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初めての依頼
魔物を倒すのは知識
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「そろそろ目的に着く。ここで依頼を再確認しておこう」
あれから依頼のための準備を済ませたキースとクラインは、目的地に向かって荷馬車を走らしていた。
「今回の目的は材料の収集だ。ヴェロウルフの牙が二つ、アルマンダーの鱗が7つ、最後にリバイソンのツノが四つだ」
「はい。運良くドロップするといいのですが」
クラインは大きな本を片手に答える。タイトル欄には"トラソニル魔物全集 1"とある。
前回コウラベアに知識なさ故苦戦した経験から、移動の最中に絶讃勉強中なのだ。
「今向かっているのは、対象の魔物が生息する地域なんですよね」
「うん。正確には対象の生息地が隣接しているところから少し離れた平原だね。ひょっとすると日をまたぐかもしれないし、一応テントを張って拠点を作っておくよ」
この辺りは町もないからね、と苦笑いするキース。
到着にはまだ時間がある。クラインは再び魔物全集に目を落とした。
ーーーヴェロウルフーーー
狼とよく似た魔物。動きが俊敏で、攻撃を当てるが難しい。嗅覚が鋭く、こちらが見つけるよりも先に早くこちらの存在に気づいてしまうので、気づいたときには狙われていることが多々ある。群れでの行動はせず、単独行動を好む。
イノシシの肉が好物なので、イノシシの生肉を薬草につけて匂いを強くすることでおびき寄せられ、嗅覚により察知される危険性を低くできる。
気づかれたときは機動力を削ぐことを優先して戦うと良い。
ーーーアルマンダーーーー
4足歩行の犬サイズのトカゲ。鱗が鋭利に尖っているため大変危険である。
水辺に生息地を構える習性があり、湖や川のほとりで見つけることができる。
群れで行動しており、仲間に被害が及ぶとたくさん集まってきてしまうので注意が必要。
鱗が強固なので魔術による撃退が効果的。武器で戦うときは首にある一際大きな棘を削ぐように切れば刃が通るが、難易度が高いのでオススメしない。
ーーーリバイソンーーー
大きな二つのツノを持った牛のような魔物。怒らせると何も考えずに突っ込んでくるため、やたらむやみにちょっかいを出すのは危険である。
前方140度まで見渡せるが後ろは死角である。気づかれないように近づき、一撃で倒すのが最善手だ。
尻尾の根に近いところに神経が集まっているところがあり、そこを攻撃すると激しい痛みにより気絶させることが可能。
「クライン君、そろそろ着くよ」
キースの声にハッと現実世界に引き戻る。
「随分熱心に読んでいたね。それ、クライン君にあげるよ。僕は嫌ってほど知っているしね」
「本当ですか!ありがとうございます!」
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
見渡しのいい平原に到着した二人は、拠点となるテントを張っていた。
いや、正確には張ってあるテントを設置していた。
やけに荷物が少ないと思っていたが、キースが収納魔術を使って持ってきていたのだ。すでに張った状態だったので、おく場所だけ決めたら準備が終わってしまった。
「アルマンダーとリバイソンは今からでも狩りに行けるけど、ヴェロウルフは夜行性だから、こっちは後回しにしよう」
「はい、わかりました」
「基本的に僕は手を出さないでおくよ。よほどどうしようもなくなったときは手伝うとしようか」
「えぇ、そうならないように最善を尽くします!」
あれから依頼のための準備を済ませたキースとクラインは、目的地に向かって荷馬車を走らしていた。
「今回の目的は材料の収集だ。ヴェロウルフの牙が二つ、アルマンダーの鱗が7つ、最後にリバイソンのツノが四つだ」
「はい。運良くドロップするといいのですが」
クラインは大きな本を片手に答える。タイトル欄には"トラソニル魔物全集 1"とある。
前回コウラベアに知識なさ故苦戦した経験から、移動の最中に絶讃勉強中なのだ。
「今向かっているのは、対象の魔物が生息する地域なんですよね」
「うん。正確には対象の生息地が隣接しているところから少し離れた平原だね。ひょっとすると日をまたぐかもしれないし、一応テントを張って拠点を作っておくよ」
この辺りは町もないからね、と苦笑いするキース。
到着にはまだ時間がある。クラインは再び魔物全集に目を落とした。
ーーーヴェロウルフーーー
狼とよく似た魔物。動きが俊敏で、攻撃を当てるが難しい。嗅覚が鋭く、こちらが見つけるよりも先に早くこちらの存在に気づいてしまうので、気づいたときには狙われていることが多々ある。群れでの行動はせず、単独行動を好む。
イノシシの肉が好物なので、イノシシの生肉を薬草につけて匂いを強くすることでおびき寄せられ、嗅覚により察知される危険性を低くできる。
気づかれたときは機動力を削ぐことを優先して戦うと良い。
ーーーアルマンダーーーー
4足歩行の犬サイズのトカゲ。鱗が鋭利に尖っているため大変危険である。
水辺に生息地を構える習性があり、湖や川のほとりで見つけることができる。
群れで行動しており、仲間に被害が及ぶとたくさん集まってきてしまうので注意が必要。
鱗が強固なので魔術による撃退が効果的。武器で戦うときは首にある一際大きな棘を削ぐように切れば刃が通るが、難易度が高いのでオススメしない。
ーーーリバイソンーーー
大きな二つのツノを持った牛のような魔物。怒らせると何も考えずに突っ込んでくるため、やたらむやみにちょっかいを出すのは危険である。
前方140度まで見渡せるが後ろは死角である。気づかれないように近づき、一撃で倒すのが最善手だ。
尻尾の根に近いところに神経が集まっているところがあり、そこを攻撃すると激しい痛みにより気絶させることが可能。
「クライン君、そろそろ着くよ」
キースの声にハッと現実世界に引き戻る。
「随分熱心に読んでいたね。それ、クライン君にあげるよ。僕は嫌ってほど知っているしね」
「本当ですか!ありがとうございます!」
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
見渡しのいい平原に到着した二人は、拠点となるテントを張っていた。
いや、正確には張ってあるテントを設置していた。
やけに荷物が少ないと思っていたが、キースが収納魔術を使って持ってきていたのだ。すでに張った状態だったので、おく場所だけ決めたら準備が終わってしまった。
「アルマンダーとリバイソンは今からでも狩りに行けるけど、ヴェロウルフは夜行性だから、こっちは後回しにしよう」
「はい、わかりました」
「基本的に僕は手を出さないでおくよ。よほどどうしようもなくなったときは手伝うとしようか」
「えぇ、そうならないように最善を尽くします!」
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