1 / 56
第一章 ヤンデレ魔王と異界の龍少女
第1話 いきなり魔王降臨
しおりを挟む
――世界の片隅にある限界集落・コルチゾ村
暖かな春の日差し溶け込む風が、緑の香りを乗せて花びらを踊らす。
白銀に埋め尽くされていた世界が命に溢れる色彩へ変わった頃、俺は村の期待と自分の夢を背負って旅立つことになった。
村の期待――それはお嫁さんを探すこと。
このコルチゾ村には若者がほとんどいない。俺が嫁を貰わないと村は世界から消えてそれこそ白銀に埋め尽くされてしまう。
自分の夢――幼いころに親父やお袋から寝物語として聞かされていた勇者たちの英雄譚。
その英雄譚の中で最強と名高い伝説の勇者レム=サヨナレスは俺の憧れ。俺は彼のような最強の勇者を夢見る。
今の俺は自分で勇者を名乗ることしかできない駆け出しの勇者だけど、いずれは多くから勇者と呼ばれる存在になって見せる!
自分の夢と多くの期待を背負い、決意を胸に秘め、旅の必需品を詰め込んだズダ袋を手にして村の門前に立つ。
「のうのう」
もっとも、門と言っても簡素な木組みでできたもの。我が故郷とはいえ、お世辞にも立派とは言えない。いや、門があるだけでも上等と言える。
「のうのう」
だが、再び俺が村に戻るころには、門も村の姿も大きく変貌を遂げることになるだろう。
「のうのう、のうのう」
何故なら、美しい妻と共に勇者として故郷へ戻った俺が錦を飾り――。
「のうのう、のうのうのう」
なんか、さっきから妙な鳴き声が?
俺は少し長めの茶色の前髪を揺らしながら振り返り、旅を終えるまで目にすることはないと思っていた村へ、春の色を秘めた若菜色の瞳を振る。
すると真後ろに、一人の愛らしい少女が立っていた。
少女はクマさんのマークがついた茶色の肩掛けポシェットをぶら下げ、真っ白なワンピースに身を包んでいる。
瞳は、人のものとは思えないほど煌びやかな黄金色。
そして、とても長く艶やかな桃色の髪の上には……山羊のような角が二本? だけど、魔物にも魔族にも見えない。この地方だと珍しいけど、獣人の子どもだろうか?
俺は少女へ話しかける。
「あのさ、ずっと妙な声を出してるの、君かな?」
「ほほ~、ようやく気づいたか。無視され続けて、ちょっぴり心が折れそうになったのじゃ」
年は十二・三歳程度だろうか?
肌は雪のように白いが、病弱な雰囲気は皆無。むしろ、生気に満ち溢れて元気な笑顔がよく似合う少女。
でも、その容姿には見合わない年寄りのような言葉遣いをしている。
それに、こんな可愛らしい女の子なんて村にはいない。
「君は旅の子かな? お父さんとお母さんは?」
「そんなもんおらんのじゃ」
「そ、そっか、悪いことを聞いたね」
おそらく、少女は親に捨てられたのだろう。
村の外では魔族との戦火が広がり、こういった子が増えていると聞き及んでいる。でも、だからといって何も、こんな辺境の村に捨てなくても……。
このまま捨てられた子を放っておくには忍びない。
俺は優しく語りかける。
「俺はフォルス=ヴェル。村の東側に俺の家がある。そこに親父とお袋が住んでるから、俺の名前を出して面倒を見てもらうといいよ。一人くらいなら養う余裕はあるから」
