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第十九章 暗闘
エクアがいる
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――エクア・親父/ギウとの合流より三十分前・半島へと続く門前
私とギウとフィナは複数回に分けて、門前近くの警備兵の目が届きにくい場所に、私たちが乗ってきた馬と店で借りてきた荷馬車を集結させた。
これらをなるべく人の目に触れぬよう行うのは骨だったが、そこは便利グッズフィナのおかげで何とかなった。あとは……。
「さて、これから門番を黙らせて門を開けなければならないのだが、便利グッズフィナ、どうする?」
「誰が便利グッズだ! ま、門を開けるのは簡単。門は魔導機構で油圧装置を使い歯車を動かして開いてる。その魔導機構を乗っ取ればいいだけだし」
「やれるのか?」
「楽勝。こっちは六十年先の技術と古代技術の一端を知ってんのよ。門の開閉をさせるための機構を乗っ取るなんて目を閉じてたってできる」
「ふふ、そうだろうな」
「そこら辺も計算の内ってわけね」
「君の力ならできるとわかっていた。問題は誰にも知られることなく、門番を縄で縛ることだが」
「そこは力で押し通す!」
「どうやって?」
「こっちにはギウがいるし。私とギウなら制圧に10分と掛からない」
フィナはちらりとギウを見た。
ギウは無言で応え、前に出る。
その姿に彼女は軽く笑みを浮かべて、人頭ほどの大きさをした正十二面体の深紅のナルフを浮かべる。
「門の高さは十五メートル。外部に十二人。内部に十八人。監視台は真上に二つ。門の中間に二つ。門の出入り口に二つ。誰にも気づかれないようにしながら上から制圧していきましょっ」
そう、言葉を残し、二人は足音もなく門へ向かう。
フィナは腰の鞭を取り、門の歯車に引っ掛けながら門の最上部を目指す。
ギウは歯車に足をかけて飛ぶように駆け上がっていった。
「二人とも凄すぎだな。私は制圧が終わるまで、馬が嘶かないように面倒を見ているとするか」
――五分後
「はい、終わったよ~」
「ぎうぎう~」
「は、早いな」
「だから言ったじゃん、楽勝だって。ま、半島側に敵がいないから門番の連中が油断しまくってるというのが大きかったかなぁ。おかげで予想時間の半分で終わっちゃった」
「ぎう~ぎう~」
「うん、物足りないよねぇ~」
二人は軽い運動を終えた程度の会話を行っている。
腕に覚えのない私は、彼らの強さがどれほどのものかピンと来ていない部分があった。
だが、魔族との戦いと今回の制圧劇で、二人が超一流の戦士であることを肌に感じずにはいられない。
「いやはや、見事なものだ。では、ギウには悪いが、今すぐにでもエクアのもとへ」
「ギウ」
「あ、ギウ。これを持って行かなきゃ」
フィナはポシェットから追跡用の魔法石と音を遮断する魔法石を取り出してギウに渡す。
受け取った彼は足音を一切立てず、街の闇夜に溶け込み、姿を消していった。
残るフィナは私に不満の籠る声を上げる。
「なんで、ギウなの? 私が行ってもよかったじゃない」
「門は魔導の機構で動いている。脱出までに何かの不具合が起きた場合、対処できるのは君しかいない」
「理由はそれだけ?」
フィナはじろりと私を睨む。
私は軽く両手を上げて答えた。
「親父の件があるからな」
「私が感情をコントロールできないっていうのっ?」
「……ギウと君を天秤にかけた場合、より安心できるのはギウだからな」
「チッ、むかつく」
「舌打ちを打つような子に任せられんよ」
「かぁ~、ムカつく。このへっぽこへっぽこ」
「へっぽこだが大人だからな。力や知識はともかく、感情と向き合うという点では君より優れているつもりだ」
「そういう言い回しがすっごい嫌味。大人なら子どもが受け入れやすい言葉を選びなさいよ」
「フィナ、君は凄い!」
「このっ、なぐってやろうかっ!」
「あははは」
「まったく……くすっ、ふふふ」
私たちは互いに笑い声を漏らす。
その笑い声を収めフィナは、カリスの居住区を見つめる。
「説得できると思う?」
「まず、無理だな」
「それじゃあ、この説得は親父を犠牲にするための前準備? 一応、追跡用の魔法石を渡すとはいえ、なんかなぁ……それに、親父を差し出してもアグリスが私たちを咎めない保証はあるの?」
フィナはそう言って、荷馬車群に視線を振る。
これらは明らかに親父と共謀している証拠。だが……。
「忘れたのか、フィナ? この荷馬車たちは貧乏領主のケントが屋敷から一切合切を持ち運ぶために用意しただけだ。多少道に迷ってしまったがね」
「うわ、そこでその理由を使うんだ。でも、荷台に載る大量の水と食料は?」
「トーワには満足に畑もないからな。だから、買い付けただけだが?」
