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本編
第5恋「初めてのスマホ」その2
しおりを挟む箱のふたをかぽっと開けると、白色フレームの超新型モデルスマホが入っていた。
(うぉ~!)
液晶に電気が反射してピッカピカだ。
感動で震える左手でそっとスマホを持ち上げて、
やっと今に至る。
(ほわぁ……!)
たった今、僕の手には新品のスマホが握られている。
「感動……。感動だべぇ……!」
「初スマホだべさ!けんちゃん!」
ユキもはしゃいでいる。
白色のスマホ。田舎者でも分かる、これ新しいモデルのやつだ。
(かかか、かっこいいべさ!)
「けんちゃん!早く電源入れてみっぺや!」
「お、おう!」
しかし、電源の入れ方が分からない。
戸惑っている僕をニヤニヤ見るユキ。
「横のボタンだべよ。」
言われた遠り押したが、電源はつかない。
音量の調節ボタンだから当たり前だが、そんなのは知ってすらいない。
ユキは、可笑しそうに笑っている。
「けんちゃん、スマホ音痴すぎ。」
「し、仕方ねぇべや!」
(恥ずかしっ!)
ユキは服の前ポケットに入っていた自分のスマホを取り出し、
「ここのボタンだべよ。」
と、指さして教えてくれた。
(ふぇ!?)
「ユキ、スマホ持ってんだが!?」
「当たり前だべさ!ここ東京!うちの歳で持ってない人いないべさ!」
「んだの!?」
都会おそるべし。
横のボタンを押す。
画面が光って、スマホが起動した。
「おぉ……!」
思わず漏れる感嘆の声。
(スマホ!おらのマイスマホ!)
田舎者だし、その上スマホ初心者の僕だ。全く使い方が分からない。
「ちょっとスマホ貸して。」
ユキが言った。
「けんちゃん、初めの初期設定とか分からないでしょ?うちがやったげる。」
(ショキセッテイ?)
「お願いします?」
「なんで疑問形なんだべ。まぁ、一緒に見てて。」
僕は、ユキに教えて貰いながら初めの初期設定と簡単な操作方法を教えて貰った。
「あと、これも必要。」
と言うと、ユキは無料通話・メッセージアプリ、
おなじみ『L I N E』をインストールした。
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