「はぁ? 何の話じゃ? ワシはおぬしと契約を結んでほしくて声を掛けたんじゃが」
「契約?」
「まぁ、誰でも良かったんじゃが。若い方がワシも良いからな。おぬしの顔はなかなか精悍じゃし、筋肉の付きも程良くワシ好みじゃ」
「あはは、ありがとう」
「少々童顔じゃが……」
「うっ」
そう、俺は十八歳という年の割には少し幼い顔立ちをしている。
その反面、背は高く、肉体はしっかりと剣を扱うに必要な体つきをしており、また体力にも自信があった。
だけど、その自信も、自分より年下の少女に童顔と言われてちょっぴり砕かれる。
意気消沈している俺の周りを少女はぐるぐると回って何やら観察している様子。
「ふむふむ……ほほ~、こいつは驚いた!? 今まだまだじゃが、可能性が底知れん!」
「はぁ?」
「それに、何故か親しみ深く、好感の持てる男じゃ。これはおぬしの徳という名の才能じゃろうな」
少女は黄金の瞳の中に俺の姿を映す。
俺もまた少女を見つめ返す。
視線が合うと少女はにっこりと笑い、奇妙なことを口にする。
「ふふふ、というわけで、身体に憑りつかせてくれ」
「とりつく?」
「おぬしの体にワシの魂を注入して、力を共有してほしいのじゃ。こちらの世界の魔力はワシの力と馬が合わんでな。媒介役が欲しかったところにちょうどおぬしがいたというわけじゃ」
「何を言ってるの?」
「鈍いの~。つまり、おぬしがこの世界に漂う魔力の媒介となり、ワシの体に力を充填させろと言っておるのじゃ」
「はい?」
「ふふ~ん、ワシに憑りつかれると今なら様々な特典がついてお得じゃぞ」
山羊角を生やした桃色の長い髪の少女はふんぞり返って鼻息を荒く飛ばす。
俺は思った。
(そうか、両親に捨てられたショックで心を病んでしまったのか。可哀想に)
俺はもう一度優しく言葉をかける。
「俺はフォルス=ヴェル。村の東側に俺の家がある。そこに親父とお袋が住んでるから、俺の名前を出して面倒を見てもらうといいよ。一人くらいなら養う余裕はあるから」
「それはさっき聞いたのじゃ! まったく、話の通じん奴め。もう知らん! 他の者に頼むとするわっ」
そう言葉を残して、近くを通りかかった木こりのおじさんに話しかけている。
おじさんも俺と同じで怪訝な様子で少女の言葉を受け止めていた。
「これも魔族が産んだ悲劇か。だけど、彼女は大丈夫。村は貧しいけど、少女に冷たく当たる人はいない。だが、これ以上、あのような悲しい子どもを産み出すわけにはいかない!」
俺が魔王を倒して勇者となり、世界を嘆きから救って見せる!
そう、胸に秘めて、門から一歩出たところで――――っ!?
空から眩い光が落ちてきた。
光は俺の瞳を白に染めて、世界をも光に飲み込む。そして時を置く間もなく、万の雷鳴を束ねた激しい爆音と衝撃が全身を貫く。
俺は体を丸め、空気の爆ぜる圧と痛みに耐える。
「クッ、一体何が!?」
目を細め、濛々とした土煙が立ち込める正面を見つめる。
するとそこには、手折れる間際の百合の儚さを纏う真っ黒なドレスを着た十六歳前後の少女がいた。
幽かに潤む寂しげな黒の瞳からは、心を針に刺す痛みが伝わる。だが同時に、心の芯を酔わす色香もあった。
俺の瞳は見知らぬ一人の少女に囚われ、じっと魅入ってしまう。
