが、恐ろしい考えに至ったのでそれ以上は考えないことにした。
「しかし、何故メイドなんだ?よくわからん」
「世の中には性的なご奉仕というものをメイドに求める人間もいることから、そういったもので興奮するモノがあるのでは?」
「そんな奴がいるのか?クズな主だな…信じられん」
「まあ、ハルは普段からメイドに囲まれて生活してますから特別メイド服に何か思うということはまずないでしょうね」
「ないな。働いてもらっているものにそんな目を向けていたら生活どころじゃなくなるだろ」
「そうですね…さて、はい。着替えてください」
「はあ!?お前正気か!?」
「正気ですよ。着方わかりますか?」
「んー…いけると思う…って違う!そうじゃない!サラッと何言ってるんだ!?」
「いやだって、メイド服着たハルと性行為を見せつけないと帰れないみたいですし…」
「そ、そうかもしれないが!いや、誰に見られてるだかわからんところでそんなことできるか!!!」
「じゃあ、ずっとこのままここに居ますか?」
「それは…」
「無理ですよね。はい、諦めてこの服着てください」
顔を真っ赤にして抗議していたハルトヴィーツだったが、アトラスにそう言われると返す言葉もなく、言葉を詰まらせた。
ううぅ…、と小さく唸ってから、腹をくくったのか、アトラスから乱暴にカチューシャを受け取ると服を脱いだ。
白いブラウスはシャツの要領で着ることができた。エプロン風のワンピースのようなやたらと短いスカートに少し悩みつつ、とりあえず下から履いたらいいかと腰まで上げて、肩を通して、腰のあたりにある紐を後ろでどう括ればいいのか悩んでいると、アトラスが結んでくれたので服はなんとか形になった。
「あ、ハル。下着もありますよ」
ぴらっと、なんとも頼りない面積のパンツをアトラスがつまんでハルトヴィーツに見せると、火を吹くように顔を真っ赤にさせ、金魚のように口をパクパクさせた。
「な、な、なっ!なんで!?」
「スカート短いからじゃないですか?その下着じゃ見えますよね」
ハルトヴィーツが履いているのは、トランクスだ。確かにスカートからはみ出ている。
「でもそれ…!」
あまりにも頼りない面積じゃないか!?隠す場所少なくないか!?
ハルトヴィーツは目の前にあるパンツを見て、ツッコミをいれた。
そうなのだ、白のレースの可愛らしいパンツはトランクスと比べてかなり小さい。そして、尻の部分にいたっては隠してない。紐だ。前はまだ布だが、尻は紐だ。
どう考えでも下着として役に立ってない。
「世の中の女性はこんな下着とも言えないものを身に着けて生活しているのか…?」
「それはなんとも言い難いですね。まあ、それはそれとして、今はこれしかないので諦めて履いてください」
「本気か…?」
「本気です」
ううぅ…と、また小さく唸ってからハルトヴィーツは受け取って、履いていた下着を脱いで受け取った下着に履き替えた。
非常に複雑な心境である。
それから、太ももまであるやたらと長い靴下を履いて、カチューシャをつけた。
ハルトヴィーツメイドさんの完成である。
「スースーする…」
「可愛らしいですよ、ハル」
「そう言われても嬉しくない…何かを失った気分だ…」
アトラスがハルトヴィーツを抱き寄せて膝に乗せると、ハルトヴィーツは困ったような複雑な顔でアトラスを見た。
「ほ、本当にするのか…?」
「正直、こんなふざけたことを…と、思っていましたが、戸惑っているハルが可愛すぎて興奮しました」
「…っ、ばか」
「はい、馬鹿ですみません」
「んん…っ」
アトラスがハルトヴィーツに唇を重ねる。甘やかすようなアトラスの舌は、甘い刺激をやわやわと与えて、少し物足らない。
ちゅっ、と唇を離すとハルトヴィーツの瞳は物欲しそうな瞳をしていた。
アトラスはクスッと笑うと指先でハルトヴィーツの唇をなぞった。
「ご奉仕してくれないんですか、ハル」
「ご奉仕って…何を…」
アトラスは、ハルトヴィーツのシャツの上から胸の尖りに触れると、反応するようにビクッと体を震わせた。