「うわ、ひっど。だけど、エクアはどうするの? 親父と一緒に説得へ行ってるし」
「彼女は誘拐された。そして、親父に説得を強要された」
「嘘塗れじゃんっ。でも、カリスがいるけど? 彼らが、エクアは親父に協力的だった~、みたいなことを言ったら」
「こう答える。アグリスは領主である私と忌避されし存在カリスの言葉のどちらを信用なさるのでしょうか? もし、カリスを信じるならば、私の言はカリス以下。最下層であるカリスより下の存在となります。これではルヒネ派の教義を傷なうことになるのでは? ま、こんな感じだ。感想は?」
「大人って汚い」
「ふふ、そうだな。だが、君も実践派の長。必ずや必要になることだ。今回の出来事で駆け引きというものを学ぶといい」
「はぁ、嫌な学問」
フィナは心の底から辟易といったため息をついた。
私は彼女の長とも思えぬ純粋な反応に、とある疑問が浮かぶ。
「話は少しずれるが、実践派の頂点にしてテイローの長は普段何をしてるんだ。君は一人でずっとトーワにいるが?」
「う~ん、年に二回くらい会合を開いて、世界中に散らばった錬金の士たちの情報を纏めて、方向性を決める。そんな感じで、あんまり長らしいことはしてないかも」
「なるほど、理論派ほど忙しくはなさそうでいいな。自分の時間が多く、学問に打ち込めるというわけか。ある意味羨ましい」
「基本はそうだけど、何か大事が発生した場合はテイローの名の下で集い、協力することになっているけどね。そんなこと滅多にないけど」
そう言いつつ、ギウが走り去った方向へ顔を向ける。
「フィナ、エクアが心配か?」
「そりゃあね。でも、それ以上に、あんたが無理なんて言う説得を二人がやっていると思うとなんかね。さっきも言ったけど、追跡用魔法石を渡すとはいえ、親父を差し出すわけでしょ。それが、ちょっと……」
「エクアがいる」
「はっ?」
「短時間でカリスを説得するのは私では無理だろう。だが、エクアなら可能かもしれん」
「それ、屋敷でも言ってたけど、どうしてエクアなら可能だと思うの? あんたでも無理なことなのに?」
「私という人間は常に何らかの計算の元に動いている。口から出てくる言葉もそれだ。しかし、エクアの言葉は純粋な思い。飾り気のない芯の言葉。人の心を動かそうとするならば、こういった言葉ではないと無理だ」
「う~ん、エクアには悪いけどさ。それはちょっと過大評価しすぎじゃない?」
「いや、私はアグリスに訪れるまでエクアを過小評価していた。今のこれは正当な評価だ」
「え?」
私は言葉を返さずに、調べ車の塔でサレート=ケイキと対峙したエクアの姿を思い描く。
自分の罪と向き合うことのできる少女。
心の強さは、私たちの中で随一であろう。
「信じよう。私たちの中で唯一奇跡を起こせる少女を……」
私とギウとフィナは複数回に分けて、門前近くの警備兵の目が届きにくい場所に、私たちが乗ってきた馬と店で借りてきた荷馬車を集結させた。
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「さて、これから門番を黙らせて門を開けなければならないのだが、便利グッズフィナ、どうする?」
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「そこら辺も計算の内ってわけね」
「君の力ならできるとわかっていた。問題は誰にも知られることなく、門番を縄で縛ることだが」
「そこは力で押し通す!」
「どうやって?」
「こっちにはギウがいるし。私とギウなら制圧に10分と掛からない」
フィナはちらりとギウを見た。
ギウは無言で応え、前に出る。
その姿に彼女は軽く笑みを浮かべて、人頭ほどの大きさをした正十二面体の深紅のナルフを浮かべる。
「門の高さは十五メートル。外部に十二人。内部に十八人。監視台は真上に二つ。門の中間に二つ。門の出入り口に二つ。誰にも気づかれないようにしながら上から制圧していきましょっ」
そう、言葉を残し、二人は足音もなく門へ向かう。
フィナは腰の鞭を取り、門の歯車に引っ掛けながら門の最上部を目指す。
ギウは歯車に足をかけて飛ぶように駆け上がっていった。
「二人とも凄すぎだな。私は制圧が終わるまで、馬が嘶かないように面倒を見ているとするか」
――五分後
「はい、終わったよ~」
「ぎうぎう~」
「は、早いな」
「だから言ったじゃん、楽勝だって。ま、半島側に敵がいないから門番の連中が油断しまくってるというのが大きかったかなぁ。おかげで予想時間の半分で終わっちゃった」
「ぎう~ぎう~」
「うん、物足りないよねぇ~」
二人は軽い運動を終えた程度の会話を行っている。
腕に覚えのない私は、彼らの強さがどれほどのものかピンと来ていない部分があった。
だが、魔族との戦いと今回の制圧劇で、二人が超一流の戦士であることを肌に感じずにはいられない。