彼女はすっと息を吸い込むと、次には儚げな印象とは真逆の雄叫びを上げた。
「うわぁぁぁぁあ! 死ねばいい! みんな消えればいい! あんなに面倒を見てあげたのに、あげたのに、あげたのにぃぃぃぃ!」
彼女は長い真っ黒髪を掻き毟りながら、闇夜よりも深い漆黒の瞳を揺らめかせ、どこともない場所を見つめつつ、ひたすら咆哮を上げている。
その異様な光景を前にして色香に溺れた瞳は言い知れぬ恐怖に惑い、四肢は怯えに硬直して指先一つ動かせない。
しかし、疑問の思いが恐怖よりも前に出て、震える唇を動かした。
「だ、だれ……?」
それは本当に小さな呟きだった。
爆音が耳に残り、少女の雄叫びが上がる中では絶対に聞こえないもの。
そのはずなのに、少女は揺らめかせていた瞳をピタリと止めて、光沢のある黒水晶の瞳で俺を捉えた。
そして、名を口にする。
「シャーレ=ロール=グラフィー」
「え、その名前……俺でも知ってる! こんな辺境の村にも聞き伝わっている! それは魔王の名!? 魔王シャーレ=ロール=グラフィー!!」
暖かな春の日差し溶け込む風が、緑の香りを乗せて花びらを踊らす。
白銀に埋め尽くされていた世界が命に溢れる色彩へ変わった頃、俺は村の期待と自分の夢を背負って旅立つことになった。
村の期待――それはお嫁さんを探すこと。
このコルチゾ村には若者がほとんどいない。俺が嫁を貰わないと村は世界から消えてそれこそ白銀に埋め尽くされてしまう。
自分の夢――幼いころに親父やお袋から寝物語として聞かされていた勇者たちの英雄譚。
その英雄譚の中で最強と名高い伝説の勇者レム=サヨナレスは俺の憧れ。俺は彼のような最強の勇者を夢見る。
今の俺は自分で勇者を名乗ることしかできない駆け出しの勇者だけど、いずれは多くから勇者と呼ばれる存在になって見せる!
自分の夢と多くの期待を背負い、決意を胸に秘め、旅の必需品を詰め込んだズダ袋を手にして村の門前に立つ。
「のうのう」
もっとも、門と言っても簡素な木組みでできたもの。我が故郷とはいえ、お世辞にも立派とは言えない。いや、門があるだけでも上等と言える。
「のうのう」
だが、再び俺が村に戻るころには、門も村の姿も大きく変貌を遂げることになるだろう。
「のうのう、のうのう」
何故なら、美しい妻と共に勇者として故郷へ戻った俺が錦を飾り――。
「のうのう、のうのうのう」
なんか、さっきから妙な鳴き声が?
俺は少し長めの茶色の前髪を揺らしながら振り返り、旅を終えるまで目にすることはないと思っていた村へ、春の色を秘めた若菜色の瞳を振る。
すると真後ろに、一人の愛らしい少女が立っていた。
少女はクマさんのマークがついた茶色の肩掛けポシェットをぶら下げ、真っ白なワンピースに身を包んでいる。
瞳は、人のものとは思えないほど煌びやかな黄金色。
そして、とても長く艶やかな桃色の髪の上には……山羊のような角が二本? だけど、魔物にも魔族にも見えない。この地方だと珍しいけど、獣人の子どもだろうか?
俺は少女へ話しかける。
「あのさ、ずっと妙な声を出してるの、君かな?」
「ほほ~、ようやく気づいたか。無視され続けて、ちょっぴり心が折れそうになったのじゃ」
年は十二・三歳程度だろうか?