「ぁ…っ」
「シャツの上からでもわかりますね」
「ぁう…ぅ」
シャツの上からでもわかってしまうソレを両手で摘んだりと、弾かれたりするとはっきりとその膨らんだものが目視できる。
ピリピリとした甘い刺激に、ハルトヴィーツは瞳を潤ませた。
「ハルがしたいようにしてくれたらいいですよ?」
唇を割り、指で舌を刺激するとハルトヴィーツは甘い声を漏らす。
舌を刺激してくる指に応えるようにペロペロと舐めると、舌が段々と敏感になり、舐めるだけで感じてしまい、熱が昂ぶってくる。
アトラスの指が離れた時には、息が上がってハルトヴィーツの瞳はとろんと蕩けるような顔になっていた。
ハルトヴィーツは、膝からおりるとアトラスのズボンに手をかけた。
「勃ってる…」
「ハルがエロいせいですよ」
ハルトヴィーツは、剥き出しになったアトラス自身に手で触れるとぺろりと舌を這わした。
アトラスがビクッと体を震わすと、その反応に満足したのか嬉しそうに微笑んでから口に咥えた。
「…っ、ハル…」
「ふぁほひふふんひゃろ?」
「ん…っ、もう、エロすぎませんかっ」
じゅぶじゅぶと水音を立てながら口を上下に動かしたり、鈴口を舌で舐め回すと、アトラスが小さく呻くのでハルトヴィーツは感じてくれていることが嬉しくなって夢中で口を動かした。
時折アトラスはハルトヴィーツの髪を優しく撫でて「上手です…」と、褒めてくれるのは嬉しいが、少し余裕があるように思い、少しだけ悔しい。
先の方が段々と膨らんで張り詰めてくると、手にリズムをつけながら上下に動かして、先っぽを舌で追い立てるように舐めたり、鈴口を割って舌でれろれろと舐めると、アトラスの甘い声が頻繁に聞こえてきた。
パンパンに張り詰めたソレは達することを望んでいることがわかる。
しかし、ハルトヴィーツはそこで手を離して舌を根本からゆっくりと這わせて、アトラスを見上げるように見ると熱っぽい瞳がこちらを見つめていた。
ゾクゾクとする視線を受け、体が熱を帯びてくるのがわかる。
ハルトヴィーツは妖しく微笑むと、また舌だけでペロペロと舐めて刺激を与える。
ピクッと反応するところを執拗に舐めると唸るような声と荒い息が耳から入ってきて、余裕がなくなってきたアトラスに嬉しくなった。
夢中で口に咥えていると、アトラスがふいに体を動かしたので何事かと思い見上げると、いつの間にか押し倒されていた。
ふー、ふー、と息をするアトラスはまるで獣のようで、ハルトヴィーツは思わず息を飲んだ。
そのまま顔が近づき、奪われるように強引な口づけをされる。
息をする暇もないくらいの荒いキスは苦しいけれど気持ちよくて、貪られるように口内を荒らされる。
「んぁ!?んんんんッ」
キスをしながら、双丘を割られ孔に指を急に入れられたことに驚いていると、ただ広げるだけのその行為はあっさりと終わり、凶暴なまでに育ったモノを押し挿れられた。
こじ開けられるように、でもゆっくりではない焦るような動きで侵入してきたそれは窮屈そうに存在している。
しかし、乱暴やってきたそれはハルトヴィーツを快感に導いてくれるものだとソコは知っているので、簡単に受け入れてしまった。
「んっ、ぁ…アトラスぅ…」
「くっ…」
アトラスは一心不乱に腰を打ち付けた。
相手を思いやるようなそんな動きではなく、射精をしたいと懇願するような本能的な動きで、そこには言葉もなく、余裕もなく、ただ快感を求めるように激しく腰を動かした。
「あぁあっ、ああっ、あっ」
「…っはぁ、あっ」
あーッ!、とアトラスが呻くと、背中を反り腰をぐいぐいと密着させて天井を仰いだ。
肩で息をしながら、力が抜けるように背中を丸めているアトラスは顔を赤くして、雄の顔をしていた。
情事の余韻を漂わせるアトラスは非常に色っぽくて、あんなに乱暴にされたのにむしろ興奮するように胸が高まった。
「すみま、せん…はぁ…あなたが散々煽るせいで余裕が…なくて…」