「いやはや、見事なものだ。では、ギウには悪いが、今すぐにでもエクアのもとへ」
「ギウ」
「あ、ギウ。これを持って行かなきゃ」
フィナはポシェットから追跡用の魔法石と音を遮断する魔法石を取り出してギウに渡す。
受け取った彼は足音を一切立てず、街の闇夜に溶け込み、姿を消していった。
残るフィナは私に不満の籠る声を上げる。
「なんで、ギウなの? 私が行ってもよかったじゃない」
「門は魔導の機構で動いている。脱出までに何かの不具合が起きた場合、対処できるのは君しかいない」
「理由はそれだけ?」
フィナはじろりと私を睨む。
私は軽く両手を上げて答えた。
「親父の件があるからな」
「私が感情をコントロールできないっていうのっ?」
「……ギウと君を天秤にかけた場合、より安心できるのはギウだからな」
「チッ、むかつく」
「舌打ちを打つような子に任せられんよ」
「かぁ~、ムカつく。このへっぽこへっぽこ」
「へっぽこだが大人だからな。力や知識はともかく、感情と向き合うという点では君より優れているつもりだ」
「そういう言い回しがすっごい嫌味。大人なら子どもが受け入れやすい言葉を選びなさいよ」
「フィナ、君は凄い!」
「このっ、なぐってやろうかっ!」
「あははは」
「まったく……くすっ、ふふふ」
私たちは互いに笑い声を漏らす。
その笑い声を収めフィナは、カリスの居住区を見つめる。
「説得できると思う?」
「まず、無理だな」
「それじゃあ、この説得は親父を犠牲にするための前準備? 一応、追跡用の魔法石を渡すとはいえ、なんかなぁ……それに、親父を差し出してもアグリスが私たちを咎めない保証はあるの?」
フィナはそう言って、荷馬車群に視線を振る。
これらは明らかに親父と共謀している証拠。だが……。
「忘れたのか、フィナ? この荷馬車たちは貧乏領主のケントが屋敷から一切合切を持ち運ぶために用意しただけだ。多少道に迷ってしまったがね」
「うわ、そこでその理由を使うんだ。でも、荷台に載る大量の水と食料は?」
「トーワには満足に畑もないからな。だから、買い付けただけだが?」
「うわ、ひっど。だけど、エクアはどうするの? 親父と一緒に説得へ行ってるし」
「彼女は誘拐された。そして、親父に説得を強要された」
「嘘塗れじゃんっ。でも、カリスがいるけど? 彼らが、エクアは親父に協力的だった~、みたいなことを言ったら」
「こう答える。アグリスは領主である私と忌避されし存在カリスの言葉のどちらを信用なさるのでしょうか? もし、カリスを信じるならば、私の言はカリス以下。最下層であるカリスより下の存在となります。これではルヒネ派の教義を傷なうことになるのでは? ま、こんな感じだ。感想は?」
「大人って汚い」
「ふふ、そうだな。だが、君も実践派の長。必ずや必要になることだ。今回の出来事で駆け引きというものを学ぶといい」
「はぁ、嫌な学問」
フィナは心の底から辟易といったため息をついた。
私は彼女の長とも思えぬ純粋な反応に、とある疑問が浮かぶ。
「話は少しずれるが、実践派の頂点にしてテイローの長は普段何をしてるんだ。君は一人でずっとトーワにいるが?」
「う~ん、年に二回くらい会合を開いて、世界中に散らばった錬金の士たちの情報を纏めて、方向性を決める。そんな感じで、あんまり長らしいことはしてないかも」
「なるほど、理論派ほど忙しくはなさそうでいいな。自分の時間が多く、学問に打ち込めるというわけか。ある意味羨ましい」
「基本はそうだけど、何か大事が発生した場合はテイローの名の下で集い、協力することになっているけどね。そんなこと滅多にないけど」
そう言いつつ、ギウが走り去った方向へ顔を向ける。
「フィナ、エクアが心配か?」
「そりゃあね。でも、それ以上に、あんたが無理なんて言う説得を二人がやっていると思うとなんかね。さっきも言ったけど、追跡用魔法石を渡すとはいえ、親父を差し出すわけでしょ。それが、ちょっと……」
「エクアがいる」
「はっ?」
「短時間でカリスを説得するのは私では無理だろう。だが、エクアなら可能かもしれん」
「それ、屋敷でも言ってたけど、どうしてエクアなら可能だと思うの? あんたでも無理なことなのに?」
「私という人間は常に何らかの計算の元に動いている。口から出てくる言葉もそれだ。しかし、エクアの言葉は純粋な思い。飾り気のない芯の言葉。人の心を動かそうとするならば、こういった言葉ではないと無理だ」
「う~ん、エクアには悪いけどさ。それはちょっと過大評価しすぎじゃない?」
「いや、私はアグリスに訪れるまでエクアを過小評価していた。今のこれは正当な評価だ」
「え?」
私は言葉を返さずに、調べ車の塔でサレート=ケイキと対峙したエクアの姿を思い描く。
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