肌は雪のように白いが、病弱な雰囲気は皆無。むしろ、生気に満ち溢れて元気な笑顔がよく似合う少女。
でも、その容姿には見合わない年寄りのような言葉遣いをしている。
それに、こんな可愛らしい女の子なんて村にはいない。
「君は旅の子かな? お父さんとお母さんは?」
「そんなもんおらんのじゃ」
「そ、そっか、悪いことを聞いたね」
おそらく、少女は親に捨てられたのだろう。
村の外では魔族との戦火が広がり、こういった子が増えていると聞き及んでいる。でも、だからといって何も、こんな辺境の村に捨てなくても……。
このまま捨てられた子を放っておくには忍びない。
俺は優しく語りかける。
「俺はフォルス=ヴェル。村の東側に俺の家がある。そこに親父とお袋が住んでるから、俺の名前を出して面倒を見てもらうといいよ。一人くらいなら養う余裕はあるから」
「はぁ? 何の話じゃ? ワシはおぬしと契約を結んでほしくて声を掛けたんじゃが」
「契約?」
「まぁ、誰でも良かったんじゃが。若い方がワシも良いからな。おぬしの顔はなかなか精悍じゃし、筋肉の付きも程良くワシ好みじゃ」
「あはは、ありがとう」
「少々童顔じゃが……」
「うっ」
そう、俺は十八歳という年の割には少し幼い顔立ちをしている。
その反面、背は高く、肉体はしっかりと剣を扱うに必要な体つきをしており、また体力にも自信があった。
だけど、その自信も、自分より年下の少女に童顔と言われてちょっぴり砕かれる。
意気消沈している俺の周りを少女はぐるぐると回って何やら観察している様子。
「ふむふむ……ほほ~、こいつは驚いた!? 今まだまだじゃが、可能性が底知れん!」
「はぁ?」
「それに、何故か親しみ深く、好感の持てる男じゃ。これはおぬしの徳という名の才能じゃろうな」
少女は黄金の瞳の中に俺の姿を映す。
俺もまた少女を見つめ返す。
視線が合うと少女はにっこりと笑い、奇妙なことを口にする。
「ふふふ、というわけで、身体に憑りつかせてくれ」
「とりつく?」
「おぬしの体にワシの魂を注入して、力を共有してほしいのじゃ。こちらの世界の魔力はワシの力と馬が合わんでな。媒介役が欲しかったところにちょうどおぬしがいたというわけじゃ」
「何を言ってるの?」
「鈍いの~。つまり、おぬしがこの世界に漂う魔力の媒介となり、ワシの体に力を充填させろと言っておるのじゃ」
「はい?」
「ふふ~ん、ワシに憑りつかれると今なら様々な特典がついてお得じゃぞ」
山羊角を生やした桃色の長い髪の少女はふんぞり返って鼻息を荒く飛ばす。
俺は思った。
(そうか、両親に捨てられたショックで心を病んでしまったのか。可哀想に)
俺はもう一度優しく言葉をかける。
「俺はフォルス=ヴェル。村の東側に俺の家がある。そこに親父とお袋が住んでるから、俺の名前を出して面倒を見てもらうといいよ。一人くらいなら養う余裕はあるから」
「それはさっき聞いたのじゃ! まったく、話の通じん奴め。もう知らん! 他の者に頼むとするわっ」
そう言葉を残して、近くを通りかかった木こりのおじさんに話しかけている。
おじさんも俺と同じで怪訝な様子で少女の言葉を受け止めていた。
「これも魔族が産んだ悲劇か。だけど、彼女は大丈夫。村は貧しいけど、少女に冷たく当たる人はいない。だが、これ以上、あのような悲しい子どもを産み出すわけにはいかない!」
俺が魔王を倒して勇者となり、世界を嘆きから救って見せる!
そう、胸に秘めて、門から一歩出たところで――――っ!?