荒い息を整えながら、ハルトヴィーツの肩にコツンと頭を埋めながら言うアトラスがなんだか可愛くて、愛しくて、ハルトヴィーツはぎゅっと抱きしめた。
「余裕、なかったのか?」
「ないです。いつもないですが、さっきは何も考えられないくらい余裕なかったです」
「オレのせい?」
「あなたのせいです」
「そっか」
へへっ、とハルトヴィーツが嬉しそうに笑うとアトラスは「次はハルが余裕無くす番ですよ」と、不敵に微笑んだ。
「へ?あっ、えっ…また大きく…!」
「いっぱい啼かせていいですよね」
「ひゃっ!」
繋がったままひっくり返されると、四つん這いの状態になった。
「スカートに欲情することはないですが…スカートもパンツもいいですね、脱がさずにそのまま繋がれますから。すぐにえっちなことできますね」
紐を指に引っ掛けてひっぱると、ペチッと音を立ててハルトヴィーツの白い肌を打ち付けた。
「この格好ならいつでもどこでもすぐ犯せますから、この姿で生活しますか?」
「ばか…っ、どこでもヤラれてたまるか…!」
「まあ、あなたが視姦されるのは嫌ですからさすがに許しませんが…ね」
「ひゃっあ!ぁっあ」
アトラスは腰を掴むと奥をグリグリとえぐるように刺激すると、ハルトヴィーツは目の前がチカチカするような刺激的な快感が襲ってきた。
「それだめぇっ、すぐ…すぐ…っああッ」
内壁を擦りながらも的確にハルトヴィーツのいいところを刺激されて、ハルトヴィーツはすぐに体を震わせた。
「っは…もしかして、もうイったんですか?前も触ってないのにそんなすぐイくなんて…そんなに気持ち良かったですか?」
「っ、はぁ…気持ちい…あっあっ、だめっ、だめだめイったばっかりだから…っ」
「でも、気持ちいいんでしょ?いっぱい気持ちいいことしてあげますね」
「やぁ、だめ…っあ、あっ、きもちよすぎて…っああーッ、やっ、いくの、またイっちゃ…っああッんんんん」
「はー…、エロい体ですね…俺のを離さないくらい締め付けて…ははっ、パンツからハルのえっちなお汁が溢れてきちゃってますよ。きっと中はぐちょぐちょですね」
「はいたままするから…っ、やっやっ、やぁ…動くな…ぁ!だめっ、れんぞくはだめぇっ、やだ、かんじすぎてぇ…っ、やっやっ、イくっイくイくまたでちゃうぅ」
「っは、可愛すぎ…!」
興奮するままに盛り愛し合う。
ハルトヴィーツは喘ぐことしかできずに、部屋には甘い声と卑猥な水音が響いた。
気を失うまで犯されたハルトヴィーツを遠慮なく食いつくし、二人はベッドの上に倒れ込むように眠った。
「ん…?」
目を開けると見慣れた天井が目に入る。
眠い目を擦りながら、体を起こすといつもの旅装束を着ていた。
横をチラリと見ると、アトラスも心地よさそうに布団もかけずにすやすやと寝ていた。
いつもシワになると服のままベッドに寝転ぶと怒るのに、よっぽど疲れていたのだろうか…と、ハルトヴィーツは記憶を辿ったが、あの無機質な白い部屋での情事の記憶しかなく、顔を真っ赤にさせた。
あれは夢だったのだろうか…しかしそれにしては妙にリアルで…と、考えたところで色々と甦ってきてしまい、首をふるふると横にふった。
…欲求不満なのか、オレは。
しかも、なんだメイド服って。
そんな趣味はないはずだ…たぶん。
ハルトヴィーツは頭をかかえながら、自分の思考に折り合いをつけることにした。
アトラスが起きたところで、確認するわけにもいかないし、むしろ確認したところでもし違ったらアトラスのことだ、何をしでかすか正直怖い。
うん、夢ってことにしよう。そうしよう。
ハルトヴィーツはそう心に決めると、愛しいすやすやと眠る恋人の顔に触れ、微笑んだ。
愛していると、耳元で小さく囁いて触れるだけのキスをした。
本編が割とマジな展開ですが、いきなりKYに番外編挟んですみません。全然全く本編と関係ないIfな世界のお話です。単にいちゃいちゃさせたかっただけなのですっとばしてもらっても大丈夫です。ちなみにアトラス×ハルトヴィーツです。それでは、背後にお気をつけてどうぞ!
