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プロローグ
私、某地方工業高校の男子生徒兼コンビニアルバイト戦士の芽出 大河と申します。
修学旅行で飛行機に乗っていたら墜落しまして今、異世界のダンジョンに居ます。
この世界のダンジョンは人類には宝を蓄える宝物庫とみられる反面、この世界の魔力循環とかいうものを行っているらしい。
今回、俺や修学旅行の面々はそのダンジョンのマスターに成りました。
やったね✨
とは思えず。
普通に討伐されることもあるらしいのでおちおちと寝ていられません。
かと言って侵入者を呼び込まないと魔力循環が行えなくて、ノルマを達成できなかった場合は死ぬかもしれないらしいです。

「はあ、俺ら工業系だからって言う理由でダンジョン建てられるとかだるくね?」
「建てるって言ってもゲームみたいなもんじゃん。」
「けどここラノベもマンガもないじゃん。」
「ダンジョンポイントで買えるみたいだけど、ダンジョンの防衛をするやつの10倍の値段はするもんね。」

工業系に少なからずいるオタクズ、
彼らは日々不良ズに怯えながらもジャバニーズカルチャーを大切にして過ごしていた。
そんな彼らがダンジョンなんてものを造ろうとするなら嬉々として活動するモノかと思ったが現状は違う。
娯楽が好きなのであってマジもん殺伐とした世界に誰が行きたいか。
血を見るのも痛いのも嫌なのだ。

だからダンジョンを守るのはある意味で幸いで、ある意味で厄介なタネであった。
自分たちが直接手を下す必要はない反面記録として機械のようにモニタリングしながら人を殺していくのはどうすればいいかを考えなくてはならなかった。

「生物を殺さないとダンジョンポイント手に入らないもんね。」
「でも、生物を入れておくだけでもポイントは手に入る。
 微々たるものでも良いんじゃないか?」
「鼠一匹でパン一つだし。
 鼠1000匹でそれと同等だろ。」
「コメなら100粒。」
「コメ貴重過ぎだよな。」

米茶碗1杯あたりの数は3,250粒と言われている。
なんでそんなこと調べたかって某稲作ゲームやるときに若干調べたからだよ。
交換レートはモノによってまちまちらしい。

「とりあえず牧場みたいな感じが最終目標になりそうだな。」

彼らは一人一人ダンジョンを建てているのだが、初期段階で行き詰まり、ダンジョンを造るよう言われた人物から貰った救済措置で連絡を取っていた。
誰しもが生物を殺すのを躊躇っていたのだ。

「けど牧場っつっても近くに何が居る?」

「俺の周りは海ばっかだな。
 このダンジョン自体絶海の孤島みたいなところにあるわ。
 でも、遠くに船団みたいなのがしょっちゅう見るから見つかるのは時間の問題だと思う。」

海上に居ると言うのはカラスを調教してモールス信号カンニングでうちの高校に入ったミリオタこと海砂 鷹。
幾ら海上にあるとはいえ、船団が近くにあるなら航路としても良い場所なのだろう。
それを邪魔されるくらいなら潰しに来る可能性は大いにある。

「俺は砂漠だな。
 鳥取砂丘みたいな光景が続いてるぜ。 
 キャラバンなんかが偶に通ってるからこっちも見つかるのは時間の問題だな。」

砂漠に居るのは、高校の備品の3Dプリンターで某マスターグレードやうちの高校の新任女教師の超リアルプラモデルを密造し、裏取引をする闇の売人、御流碁 砂手。
彼らは度々ルートは変わるとは思われるがそこそこ見ると言うことは都市が近いかもしれない。

「お前らはまだいいと思うぞ。
 こっちはシンデレラ城もビックリの大きさの城がある街の真ん前だよ。」
「それ詰んでね。」
「貴様は最初から詰んでいたのだな。」
「誰が爆弾、心臓に入れた会長だ!」

初めから詰んでるけどさ。
あんまりだよ。

「まだ準備期間だから、猶予はあると見て良いが……これは……。」
「俺らのところと比べると酷いな。
 初期ポイントはそっちも1,000であってるか?」
「ああ、合ってる。
 1ポイントでパン一つだし、先が真っ暗だ。」
「安心しろ、とてもコスパが良くて尚且つ俺らの欲望を満たしやすい罠があるぞ。」
「「は?」」

そう口に出したのは闇の売人、御流碁 砂手。

まさかもうすでにダンジョン開発に踏み切っているとは知らなかった。
もうすでに俺たちの数手先に行っているとは、流石に設計においてトップの速さを誇ることだけはある。

「してその方法は。」
「まて、対価には何が居る?」
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