空から眩い光が落ちてきた。
光は俺の瞳を白に染めて、世界をも光に飲み込む。そして時を置く間もなく、万の雷鳴を束ねた激しい爆音と衝撃が全身を貫く。
俺は体を丸め、空気の爆ぜる圧と痛みに耐える。
「クッ、一体何が!?」
目を細め、濛々とした土煙が立ち込める正面を見つめる。
するとそこには、手折れる間際の百合の儚さを纏う真っ黒なドレスを着た十六歳前後の少女がいた。
幽かに潤む寂しげな黒の瞳からは、心を針に刺す痛みが伝わる。だが同時に、心の芯を酔わす色香もあった。
俺の瞳は見知らぬ一人の少女に囚われ、じっと魅入ってしまう。
彼女はすっと息を吸い込むと、次には儚げな印象とは真逆の雄叫びを上げた。
「うわぁぁぁぁあ! 死ねばいい! みんな消えればいい! あんなに面倒を見てあげたのに、あげたのに、あげたのにぃぃぃぃ!」
彼女は長い真っ黒髪を掻き毟りながら、闇夜よりも深い漆黒の瞳を揺らめかせ、どこともない場所を見つめつつ、ひたすら咆哮を上げている。
その異様な光景を前にして色香に溺れた瞳は言い知れぬ恐怖に惑い、四肢は怯えに硬直して指先一つ動かせない。
しかし、疑問の思いが恐怖よりも前に出て、震える唇を動かした。
「だ、だれ……?」
それは本当に小さな呟きだった。
爆音が耳に残り、少女の雄叫びが上がる中では絶対に聞こえないもの。
そのはずなのに、少女は揺らめかせていた瞳をピタリと止めて、光沢のある黒水晶の瞳で俺を捉えた。
そして、名を口にする。
「シャーレ=ロール=グラフィー」
「え、その名前……俺でも知ってる! こんな辺境の村にも聞き伝わっている! それは魔王の名!? 魔王シャーレ=ロール=グラフィー!!」
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
魔銃士(ガンナー)とフェンリル ~最強殺し屋が異世界転移して冒険者ライフを満喫します~
三田村優希(または南雲天音)
ファンタジー
依頼完遂率100%の牧野颯太は凄腕の暗殺者。世界を股にかけて依頼をこなしていたがある日、暗殺しようとした瞬間に落雷に見舞われた。意識を手放す颯太。しかし次に目覚めたとき、彼は異様な光景を目にする。
眼前には巨大な狼と蛇が戦っており、子狼が悲痛な遠吠えをあげている。
暗殺者だが犬好きな颯太は、コルト・ガバメントを引き抜き蛇の眉間に向けて撃つ。しかし蛇は弾丸などかすり傷にもならない。
吹き飛ばされた颯太が宝箱を目にし、武器はないかと開ける。そこには大ぶりな回転式拳銃(リボルバー)があるが弾がない。
「氷魔法を撃って! 水色に合わせて、早く!」
巨大な狼の思念が頭に流れ、颯太は色づけされたチャンバーを合わせ撃つ。蛇を一撃で倒したが巨大な狼はそのまま絶命し、子狼となりゆきで主従契約してしまった。
異世界転移した暗殺者は魔銃士(ガンナー)として冒険者ギルドに登録し、相棒の子フェンリルと共に様々なダンジョン踏破を目指す。
【他サイト掲載】カクヨム・エブリスタ
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
最強執事の恩返し~大魔王を倒して100年ぶりに戻ってきたら世話になっていた侯爵家が没落していました。恩返しのため復興させます~
榊与一
ファンタジー
異世界転生した日本人、大和猛(やまとたける)。
彼は異世界エデンで、コーガス侯爵家によって拾われタケル・コーガスとして育てられる。
それまでの孤独な人生で何も持つ事の出来なかった彼にとって、コーガス家は生まれて初めて手に入れた家であり家族だった。
その家を守るために転生時のチート能力で魔王を退け。
そしてその裏にいる大魔王を倒すため、タケルは魔界に乗り込んだ。
――それから100年。
遂にタケルは大魔王を討伐する事に成功する。
そして彼はエデンへと帰還した。
「さあ、帰ろう」
だが余りに時間が立ちすぎていた為に、タケルの事を覚えている者はいない。
それでも彼は満足していた。
何故なら、コーガス家を守れたからだ。
そう思っていたのだが……
「コーガス家が没落!?そんな馬鹿な!?」
これは世界を救った勇者が、かつて自分を拾い温かく育ててくれた没落した侯爵家をチートな能力で再興させる物語である。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