☆☆☆☆☆☆☆
「なあ、アトラス。ここどこだ?」
「どこ、でしょうか…」
二人はぽかんとしながら自分たちの周りを視線だけ動かして確認する。
確か、さっきまで『金の卵』で夕食を食べてそのまま借りた部屋でくつろいでいたはずだ。
それが何故か今、見慣れた部屋ではなく無機質にも思われる一面真っ白な壁、床、天井に囲まれた部屋と思われるところに居た。
アトラスはあたりを警戒しながらハルトヴィーツを抱きかかえると「転移」と言った。
しかし、いつものように光に包まれることはなく、言葉だけが虚しく響いた。
「転移が使えませんね。魔法や魔術が無効な空間でしょうか」
ハルトヴィーツを「離れないでくださいね」と、言いながら下ろすとより一層警戒しながら辺りを見渡す。
窓もドアもない。人の気配もない。
しかし、宿でいた二人はトラップに引っかかったとも思えない。誰かが意図的にこの空間に釣れてきたとしか考えられない。
寒くもないし、暑くもないが、とにかく怪しい。
そして、その部屋と思われるこの空間にはやはり人の気配はない。
真ん中にポツンと白い箱があるだけだ。
明らかに怪しいが、転移もできず、ドアも窓もないこの部屋で唯一の現状打開できそうなそれを開けないことにははじまらないのだろう。
アトラスは意を決して箱にそろりそろりと近づくと、箱の蓋を開けた。
そこには、一枚の紙切れと服が入っていた。
緊張した面持ちで、アトラスが紙切れを手に取ると文字が書いてある。
ハルトヴィーツもひょこっと覗きこんだが、そこに書いてある言葉に二人は固まった。
『メイド服プレイができたら元の世界に返します。なお、この司令書が消えたらベッドが出てきます』
と、書かれていて、読んだとみなしたのか司令書らしい紙切れは光となって消えて、代わりに現れたでかいベッドの上に二人は乗る形になっていた。
「待て待て待て!状況が追いつかん。メイドプレイってなんだ?と、いうか何故ベッドの上にいるんだ?どこから現れた?」
「メイドプレイ…もしや、この服を着て性行為を行えということでしょうか?」
「せ、性行為!?は!?何故だ!?」
「え?いや、その意図はわかりませんが、状況から見てそうなのではないかと…この服が所謂メイド服なのでは?やたらとスカートの丈が短い気もしますが…」
アトラスが箱に入っていた服を眺めるように持ち上げると、ハルトヴィーツに渡した。
「…何故オレに渡す?」
「それはサイズ的にもハルのサイズですし…おお、長い靴下と…あ、カチューシャが二種類もありますね。この獣耳のついているカチューシャはしっぽとセットなんですね」
「お前、楽しんでないか?」
嬉々とした表情に見えなくもないアトラスにげんなりしながらハルトヴィーツが言うと、そんなことないですよと返事しながら、カチューシャどっちがいいですか?と、聞いてきた。
アトラスが持っていたのは、メイドたちがユニフォームでつけている白くてフリルのようなものがついたカチューシャで、一つは何故か獣の耳を模したものがついていた。
猫耳らしいそれは、ご丁寧にしっぽまで用意されていた。ちなみにしっぽの先に棒のようなものがついており、それをどこに入れて装着するのか一瞬考えたが、恐ろしい考えに至ったのでそれ以上は考えないことにした。
「しかし、何故メイドなんだ?よくわからん」
「世の中には性的なご奉仕というものをメイドに求める人間もいることから、そういったもので興奮するモノがあるのでは?」
「そんな奴がいるのか?クズな主だな…信じられん」
「まあ、ハルは普段からメイドに囲まれて生活してますから特別メイド服に何か思うということはまずないでしょうね」
「ないな。働いてもらっているものにそんな目を向けていたら生活どころじゃなくなるだろ」
「そうですね…さて、はい。着替えてください」
「はあ!?お前正気か!?」
「正気ですよ。着方わかりますか?」
「んー…いけると思う…って違う!そうじゃない!サラッと何言ってるんだ!?」
「いやだって、メイド服着たハルと性行為を見せつけないと帰れないみたいですし…」
「そ、そうかもしれないが!いや、誰に見られてるだかわからんところでそんなことできるか!!!」
「じゃあ、ずっとこのままここに居ますか?」
「それは…」
「無理ですよね。はい、諦めてこの服着てください」
顔を真っ赤にして抗議していたハルトヴィーツだったが、アトラスにそう言われると返す言葉もなく、言葉を詰まらせた。
ううぅ…、と小さく唸ってから、腹をくくったのか、アトラスから乱暴にカチューシャを受け取ると服を脱いだ。
白いブラウスはシャツの要領で着ることができた。エプロン風のワンピースのようなやたらと短いスカートに少し悩みつつ、とりあえず下から履いたらいいかと腰まで上げて、肩を通して、腰のあたりにある紐を後ろでどう括ればいいのか悩んでいると、アトラスが結んでくれたので服はなんとか形になった。
「あ、ハル。下着もありますよ」
ぴらっと、なんとも頼りない面積のパンツをアトラスがつまんでハルトヴィーツに見せると、火を吹くように顔を真っ赤にさせ、金魚のように口をパクパクさせた。
「な、な、なっ!なんで!?」
「スカート短いからじゃないですか?その下着じゃ見えますよね」
ハルトヴィーツが履いているのは、トランクスだ。確かにスカートからはみ出ている。
「でもそれ…!」
あまりにも頼りない面積じゃないか!?隠す場所少なくないか!?
ハルトヴィーツは目の前にあるパンツを見て、ツッコミをいれた。
そうなのだ、白のレースの可愛らしいパンツはトランクスと比べてかなり小さい。そして、尻の部分にいたっては隠してない。紐だ。前はまだ布だが、尻は紐だ。
どう考えでも下着として役に立ってない。
「世の中の女性はこんな下着とも言えないものを身に着けて生活しているのか…?」
「それはなんとも言い難いですね。まあ、それはそれとして、今はこれしかないので諦めて履いてください」
「本気か…?」
「本気です」
ううぅ…と、また小さく唸ってからハルトヴィーツは受け取って、履いていた下着を脱いで受け取った下着に履き替えた。
非常に複雑な心境である。
それから、太ももまであるやたらと長い靴下を履いて、カチューシャをつけた。
ハルトヴィーツメイドさんの完成である。
「スースーする…」
「可愛らしいですよ、ハル」
「そう言われても嬉しくない…何かを失った気分だ…」
アトラスがハルトヴィーツを抱き寄せて膝に乗せると、ハルトヴィーツは困ったような複雑な顔でアトラスを見た。
「ほ、本当にするのか…?」
「正直、こんなふざけたことを…と、思っていましたが、戸惑っているハルが可愛すぎて興奮しました」
「…っ、ばか」
「はい、馬鹿ですみません」
「んん…っ」
アトラスがハルトヴィーツに唇を重ねる。甘やかすようなアトラスの舌は、甘い刺激をやわやわと与えて、少し物足らない。
ちゅっ、と唇を離すとハルトヴィーツの瞳は物欲しそうな瞳をしていた。
アトラスはクスッと笑うと指先でハルトヴィーツの唇をなぞった。
「ご奉仕してくれないんですか、ハル」
「ご奉仕って…何を…」
アトラスは、ハルトヴィーツのシャツの上から胸の尖りに触れると、反応するようにビクッと体を震わせた。
「ぁ…っ」
「シャツの上からでもわかりますね」
「ぁう…ぅ」
シャツの上からでもわかってしまうソレを両手で摘んだりと、弾かれたりするとはっきりとその膨らんだものが目視できる。
ピリピリとした甘い刺激に、ハルトヴィーツは瞳を潤ませた。
「ハルがしたいようにしてくれたらいいですよ?」
唇を割り、指で舌を刺激するとハルトヴィーツは甘い声を漏らす。
舌を刺激してくる指に応えるようにペロペロと舐めると、舌が段々と敏感になり、舐めるだけで感じてしまい、熱が昂ぶってくる。
アトラスの指が離れた時には、息が上がってハルトヴィーツの瞳はとろんと蕩けるような顔になっていた。
ハルトヴィーツは、膝からおりるとアトラスのズボンに手をかけた。
「勃ってる…」
「ハルがエロいせいですよ」
ハルトヴィーツは、剥き出しになったアトラス自身に手で触れるとぺろりと舌を這わした。
アトラスがビクッと体を震わすと、その反応に満足したのか嬉しそうに微笑んでから口に咥えた。
「…っ、ハル…」
「ふぁほひふふんひゃろ?」
「ん…っ、もう、エロすぎませんかっ」
じゅぶじゅぶと水音を立てながら口を上下に動かしたり、鈴口を舌で舐め回すと、アトラスが小さく呻くのでハルトヴィーツは感じてくれていることが嬉しくなって夢中で口を動かした。
時折アトラスはハルトヴィーツの髪を優しく撫でて「上手です…」と、褒めてくれるのは嬉しいが、少し余裕があるように思い、少しだけ悔しい。
先の方が段々と膨らんで張り詰めてくると、手にリズムをつけながら上下に動かして、先っぽを舌で追い立てるように舐めたり、鈴口を割って舌でれろれろと舐めると、アトラスの甘い声が頻繁に聞こえてきた。
パンパンに張り詰めたソレは達することを望んでいることがわかる。
しかし、ハルトヴィーツはそこで手を離して舌を根本からゆっくりと這わせて、アトラスを見上げるように見ると熱っぽい瞳がこちらを見つめていた。
ゾクゾクとする視線を受け、体が熱を帯びてくるのがわかる。
ハルトヴィーツは妖しく微笑むと、また舌だけでペロペロと舐めて刺激を与える。
ピクッと反応するところを執拗に舐めると唸るような声と荒い息が耳から入ってきて、余裕がなくなってきたアトラスに嬉しくなった。
夢中で口に咥えていると、アトラスがふいに体を動かしたので何事かと思い見上げると、いつの間にか押し倒されていた。
ふー、ふー、と息をするアトラスはまるで獣のようで、ハルトヴィーツは思わず息を飲んだ。
そのまま顔が近づき、奪われるように強引な口づけをされる。
息をする暇もないくらいの荒いキスは苦しいけれど気持ちよくて、貪られるように口内を荒らされる。
「んぁ!?んんんんッ」
キスをしながら、双丘を割られ孔に指を急に入れられたことに驚いていると、ただ広げるだけのその行為はあっさりと終わり、凶暴なまでに育ったモノを押し挿れられた。
こじ開けられるように、でもゆっくりではない焦るような動きで侵入してきたそれは窮屈そうに存在している。
しかし、乱暴やってきたそれはハルトヴィーツを快感に導いてくれるものだとソコは知っているので、簡単に受け入れてしまった。
「んっ、ぁ…アトラスぅ…」
「くっ…」
アトラスは一心不乱に腰を打ち付けた。
相手を思いやるようなそんな動きではなく、射精をしたいと懇願するような本能的な動きで、そこには言葉もなく、余裕もなく、ただ快感を求めるように激しく腰を動かした。
「あぁあっ、ああっ、あっ」
「…っはぁ、あっ」
あーッ!、とアトラスが呻くと、背中を反り腰をぐいぐいと密着させて天井を仰いだ。
肩で息をしながら、力が抜けるように背中を丸めているアトラスは顔を赤くして、雄の顔をしていた。
情事の余韻を漂わせるアトラスは非常に色っぽくて、あんなに乱暴にされたのにむしろ興奮するように胸が高まった。
「すみま、せん…はぁ…あなたが散々煽るせいで余裕が…なくて…」
荒い息を整えながら、ハルトヴィーツの肩にコツンと頭を埋めながら言うアトラスがなんだか可愛くて、愛しくて、ハルトヴィーツはぎゅっと抱きしめた。
「余裕、なかったのか?」
「ないです。いつもないですが、さっきは何も考えられないくらい余裕なかったです」
「オレのせい?」
「あなたのせいです」
「そっか」
へへっ、とハルトヴィーツが嬉しそうに笑うとアトラスは「次はハルが余裕無くす番ですよ」と、不敵に微笑んだ。
「へ?あっ、えっ…また大きく…!」
「いっぱい啼かせていいですよね」
「ひゃっ!」
繋がったままひっくり返されると、四つん這いの状態になった。
「スカートに欲情することはないですが…スカートもパンツもいいですね、脱がさずにそのまま繋がれますから。すぐにえっちなことできますね」
紐を指に引っ掛けてひっぱると、ペチッと音を立ててハルトヴィーツの白い肌を打ち付けた。
「この格好ならいつでもどこでもすぐ犯せますから、この姿で生活しますか?」
「ばか…っ、どこでもヤラれてたまるか…!」
「まあ、あなたが視姦されるのは嫌ですからさすがに許しませんが…ね」
「ひゃっあ!ぁっあ」
アトラスは腰を掴むと奥をグリグリとえぐるように刺激すると、ハルトヴィーツは目の前がチカチカするような刺激的な快感が襲ってきた。
「それだめぇっ、すぐ…すぐ…っああッ」
内壁を擦りながらも的確にハルトヴィーツのいいところを刺激されて、ハルトヴィーツはすぐに体を震わせた。
「っは…もしかして、もうイったんですか?前も触ってないのにそんなすぐイくなんて…そんなに気持ち良かったですか?」
「っ、はぁ…気持ちい…あっあっ、だめっ、だめだめイったばっかりだから…っ」
「でも、気持ちいいんでしょ?いっぱい気持ちいいことしてあげますね」
「やぁ、だめ…っあ、あっ、きもちよすぎて…っああーッ、やっ、いくの、またイっちゃ…っああッんんんん」
「はー…、エロい体ですね…俺のを離さないくらい締め付けて…ははっ、パンツからハルのえっちなお汁が溢れてきちゃってますよ。きっと中はぐちょぐちょですね」
「はいたままするから…っ、やっやっ、やぁ…動くな…ぁ!だめっ、れんぞくはだめぇっ、やだ、かんじすぎてぇ…っ、やっやっ、イくっイくイくまたでちゃうぅ」
「っは、可愛すぎ…!」
興奮するままに盛り愛し合う。
ハルトヴィーツは喘ぐことしかできずに、部屋には甘い声と卑猥な水音が響いた。
気を失うまで犯されたハルトヴィーツを遠慮なく食いつくし、二人はベッドの上に倒れ込むように眠った。
「ん…?」
目を開けると見慣れた天井が目に入る。
眠い目を擦りながら、体を起こすといつもの旅装束を着ていた。
横をチラリと見ると、アトラスも心地よさそうに布団もかけずにすやすやと寝ていた。
いつもシワになると服のままベッドに寝転ぶと怒るのに、よっぽど疲れていたのだろうか…と、ハルトヴィーツは記憶を辿ったが、あの無機質な白い部屋での情事の記憶しかなく、顔を真っ赤にさせた。
あれは夢だったのだろうか…しかしそれにしては妙にリアルで…と、考えたところで色々と甦ってきてしまい、首をふるふると横にふった。
…欲求不満なのか、オレは。
しかも、なんだメイド服って。
そんな趣味はないはずだ…たぶん。
ハルトヴィーツは頭をかかえながら、自分の思考に折り合いをつけることにした。
アトラスが起きたところで、確認するわけにもいかないし、むしろ確認したところでもし違ったらアトラスのことだ、何をしでかすか正直怖い。
うん、夢ってことにしよう。そうしよう。
ハルトヴィーツはそう心に決めると、愛しいすやすやと眠る恋人の顔に触れ、微笑んだ。
愛していると、耳元で小さく囁いて触れるだけのキスをした。
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よろしくお願いします!
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