【 暗黒剣士の聖十字 】 ~属性適正がまさかの闇で騎士団追放。でも魔王と呼ばれるようになった俺の力がないと騎士団が崩壊するって?~
岸本 雪兎
ファンタジー
闇に飲まれていく世界で彼は気付く。
闇を統べる自分こそが最強だと────
1000年前に闇の属性を統べる邪神を封じ、その封印を維持するために建設された聖堂都市。
そこを守護する誉れ高き聖騎士団。
憧れからその聖騎士団へと入団した1人の少年がいた。
その少年の名はリヒト。
だがリヒトは見習いから騎士へと昇格する際に行われる属性適正の鑑定の儀で、その適正を見出だされたのは『闇』の属性。
基本となる火、水、風、土の4属性とも、上位属性である光の属性とも異なる前代未聞の属性だった。
生まれも平民の出だったリヒトはその忌むべき属性のために1度は団を追われようとしたが、当時の聖騎士団総団長ヴィルヘルムによって救われる。
それからは聖騎士としての力を示すために己の属性である闇を纏って戦場を奔走。
リヒトは数々の戦果をあげる。
だが総団長の辞任と共に新たに総団長となったのはリーンハルトという選民意識の強い貴族の当主。
この男によってリヒトは団を追われ、街を追われる事になった。
その時に敬愛し憧れていた前総団長ヴィルヘルムもリーンハルトの策略によって失脚した事を知る。
だがリヒトの災難はこれで終わらない。
失意のうちに故郷へと戻ったリヒトの目の前には無惨に変わり果てた町並みが広がっていた。
リーンハルトによって平民の村や町は切り捨てられ、魔物の脅威に曝されて。
リヒトの両親もそれによって命を落としていた。
聖騎士団をリーンハルトの手から救うべく、リヒトは聖騎士団と同等の力を持つ王国騎士を目指す。
そのためにまずはギルドで活躍し、名を挙げる事に。
だが聖堂都市を離れたリヒトは気付いた。
闇に侵されていくこの世界で、闇の属性を操る自分が最強である事に。
魔物の軍勢の最強の一角であったフェンリルも討ち、その亡骸から従魔としてスコルとハティの2体の人語を介する魔物を生み出したリヒト。
昼は王国騎士となるべくギルドで成果を。
夜は闇の仮面で素顔を隠し、自身の生んだ魔物の軍勢によって魔物の統治を進めていった。
いつしかその夜の姿を人々は魔王と謳い恐れる。
そしてリヒトが聖堂都市を離れ、邪神の封印に異変が起こりつつあった。
リヒトの退団によって聖堂都市と聖騎士団の滅亡が静かに。
だが確実に始まっていた────
ブラック企業「勇者パーティ」をクビになったら、魔王四天王が嫁になりました。~転職先はホワイト企業な魔王軍〜
歩く、歩く。
ファンタジー
※第12回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。応援ありがとうございました!
勇者に裏切られ、剣士ディックは魔王軍に捕まった。
勇者パーティで劣悪な環境にて酷使された挙句、勇者の保身のために切り捨てられたのだ。
そんな彼の前に現れたのは、亡き母に瓜二つの魔王四天王、炎を操るサキュバス、シラヌイだった。
ディックは母親から深い愛情を受けて育った男である。彼にとって母親は全てであり、一目見た時からシラヌイに母親の影を重ねていた。
シラヌイは愛情を知らないサキュバスである。落ちこぼれ淫魔だった彼女は、死に物狂いの努力によって四天王になったが、反動で自分を傷つける事でしか存在を示せなくなっていた。
スカウトを受け魔王軍に入ったディックは、シラヌイの副官として働く事に。
魔王軍は人間関係良好、福利厚生の整ったホワイトであり、ディックは暖かく迎えられた。
そんな中で彼に支えられ、少しずつ愛情を知るシラヌイ。やがて2人は種族を超えた恋人同士になる。
ただ、一つ問題があるとすれば……
サキュバスなのに、シラヌイは手を触れただけでも狼狽える、ウブな恋愛初心者である事だった。
連載状況
【第一部】いちゃいちゃラブコメ編 完結
【第二部】結ばれる恋人編 完結
【第三部】二人の休息編 完結
【第四部】愛のエルフと力のドラゴン編 完結
【第五部】魔女の監獄編 完結
【第六部】最終章 完結
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる